間違いいっぱいの自動車選び、日産ノートe-power(HE12)「X」の試乗レポート。
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エンジンで発電してモーターで駆動というシステムにより、燃費だけでなく新しい走行感覚が魅力。
試乗内容は限定的。第一印象重視でより一般的な表現を心がけています。
日産のコンパクトカー、ノートにマイナーチェンジで追加されたのが、ノートe-power。エンジンを発電専用として搭載し、電気によるモーターで駆動して走行するクルマ。
内装は同クラス他車より大人っぽいメインメーターなどに好印象。
運転席から見える内装は全体的に、奇抜なデザインや派手なライティングが控えめで、落ち着いた室内を好まれる方には合っていると思う。ネット上で見る写真ではアクが強く感じる事もあるけど、実車ではちょっと異なる。
インパネなど運転席回りをアクアと比較した場合も、こうした点が魅力的に映る。アクアは無骨と演出が入り混じった個性の強い内装で、ノートとの違いは大きいから好きな方を選ぶのは簡単だと思う。質感という表現で評価すれば、高いのはノート。
ノートのインパネもパネルの質感は安っぽい。コスト最優先のコンパクトカーという香りが漂っている。それでもボリューム感というか造形によって、大きいクルマの感覚があり、それが質感につながっている。ライバル車ではフィットと同じような路線と思え、フィットと比較すれば質感は負ける。
記憶に残った部分で、良い点と悪い点を一つずつ。
どちらかといえばよかったのが、フロントシートの形状。膨らみ過ぎくらいのランバーサポートが主張していて、座った直後は違和感を感じるんだけど、5分も座っていれば程よく凹んで気にならなくなる。
乗り降りを繰り返した時だけの違和感だから、通常ドライブでは気にならず、長所として印象に残ると思う。
この感触は日産の上級車種でも感じられるもの。統一された設計思想と思えるのが嬉しい。
悪かったのはシフトセレクター。ハイブリッドらしい形状とパターンで、下でドライブ、上でリバースなんだけど、セレクター上部にパーキングスイッチが付いている。これは間違えるだろうと思ったら、最後に本当に間違えた。
「P」は別の場所という方が間違えにくいんじゃないのかな。ただこれも、上級車種と統一された設計だから悩ましい。
アクアってハイブリッド車だけど一般的なシフトセレクターを採用している。きっとユーザー層を考えてのことだよね。こうした決断はメーカーの姿勢に共感できるし、ターゲットが明確な車種って人気車種になるもの。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)。
ノートだからリアシートが広いのは当然。フィットと並んでライバルとは比べ物にならないだけのスペースがあり、リラックスして座れる。しかし広いと言ってもやはりコンパクトカー。つま先はフロントシート下に入れなければ、着座姿勢は強制されてしまう。
ノートのリアシートに座って、一番に気付いたのはシートクッションの柔らかさ。プカプカ一歩手前だけど、サスペンションの固さを考えれば納得。
次に気になったのが、このフロントシート下。なんと、つま先が入れにくい!
ヴィッツは運転席シートリフターを下げていると、つま先を入れられないという弱点があった。ノートも一緒かな?と思い、営業マンに運転席を調整して頂くと、あれれ変わりません。座面は上がってるんだけど、フレーム位置は変わらず。つま先入れにくいのはそのまま。
写真は左がe-power、右が普通のノート。わかりにくいけどフロア形状が異なる。
そういえばラゲッジには大きな12Vバッテリーがあったから、ここに走行用バッテリーがレイアウトされている様子。
静粛性では思ったよりよかった部分と、思ったより悪かった部分を感じました。
※今回は3人乗車としての試乗なので、静粛性に関する条件は良かった点をお断りさせて下さい。人間が音を吸収します。
アクア試乗時に気になった電子音(ピーピーギャーギャー)が気になりにくいのは良かった。それにリーフで聞こえてくる音と比較してもガソリン車と同じような音で、良くも悪くもノートe-powerの特徴。
静粛性を”まずまず”と表現している部分に関しては、実際に試乗すれば率直な印象が残ると思う。いまお乗りのクルマより静かなのかウルサイのか。
ウルサイと感じる部分は、実際に静かな場所でシステムを始動してみなければわからなかった部分。システムをオンにすると、「エンジンかかっているでしょ?」みたいな音がする。
これはもしや接近を知らせる電子音かな? 正体はわからなくて申し訳ないんだけど、音量はけっこうデカイ。普通に普通のクルマでアイドリングしている方が静かだ。営業マンに確認すれば「エンジン止まってます」としか答えてくれなかったw
エンジン始動すれば、一回り大きなノイズが聞こえてくる。車内で聞けば3気筒らしさは強くないから、よくできた3気筒と評価できる一方で、車外ではけっこうベホベホしてる。
停止から強めに加速してみると、モーターらしい加速感と響いてくるエンジン音で新鮮というか違和感というか、ミクスチャーというか。この時の音だけみればガソリンエンジン車と大差ない。電気自動車から連想する静粛性はなかった。エンジンは何回転で回っているのか気になる。
なお、特別に静粛性を謳っていないヴィッツでも、上位グレードでは静粛性高い。静粛性が目的でのe-powerならば、同価格体の純ガソリン車も試乗してみると良いと思う。
コンパクトカーではグレードによって車内静粛性が異なるというパターンがよくある。
ノートは確認したところ営業マンが認識していて、e-powerも通常も、メダリストと付くグレードはフロントが遮音ガラスになるらしい。
「X」に試乗中、これ遮音ガラス?って聞いてしまったくらいだから、風切音などは「X」でもけっこう静かだった。メダリストならば静かと評価できるレベルが期待できるかな。ハッチ内部の処理など細部はわからないが、比較すれば違いが解るだけの差がきっとあるだろう。
試乗したノートe-power「X」でも、コンパクトカー全体でみれば中以上レベルの静粛性。筆者ならメダリストを選ばずともこの「X」で納得するつもり。
というか「X」も遮音ガラスじゃないの??って感はある。営業マンを信用すれば違うんだろうけど、だとしても悪くない。これは窓品番で確認かw それにメダリストで30万円高っていうのはノートを選ぶ必要性に欠ける。
一方で電気自動車らしい静粛性とか静かな加速を期待してしまうとキツイ。キツイというか、これじゃない感が強い。車両価格と静粛性のコストパフォーマンスが良くないと感じた筆者は、購入動機がなくなってしまうほどでした。
ぱっと見でちょい乗りしたノートe-power。試乗して良いと思える部分が多かった。
価格や購入条件を無視して、コンパクトカーという枠内で評価すれば、よくできた商品で魅力的。そもそもこれだけワクワクするコンパクトカーは久しぶり。仮にアクアと近い条件なら、迷うことなくノートを選ぶ。
だけど筆者としては購入は見送り。筆者ヒラリー、試乗で納得できれば落ち着いてもう一度試乗し、ハンコを押すところまで考えていたんだけど、今回そこまでいかなかった。単純明快これが筆者なりの評価。
理由はいくつか。乗り心地とハンドリングのバランスの悪さ。それから電気自動車感の希薄。アクセレーションは気持ち良いんだけどね、純粋な電気自動車であるリーフとの条件を比較すればノートにはもう少しの質感、もしくは価格面でのお得感が欲しかった。
提示された総額から車両に関係ない部分を引けば250万円。経済性でみれば敢えて割高なノートを選ぶほどではない燃費。次期モデルや同システム別車種の期待。これら脳内会議の結果、見送りに。ついで同行した女友達から「お母さんが乗るようなクルマ」と囁かれたのも少しあるw
繰り返すが同クラス内での魅力高いと感じた。コンパクトカーが好きだ!値段は気にならん!というのなら購入後も満足だと思う。
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ノートe-powerのシフトセレクターと、通常のノート(初期モデル)のシフトセレクター。
ノートe-powerのリアシートと、通常のノート(初期モデル)のリアシート。
わかりにくい写真だけど、フロントシート下のフロア形状が異なる。
ノートe-powerのメインメーターと、通常のノート(初期モデル)のメインメーター。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。