間違いいっぱいの自動車選び。BMW・1シリーズの試乗レポート。
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116i・モデルコード「E87」BMWの初代1シリーズ、1600ccの116i。末っ子だってBMWらしさ十分!プレミアムというよりスポーティ。10日間試乗してきました。
1シリーズのドライビングポジションは、下げればスポーティモデルのように低めにセットできるし、高めにセットすれば運転がラク。
自由度が高いんだけど、頭上スペースが少ないから、まずは低い位置から調整しようって事なんでしょう。ほどほどな包まれ感を得られるうえに、インパネの形状は圧迫感を感じさせないタイプ。着座位置低めでも運転しやすい。
シート上下の調整はシートリフターと呼ばれるが、1シリーズのシートリフターは座面全体が上下するタイプ。
これは座面前後が同じ角度で上下するのがメリット。
デメリットとしては操作方法が特殊なのと、動きが荒いので運転中の操作は危険。
そして前後方向の調整。これは非常に調整範囲が広い。大げさに言えばヴェルファイアのセカンドシートのようだw
どれくらい広いかって、後ろに下げればBピラーの真横に頭がくる!こんな部分もやっぱりBMW。
この可動範囲が生きるのは助手席シート。どんな乗り物でも足下広い方が余裕なのは間違いありません。
次にペダルレイアウト。FRらしくセンタークラスター下部はミッションがあるから、ペダルレイアウトは全体的に外寄り。
右ハンドルなら右寄りって事ね。
やや外寄り過ぎの気もするが、国産車でもFRは外寄りだっから、慣れれば問題ないと思う。アクセルペダルはオルガン式。こちらは後述。
運転席からの視界、エクステリアのデザインの都合上か、ボンネット中程までがラクラク視認できる。
Bセグ/Cセグメントハッチバックでボンネットが見えるモデルっていったい何車種あるんだろう?貴重です。
フロントパートが全く見えないクルマだと、常にカンで寄せる。余裕を取る距離は毎回バラバラだしハラハラもする。
こんなところから実際は小さいクルマほど取り周りが悪いと感じる事がある。無駄なスペースを確保して寄せるのはコンパクトな意味がほとんどないと思う。
フロントバンパーの距離間を取りやすい反面、ボンネット高が高いからフロントタイヤ周辺の足下は見えにくい。通り沿いのお店から出る際など、縁石の切れ目を確認しにくい場合があった。
かかとの位置を一定にするならペダル表面は滑ってくれないといけないし、ドラポジ的にも決まっていないと無理。
筆者としてはまず優れたドラポジありきかと。じゃないとオルガン式のメリットにクエスチョンマーク。
例えば6型ゴルフなどはペダル面と足底の角度が合わず、いつの間にか位置がずれる。例えば3代目マツダ・ロードスターではかかとごと前後させるような感じ。なかなか完璧なモノはありません。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
アクセルペダルは床からペダルが生えているオルガン式ペダルというタイプ。
全開走行時のペダル操作量が多い時に操作しやすさを発揮する。
1シリーズのオルガン式ペダルは扱いやすいうえにコンパクトにまとまっている。
見れば縦方向に滑りやすくなっているし、ドラポジと合っているのがポイントかな。気になる配線が邪魔に飛び出てもいない。
オルガン式ペダルは、国産車でもミドルクラス以上で採用されているし、欧州車ではゴルフ6あたりでも採用されている。
建前上は素晴らしいオルガン式ペダル。しかし実際には効果が薄く、無駄にスペースを取っているだけのものも多いから困りもの。
乗り心地や静粛性、便利装備など車内での快適性について。同乗者のみならず、運転好きのドライバーだって無視できない部分。疲れている日も体調悪い日もありますからね。
この初代1シリーズ、乗り心地についてこのあたりはお世辞にもいいとは言えない。
われわれ一般庶民からするとBMWはプレミアムなメーカー。
だからそれなりの高級感を期待してしまうが、期待すればするほど、裏切られた時のショックは大きい。
試乗してすぐにわかるのは、タイヤの固さ。ランフラットタイヤだから仕方ないなんてレベルじゃない。もう、弾力のないゴムって思えるレベル。このタイヤのせいで半分は損していると思う。
一言でいえば荒っぽい乗り味。車体の挙動変化から察するにバネもダンパーもそんなには固くない。それでも路面のボコボコはかなり拾うし、大きな段差ではフロアが振動するほどガタガタ。
乗り心地に対する剛性感。こちらはほどほどに良い。トヨタ車でいえば300万クラス?と思える印象。特に良いのはリアシート。場合によってはフロントシートより快適。FR車だとリア側の剛性が強い可能性がある。
助手席の足下はブルブルと振動するので特別、剛性感が高いとはいえない。ここは一応対処されており、暑いフロアカーペットによって、振動を感じにくくなっている。
タイヤの音、風の音、自車コンポーネンツが発する音、その他外部からのノイズ全般、どれもがうるさい。
1シリーズに試乗して思うこと。トヨタ車や日産車の200万円超クラスなど、文句を言ってはいけない静粛性を持っていると実感する。
1シリーズの静粛性の低さは、国産車でいったらBセグメントレベルを基本に、高音域の周波数をシャットアウトしたようなもの。中低音がゴーゴーモコモコ。そこまで安っぽいたぐいのノイズではないが、うるさいことには違いはない。
車両価格300万円〜400万円あたりのドイツ車と比較してみる。
まず人気のメルセデスベンツ。外はうるさくても中は意外と静かなのがメルセデスのキャラクター。
Cクラスでも最近は乗り心地は悪くない。大きな違いはステアリング中央付近の反応。メルセデスは全般的に穏やかな印象。旧型Aクラスなどでもそう。だから何かしながらのドライブはBMWより神経を使わない。総じて直進安定性も高い。
ランフラットタイヤ?ブリジストンブランドなら1シリーズほど酷くないと思う。
次にCセグメントといえばVW。1シリーズの快適性能で比較すれば、ゴルフだと5型ゴルフくらい。
よく言われる欧州車らしさが弱まった6型ゴルフ、7型ゴルフでは1シリーズより高級感を感じる。スポーティモデルのシロッコでは2クラス以上の差をすぐに体感出来る。
最近のVWはわかりやすい高級感がある。ただしDSGによる不快なギクシャク。コンフォート面でまた別の問題がある。
そして決定的にはすべてFFがベース。プレミアムブランドのBMW&メルセデスとは決定的な差。ただし、メンテナンス費用は同じくらいが必要。
エンジンノイズの主張が強いのは、よくスポーティカーでありがちなパターン。ノイズの音質はモコモコと中低音。
ドライブを快適にしてくれる装備面、2004年という初代1シリーズのデビュー年を考えても貧弱。詳細は後述。
リアシートについて。ボディサイズからすると乗員スペース、広さは狭い。
フロントシートがギリギリまで後ろに下げられる点からみても、やはりリアシートはおまけのクルマ。乗車定員は3人ではなく4人でもなく5人。仮に4人でドライブということになると、リアシートは小中学生くらいまで、ドライバーは標準体型以下というのが条件でしょう。
スペース効率優先の国産コンパクトに慣れすぎたかな。広ければいいってものでも無いけれど。
どれくらい狭いかと言われれば、国産車だとBセグメントレベル。イメージではフィットの方が広いくらい。シートの大きさの差は置いておく。
やはり1シリーズはFRだからという事もあるだろうし、フロントシートが足を伸ばして座れる着座姿勢という事もあるだろう。さらにはボンネットが長いという影響も。フロントに大排気量な直列6気筒エンジンを搭載することまで考えていれば、横置きコンパクトカーよりスペース効率がよくないのは当然。
身長182cmのドライバーがドライビングポジションを取った状態で、リアシート2列目をチェック。
※2代目1シリーズではホイールベースが30mm延長され、リアシート居住性が上がっています。
スペース的には最小限。乗り降りもしにくい。しかし一度座ってしまえば、シートは良くできている。
まず、ヘッドレストを気にせずそのまま座れる。シートバックの大きさは大きい。
コーナーが続く道での体の落ち着き、シート座面に工夫があり、腰の落ち着きは良い。具体的には、座面に切り替えがあり、お尻の下のクッションは柔らかく、太もも辺りから固くなっている。
上半身は5人乗りという都合上、サポートは無いけれども、この座面のおかげで、座り直さず座っていられる。
静粛性はフロントシートより良好。エンジンノイズが小さいです。
2人乗車ならフロントシートをいっぱいまで下げて乗車するか、いっぱいまで前に出してリアシートに乗車するか、お好みでどうぞ。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
ラゲッジ寸法 奥行き79cm、幅95cm、入り口最低地上高68.5cm。
BMWのエンブレムがオープナーになっている。試乗車ではここからリアカメラが顔を出す事はなかった。
ラゲッジの広さは標準的。アンダートレーはない。サイドに非常停止板と救急医療セットが入っている。
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快適装備は事実上一人分。コーヒーショップのカップはがんばっても2個は厳しい。
アンダートレイはなし。12Vバッテリーが格納されている。非常停止板と救急医療セットが入っている。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。