間違いいっぱいの自動車選び。BMW・1シリーズの試乗レポート。
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116i・モデルコード「E87」BMWの初代1シリーズ、1600ccの116i。末っ子だってBMWらしさ十分!プレミアムというよりスポーティ。10日間試乗してきました。
116iのエンジンは1600ccのNAで、カタログスペックは122ps&16.3kg。車重は1390kg。ミッションはステップ方式の6ATが組み合わせられる。
スペック見れば普通だし、試乗して体感出来る加速感もたいしたことはない。
エンジン中回転まではCVTを採用している1300ccコンパクトカーのようで、プラスちょっと上が伸びるといった感じか。
ステップATを搭載するアクセラの1500ccにも近い。
フィーリング面はほどほどに伸びやかな印象。思いっきり高回転型ではないがレッドゾーンに近づくにつれ徐々に加速感が強くなる。
最近の欧州車といえばターボ全盛期だけど、NAらしい乗り味が好きな方にはこの1シリーズを選択する価値がある。
アクセルOn、Offの際に空走感が少なく、さらに低回転をキープして走ろうとすれば、小排気量ターボ車より余裕があり、気難しさを感じない。
エンジン音もしくはエンジンノイズと振動。最初は吸気音が響いてきたり、BMWのイメージもあり悪い印象がなかったが、ちょっと慣れれば普通に実用4気筒の音。
またアイドリング時から多少なりとも振動が気になり、高回転でも振動が伝わってくる。3000回転キープは普通にラクでも4500回転キープは全く快適じゃない。
走行中は路面からの振動も手に伝わってくるし、打ち消しではなく合算。手が軽くしびれることも。エンジンマウントゴムが固めで、質感に過度の期待をすると残念な評価に。
絶対的な加速力は市街地でも非力。プアなタイヤと組み合わせられることで面白いクルマになっているが、加速力に期待してはいけない。質感も国産実用車よりちょっといい程度。
アイドリングでシャカシャカと大きな音を出し、走行中もエンジン音が強調されているあたりから、「輸入車の1600ccって凄いんじゃないか」と勘違いしてしまうが、加速力は排気量並かそれ以下。演出って感じかな。
スロットル特性は非常に扱いやすい。
一般的に1600ccクラスだと、ちょっとアクセルペダルを踏むだけでスロットルが大きく開き、強い加速感が演出される事が多い。
これ、唐突だったりギクシャクしたり神経を使ったり。レスポンス良好と錯覚できる以外に良いことはあまりない。
上記のような早開きの場合、アクセルペダル開度50%あたりで全開に近く、それ以降は反応変わらずだったりする。
1シリーズではエンジントルクが弱くても扱いやすい特性になっている。
1シリーズでは踏み始めから奥の方まで穏やか。神経使わずに調整が可能だから市街地でラク。郊外では微調整が可能。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
ミッションはコンフォート性能もスポーティ性能も悪くない6AT。2004年のデビュー当時は同クラス比較で相当に出来が良かったと思う。2014年時点でもそれなりに良い。
ATといえば機械的な質感だけでなく、変速プログラムも質感に大きく影響する。
116iでは巡航中でも少しのアクセル操作に反応してキックダウン。
自身の排気量をわきまえ、燃費重視よりドライバビリティ重視になっている。頻繁にシフトチェンジされてもショックや唐突な加速は起きず、ノイズ音量が変化するくらい。
ギヤレシオは2速6500回転でメーター読み時速80km弱。コンパクトな排気量にあったギヤ比で、高回転を使いやすい設定。常識的な速度域でエンジンを味わえるのは魅力でしょう。
Dレンジでは通常2速発進の為、これが事実上の1速?ハイギヤードかローギヤードかと言われれば中間ということになるのかな。
マニュアルホールドモードはマツダ式のアップダウン。レブリミット直前で自動アップも行われるが、手動変速と被ってしまっても2つシフトアップしてしまうことはなかった。
またシフトセレクターの触り心地・質感は国産Cセグメントクラスよりは上、欧州車としてはちょっと劣る質感。
ドライバーの意図によるシフトダウン。Mモード時でもペダルで可能。アクセルペダル全開の奧にもう一段スイッチがある。強く踏み込むとカチッとなり、シフトダウンされる。
ハンドリングがいい!これこそ初代1シリーズ最大の特徴。快適性や高級感が犠牲にされている分、ダイレクトに魅力が伝わるのが魅力。
2代目1シリーズではバランスが上がって総合性能がレベルアップした関係上、ここまでスポーティさを感じない。
だからここに惹かれれば中古で初代1シリーズという選択肢も全然ありだと思う。
ハンドリングが優れているなんて、よく言われる言葉だが、何がどんな風に良いかはそんなに解説されていない。そもそも悪いと評される試乗評価はあんまり無いけれどね。
当ホームページでは具体的にどんな風に優れているかを筆者の言葉で出来る限り言葉に直しています。比較や購入の決め手にして頂けるよう、誤解を恐れずがんばります。
普通に加速する、普通に展開する、普通に交差点を曲がるなど、普段のただの走行でもありふれたFF車と違いを感じる事ができる。FR車らしさが強調されているというか、強く体感できる。
単純にステアリングを回す感触は高級感より従来ながらの自然さを重視したタイプ。国産車でいえばホンダ車のような感じ。ほんの車庫から出すだけで、中立付近は軽く、舵角が増えるほど手応えが増す。
中立付近は軽いと言っても敏感に反応する。一般道の制限速度以下で軽く指2本分、ステアリングを振るだけで敏感にノーズは反応。
例えばメルセデスのような不感応領域がある方が自然だし快適だとは思うが、好みが合えばこれも悪くない。
ステアリングはゆっくり切ればゆっくり反応、速く切れば速く反応。こういったところからボディ剛性感の高さを感じる。ノーズのロール量で視覚的にもわかるから、丁寧な運転を学習するドライバーにも最適。
エンジンパワーが非力だとスポーティに走れない?半分正解だし半分間違いだと思う。
巨人に追いかけられたら食べられちゃう。でも、道具をうまく使いこなす喜びもスポーツ。
116iはライトウェイトスポーツのようなキャラクターの持ち主。
車重はミドルクラスだけど、昔のホンダ・タイプR系やシルビアのように普通にオーバーステアは出るし、それを除いても回頭性が高い。
特性は低速時ニュートラル〜高速時オーバー出やすい。舵角の大きな低速コーナーではコーナー舵出ちょっと前からステアリングを戻し始めるように意識しないと、巻き込むような錯覚になる。中立に戻すチカラ(SAT)は小さい。
速度を上げていけばごく簡単にオーバーステアが出たり出せたり。
よく書かれている「パワーがないからリアが滑らない」なんてことはない。
4速でもちょっと早めにアクセル踏めば普通にリアが出る。その際も、フロントタイヤのグリップギリギリで最大限の旋回力を発揮できたら...なんて難しいことはない。ドライバーもシャシーも十分余裕がある段階でオーバーステアがでる。
ツルッとくる直前は唐突で、まるでウェット時のよう。原因はタイヤからのインフォーメーションは希薄だったり、タイヤの特性と予想。”リアでそう!”って感覚が欲しい。やばいペースでなければその後はヌルッとした感触で、リアが暴れてノーコンなんてことはない。
ヌルってきて0.5秒後、ステアリングを修正したりアクセルを緩めたりするのと同時か気持ち遅れてトラクションコントロールが動作する。
ウインカーのようなカチカチ音がして、メーター内にランプが点滅。トラコンなんて意味ないっていったのだ〜れ?
筆者ヒラリー、FR車でサーキット走行をすると無意味にオーバーステアを出したくなる。だって、コントロールしているって感じがするじゃないですか。別にドリフトするわけじゃないよ。
タイヤは固いランフラットタイヤ。ローパワーに合わせたローグリップ。だからボーと全開走行しがちだけど、力一杯アクセルを踏みつけていると、緩める動作が遅れがちに。ご注意下さい。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
FR車の特徴はブレーキにもでる。減速もFF車とは異なる。まずエンジンブレーキはリアタイヤに掛かる。ドライ路面ではステアフィールの面でメリットがあり、スノー路面ではデメリットに。
通常のブレーキでは、リアタイヤも仕事をする。
一般的にFF車よりリアブレーキが強く動作し、同じようなディメンションのクルマ同士だと、フロントが沈み込む量が少なくなる。
1シリーズではプアなタイヤを履いているが、通常レベルの減速Gが掛かる。ブレーキの前後バランスや重量バランスなどが影響している可能性が十分に考えられる。
ブレーキペダルの感触としてはBMWらしい初期が強いタイプ。別名カックンブレーキと呼ばれたりするあの感じ。踏み込む際には全然気難しくはない。神経を使うのは抜く動作をする時。停止直前の減速Gを逃がす動作もとっても神経を使う。
それから踏み方の荒いドライバーの横に座れば、心臓が止まるくらいの衝撃を味わえるw
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BMWマークがなかったとしても、ひと目でそれとわかるインテリアデザイン。末っ子といってもやっぱり。
ペダルレイアウトはFRらしく、センター側がタイト。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。