人気セダンの試乗レポート。18系GRS182クラウン。グレードはアスリートの3000cc(前期モデル)です。
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18系クラウンは「ゼロクラウン」と呼ばれるモデル。発売は2003年12月。
170系クラウンや次代となる200系クラウンとの比較も含めて試乗レポートをお届けします。
運転席に座ってドアを閉めた瞬間から、エンジン始動してのアイドリング中、車内は非常に静かで高い満足感を得られます。
静粛性は日本車、特にトヨタ車が圧倒的に優れている部分。そんなトヨタの上級車種だから、音や振動面で快適なのは当然というわけです。
最上級と比較しなければ文句ないでしょうし、4気筒エンジンのセダンなどと比較すれば、全く異なった高級感を味わうことができます。
オーナーになり、この静かさに慣れてしまっても、一度他車を運転して戻ればまた、この満足感が得られる。「3日に1度は不味いものを食べろ」とも言いますしね。
走行中の静粛性はまずまず。ものすごく静かな停止中からみると、期待ほど静かではありません。良いのはノイズの音質がマイルドという点。
ドア周辺からの風切り音も、フロアから聞こえるタイヤのロードノイズも、耳障りに感じにくい音質で、ここに高級感を感じられます。よほど悪い道でなければ、パッセンジャーと話すのに邪魔になるほどのノイズは侵入してきません。
ドライバー1人乗車の場合は、疲れていれば気になる程度の騒音は感じます。マジェスタなどもっと静かな室内を望みたくなるのも事実。
エンジンノイズは、低回転時でのエンジン透過音はあまり気になりません。周りがうるさい場所を走行中は、耳障りなんて感じることはないレベルです。逆にもうすこし音を聞かせてくれても良いんじゃない?なんて思うほど。
強い加速時など、高回転を使う、キープする、そんな時は刺々しいV6エンジンの音が響きます。迫力いっぱいで、上品な音質ではありません。
このV6エンジンは、高回転時ではクラウンに似合わないエンジンノイズを発します。現時点ではまだ直6の方がクラウンらしいし、8気筒の全域ジェントルさに惹かれてマジェスタを選択するのも最もらしい理由となりえます。
エンジンノイズに関しては、次の20系クラウンでは幾分マイルドな音質になり、ビックリするような音は多少なりとも影を潜めています。こんなところからも、ゼロクラウンは過渡期のクラウンであると思ってしまいます。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
クラウンのボディを外から見れば、全長があるから伸びやかに感じるデザインと気付きます。全長短いセダンのエクステリアデザインはズングリしているを思い出します。
クラウンのボディサイズは、4820x1765mm(全長x全幅)。大きめだけど大きすぎず、高級セダンとしてはちょうど良いサイズ感です。
クラウンの駆動方式はFR。フロントタイヤの切れ角が大きく、小回り性能は良いです。
最小回転半径は記憶だよりで5.2mあたり。
ホイールベース長くてハンドル切れ角大きいから、内側の内輪差、これは注意が必要です。コンパクトクラスでは感じなかった内輪差がハッキリと感じられます。
慣れるまではコーナー内側のドアミラーをチェックした方がいいかもしれません。
ボディサイズはミドルクラスでも横幅が「1800mm」近くなってきており、アッパーミドルクラスでは「1800mm」を越えることが多くなりました。
そんな中で18系クラウンの横幅は「1765mm」。普通どころかスリムに感じるサイズ。
ただし、ベースが小さいクルマの横幅とは若干違います。
クルマの全幅では、カタログ数値にドアミラーは含みません。これにより実際に試乗、走行した時の感覚が異なります。
コンパクトなベースを基本に大きく仕上げることがミドルクラス以下ではよくありますが、この場合はドアミラーが内側に引っ込んでいる事が多いわけです。
例えばVWゴルフ。5型から6型に変わった時、全幅が「30mm」増えましたが、これはドアノブの取っ手が膨らんだだけ。
ミラー間の距離はあまり変わっていません。また7型ゴルフでは全幅1800mmということですが試乗して大きさを感じることはありませんでした。
クラウンはプラットフォームからビッグFRクラスなので、窓の横幅が広ければミラー間も広い!車内の高級感だって異なり、大きなクルマに乗っている感覚が強いです。
18系クラウンのエンジンバリエーションは3種類。2500cc、3000cc、3500ccから選択できます。
このうち、3500ccは2005年のマイナーチェンジで登場。アスリートの3000ccと変わる形で3500ccになりました。
前期はロイヤル、アスリート共に2500ccまたは3000cc。後期になるとロイヤルは2500ccと3000cc、アスリートは2500ccと3500ccになります。新車価格は以下のよう。
クラウンのキャラクターを考えれば直6エンジンの方が似合い、ジェントルで好感持てる質感でした。しかしトヨタはV6エンジンに移行。
残念ですがトレンドは経済性に優れる4気筒エンジンが好まれる時代です。贅沢は言えません。
現在ラインナップされているトヨタのV6をまとめてみました。
これらを基本にバリエーションがあります。他のV6と比較しても、全体的にトヨタのV6はスムーズなフィーリング。ただし同じ6気筒といっても、細かな型式違いによって内容は変わってくるので、6気筒ならどれも良いとはいえません。
クラウンの価格は、車両価格300万円台中盤〜。価格だけみれば、高級車といえる価格帯ではありません。300万円を超える車種は数多いですし、街中ではそうしたクルマがたくさん走っています。
フーガ、スカイライン、SAIに、ベーシックカーであるカムリだって300万円オーバー。アコードやレガシィだって大きく高価になりました。さらにはミニバン、SUVなども。
クラウンは価格帯をキープしていて、大きく価格が変化していません。モデルチェンジされるごとに価格上昇するライバル車と比較すれば、クラウンは非常に良心的!筆者がクラウンに最も魅力を感じるところです。
しかし、安全装備の充実や、サイズアップによりコストがアップしていることを考えると、見えない部分はチープになっていても不思議ではありません。
価格だけ見れば、相対的な車格は下がり気味。それでもイメージは高級車。コストパフォーマンス的な満足感は高く、ミニバンやSUVと同じ価格で買える高級セダンと考えれば、魅力はものすごく高いですね。
持てるイメージが高級だから、お得感も高い高級車だと思います。
らしくないクラウンと言われ、ゼロクラウンという愛称が付くほど大変身した18系クラウン。そこに感じるのは過渡期。後の20系クラウンを考えると、過渡期のクルマということがわかります。
新しいシャシーに新しいエンジン、モデル途中では新しい6ATミッションも登場し、デビュー時は価格にお得感さえ感じるクルマでした。
しかし乗り心地の悪さなど粗が目立ち、こうしたネガティブな点は次の20系で改善されます。20系は全体的なイメージ変更や新しいパーツといったトピックスはなく、熟成メインのブラッシュアップモデル。
ニュース満載だった18系と、ニュースはハイブリッドだけだった20系。乗り比べ比較すれば20系の方が大きく質感が高まっています。
もし中古車でゼロクラウンをお探しなら、直6エンジンの17系や、質感アップした20系も候補に入れてチェックされるのは如何でしょうか?
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後期アスリートのインテリア。
18系クラウン「アスリート」の後期型は3000ccモデルは3500ccに変更になる。ロイヤルの3000ccモデルはそのまま継続。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。