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2019年版のハイトワゴンとコンパクトミニバン比較。
シエンタ・フリード・ルーミー・キューブ。
車両価格が近い4台の比較と評価。
※2019年夏・執筆。 著者・ヒラリー男爵 シエンタ、フリード、ルーミー/タンク、キューブを比較。比較中ルーミーだけ廉価グレードです。
左がシエンタ、右がフリード(フリードはタッチで拡大)
カジュアルな方向性で個性的なシエンタに対し、ノーブル(普遍的に立派)なフリード。シエンタは価格なりに質感高いけど、アクが強いというか万人受けという印象は受けず。ボディデザインと一緒だね。
フリードは実車だと写真で見るより立派で、ミドルクラス的な雰囲気は価格以上の質感。木目超?みたいな部分だけあれだけど、デザイン的にも素材的にも満足感高い。こちらもボディデザインと共通のイメージ。
左がルーミー、右がキューブ(タッチで拡大)
骨太さが強調されるルーミーと、優雅なラグジュアリー感が強調されるキューブ。どちらも質感低く、最新の軽自動車に劣る質感。気にされるなら選択肢から省かれるかな。
ルーミーは骨太というより無骨。いつの時代のクルマですか?みたいな。キューブはラウンドしてドアトリムまで繋がる曲線基調が雰囲気良いけど、部品点数は少ないし素材感は悪いし、質感として評価すればやはり低い。
ホンダらしく普通っぽくて、そして立派。加飾で華やかに魅せるというより、元が立派だから質感高いという評価に直結する。
内装パネルの模様が爽やかだったり、スイッチの触り心地が良かったり、細かな部分も高品質。初めてドアを開けたらきっとびっくり。
複雑な曲面で構成されている点や、安直な黒い光沢パネルに走らず、シルバー塗装が多用されるあたりは上級感高い。
だから質感で評価すれば高得点のハズだけど、カジュアルな味付けとかアクの強さで人を選びそう。好きなら問題なし、苦手なら慣れるまで我慢が必要かな。
曲線を多用し優雅に魅せる作りは上級車っぽいし、フラットなダッシュボードは車両感覚のわかりやすさに直結。基本的なデザインは秀逸だと思います。
でもちょっと、コストダウンが目立ちすぎ。素材感低く、部品点数は少なく大味。質感は10〜20年前の基準。デザイン立派だから良く見えそうで、非常に惜しい!
安っぽいところに個性を積み上げ、無骨なデザインとして仕上がったインパネ。写真だと立体感が希薄でそれほどでもないかもしれないけれど、実車はキテマス。
メインメーターだって旧世代的。割安なクルマじゃないんだけど...。さらに試乗した車体だと、茶色い差し色もキレイなブラウンとは思えず。
左がシエンタのエアコン操作部、右がフリードのエアコン操作部。
シエンタの白く見える部分は、照明が透過するプラスティック。スケルトンパーツみたいなカジュアル感。
フリードは端正で高級車みたいな雰囲気。触り心地も良く、昼間や夜間もキレイで質感高い。機能別に機構で押し心地を変えたりと、走行中での気配りも1クラス上の雰囲気。
フリードのインパネ上部・ダッシュボード。写真で見えるのは、サンド塗装で強くつや消しされた黒い塗装、鈍く反射の弱いシルバー塗装、爽やかな模様の内装基本パネル。
どこもキレイで機能的。いやな反射も目立ちにくい。
面積大きく多用される内装パネルに付けられたストライプ模様、無理してレザー調よりよほど良く見える。発想の転換というか定番に拘らないところが魅力。インパネ全体の形状とも似合ったデザインだと思います。
こちらはルーミー。シエンタと20万円差とは思えません。上級グレードなら少しだけマトモになるけど、すると価格差もなくなり...。
コンパクトなクルマこそ、車内には広いスペースが欲しいというもの。比較している4車種はどれも、フロントシートよりリアシートのスペース重視。助手席足元は普通、リアシートは広い。
シエンタとフリードの2列目シート。3列仕様ということもあり、だだっ広いほどのスペースはないんだけど、不満ないだけの広さはある。
気になるのは広さではなく着座姿勢。アップライトというほど立っているわけではなく、成人男性が畏まって座るのは苦手。かといってダラッとも座りにくい。
女性やお子様が座りやすい設計もしくはシートアレンジ優先と思われる。
軽自動車の大王様ルーミーだから、もちろん狭いわけはありません。
軽自動車と同じような作りで、より快適な空間になっている。スペースは十分、また成人男性でも余裕をもった姿勢で座れる。
シート座面はシエンタと同じ長さがあり、低い座面高に合わせた傾きや構造、シートバックの角度などでダランと座りやすい。足元のスペースもそれに必要なだけあって、幅広い体型に対応すると思う。
ただし座面の質も軽自動車+αで、乗り心地をキープするのは短時間。
キューブのリアシートは何の変哲もない普通のシートみたいだけど、表面素材も材質も良くてゆったり感が強い。
硬いシートが増える中で、沈んでも弾力を維持してくれる上級タイプ。
でも座りやすさとは別問題。ゆったり座らせようとする座面に対し、リクライニングは足らず、足元スペースも足りない。フロントシートが大きいこともあり、リアシートは妥協を感じる。
ラゲッジルームもしくはトランクスペースとは荷室のこと。比較中の4車種は通常状態では狭く、天地長はあるものの使いにくいサイズ。
スライドドア車のシエンタ、フリード、ルーミーはリアシートを格納して大きなスペースを作ることができる。
通常の状態ではハンドバックとスーパーの買い物袋2つ程度。頑張ってハッチを開けるよりはリアシート足元の方が使いやすそうなラゲッジ。
荷物らしい荷物を入れる時は、3列目シートを格納する。場所は2列目シートの下。いったん2列目を避けてそこにだいぶダウンさせ、2列目を起こして完成。やけに薄くてエマージェンシーな3列目はこのためと思うと納得。
通常状態ではシエンタと同程度。違いは3列目の格納方法と、それに合わせてシート自体の質が上。
3列目は左右へのポップアップ式。3列目のサイドウインドーの辺りに跳ね上げる。ちょっとチカラは必要だけどメリットも考えられる。ひとつはハッチ側からの操作で完結する事。
もうひとつは2列目にチャイルドシートなどあったとしても、外す必要がない事。
逆に普段は格納しておくにしても面倒は少ない。
比較的軽く開けられるテールゲートで、スペースも奥行き50cmと日常のお買い物には困らないくらいのスペースがある。
開口部はトランクボードの段差が気になるものの、重量物も積みやすい形状で、ジュースの箱買いなどにも対応。
3列シートのシエンタやフリードと比較すれば、ラゲッジスペースは2列シートの優位点。格納しなくても最低限使え、その気になれば格納も。
1世代前のコンパクトカー的なスペースと形状。狭くて深くて大きく重い荷物は厳しい。しかし横開きという魅力。ハッチというよりバックドアのこれは、軽く開閉できて軽い荷物を投げ込むのに適している。
キューブは個性的なボディデザインが魅力だから、スペースはそちらに回されてる様子。
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意見ハッキリ!特徴と長所短所をわかりやすく!
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。