試乗比較とレビュー、間違いいっぱいの自動車選び・ダイハツ

ファンクロス辛口評価「2」
乗り心地・静粛性・ハンドリング

間違いいっぱいの自動車選び。タント・ファンクロス試乗レビュー。

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「ハンドル回し心地が良好だから軽自動車らしさが薄い」

タント・ファンクロス
  • グレード:“ファンクロス・ターボ”
  • 年式:2024年式
  • 車両価格:190万円
  • 新車価格帯:182万円〜
  • デビュー年:2022年10月(ファンクロス)
タント・ファンクロス・内装(昼)タント・ファンクロス・内装(助手席から)

ダイハツ・タント・ファンクロス(2024年式LA650S)グレード「ファンクロス・ターボ」の試乗レポート。

  1. ファンクロス・特徴をサクッと一言で
  2. ファンクロス・乗り心地・静粛性・ハンドリング
  3. ファンクロス・内装(フロント)
  4. ファンクロス・内装(リアシート)
  5. ファンクロス・小さな長所短所

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試乗:静粛性

タント・ファンクロス:ボディデザイン

2024年式タント・ファンクロスの静粛性と、エンジン質感、加速感について。

良い意味でびっくり!走行中の静粛性

ガチャガチャした段差でのノイズは別です。個体によっては目立つコレは後述します。

いま述べたいのはいわゆるロードノイズ。高い静粛性がアピールされる3代目N-BOXと比較しても、少なくてもいい勝負といえるファンクロスターボの静粛性。

低音域がカットされるノイズ特性

良いのはノイズの特性。但し書きなしで快適なのはやっぱりこのタイプ。圧力大きな低音域が響かなければ、不快感は少ない。これが重要。

リアサスペンション左リアサスペンション右

軽自動車はタイヤが小さいとか狭いとか、コンポーネンツ的な都合はあるにしても、ゴーゴーしないのが魅力。
お値段が小型車並ですが静粛性は小型車並かそれ以上、というわけです。

リアシートが特にいい!

リアシート静粛性は一般的なコンパクトカー以上と思ったほど。エンジンから遠く座れ、後ろからの音は伝えてきにくい構造。

ほんとは軽自動車って条件は悪いです。リアタイヤに近く、テールゲートも近く、ドアは薄い。ノイズ源はすぐちかくに。

なんだけど、ファンクロスでは樹脂製テールゲートが静粛性に効いてる様子。防音というより吸音。柔軟性あって減衰力高そうな素材と構造です。

試乗:エンジンと加速感

タント・ファンクロス:エンジンルーム

エンジン形式はダイハツ「KF型」。ターボエンジン搭載車です。

静かとは言いにくいけど丁寧なつくり

ガラガラうるさいわけじゃないんだけど、シャーシャーしたノイズがけっこう目立つエンジン。車外からのノイズが抑えられているから、逆に気になりやすいというのはあると思う。

ノイズカットは丁寧

エンジンフード裏とカウルトップ裏には、厚みあるインシュレーター(防音断熱材)が貼られます。
同時にバルクヘッド(車内との隔離壁)には内装側に、詰まった防音材が見える。

エンジンルーム1エンジンルーム2

効果は限定的でも、もしくは必要に迫られてだとしても、丁寧と感じるのは事実。

見える部分は白より黒が良いと思うし、物量でマシマシにしたらハッキリ効果的と思うのですが、きっと今後の進化幅なのでしょう。

加速感は穏やかターボ

アクセルを大きく踏む、程度だと、NA車と勘違いしてしまう感覚。CVTが回転上昇先行なのも相まって、ターボ感は薄いです。

全開にして長い時間踏み続けても、加速感はやっぱり穏やか。積極的に高回転を使っていきますが、「速い」というより「困りにくい」だろうという加速感。

ペダルレイアウト1ペダルレイアウト2

加速力が目立たない代わりに、ターボの短所も目立ちません。お値段的にも約8万円の上昇と、せっかくならターボくらいの差額と感じられます。

D-CVTの欠点は気にならず

タント・ファンクロス:シフトセレクター

ダイハツの新しいトランスミッション。タントではNA車もターボ車もこのD-CVTが搭載されます。

シフトセレクター1シフトセレクター2

他車ではターボ車のみD-CVTになり、これがショックが気になる場面もあります。

でもなぜかタントだと、このショックや挙動、イヤな部分が気になりません。何回タントに試乗しても変わらぬ印象です。


※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。

試乗:乗り心地

タント・ファンクロス:フロントタイヤ

タント・ファンクロスの乗り心地。2024年式ターボモデルの印象です。

悪くない、個体差は大きく感じる

走り出しの1時間程度、コツコツした抵抗感強くてあれれっと。
oddメーターは1000km。新車の抵抗感かと思ったけど、走ってるうちに消えました。

どの状態をレビューするか?コツコツした抵抗感があった時は乗り心地よくない。
逆に良い状態だと、乗り心地悪くないとレビューできて、挙動も落ち着くとギリいえるくらい。

2024年式ベーシックグレードと比較

比較すれば、同じ2024年式タントのベーシックグレード(oddメーターは同程度)と比べて、硬さ柔らかさに違いを感じ、ガチャガチャ感にも違いを感じました

画像は白ボディが2021年式、黒ボディとファンクロスが2024年式。

タントファンクロスタント・ベーシック

タイヤが1インチ違って、14インチと15インチ違いがある。これがハンドリングの違いを感じにくいわりに、段差での入力は強い感覚。

タイヤ1タイヤ2

デビュー当時のタントでは、NAモデルとターボモデルでサスペンションに違いを感じ、ターボ車の方が質感高いと感じたけど、今回はそこまでじゃなかったです。
タイヤその他でNAの方が柔らかく、ターボの方が硬いという感覚。

個体差目立つ、気がする

今までに複数台のタントに乗ってきて思うのは、快適性に関して個体差をすごく感じる

新しくDNGAとしてデビューしたタントだし、密かに小改良が繰り返されたのか?というのも十分に考えれる。トヨタでもよくあるパターン。

それかもしかしたら、これがBピラーレスの弱点かもしれないし、僅かな何かが目立ちやすいのかも。
例えば、ドア結合部のゴムがちょこっと劣化して異音に繋がるとか、最近聞いた。

何が違うのかってガチャガチャ感

年式、グレード、NAにターボ、カスタムにファンクロスと乗って覚えてるのは、僅かなミシッとした響きとか、ガチャっと音出すノイズの違い。

リアシート(カスタム)リアシート(ファンクロス)

サスペンションかゴムブッシュという硬さ柔らかさではなく、音として耳に入る個体差。

聴こえるか聞こえないくらいのミシミシした感じの車体があれば、ガチャッと音を出す車体もある。
みんな同じコースを走りに行ってるし、全て新車に近い。

最近は、僅かな違いで差が出やすいのが、タントの弱点かなと思っています。

フロントシートのクッション性

タント・ファンクロス:シートクッション

タント・ファンクロスの数少ない弱点と感じるのは、シートのクッション性

ライバルが良いからタントは普通

フロントシートN-BOXはしっとりしたクッション性、スペーシアはやわらかくボリュームあるクッション性。

デリカミニやルークスも衝撃をカットする緩衝材的なクッション。どれも良いですし、乗り心地に貢献していると思います。

それらと比較するとタントのシートは普通。タントだって小型車と比較すれば良いくらいですが、軽自動車では乗り心地に重要な部分。どれもチカラが入ってます。

リアシートは座りやすく快適

リアシートリアシートは座面長が長く、座面高も大人が座れる高さ。足を伸ばして座るとちょうどいい姿勢で座れます。

こっちはライバル車より優れていると思います。大きなスライド量とアレンジも魅力。

微振動をカットするフロア

地味に効いているのが、ブルブルを伝えてこないフロア。手で触れてみると、柔軟性のある防音材とか、発泡スチロールとか、そうしたもので一段かさ上げされているようなフロア。

リア下回り

正確には車体として、微振動は大きいと思われます。ただこれもカットしちゃえばわからない、というわけですね。

試乗:ハンドリングなど運転感覚

タント・ファンクロス:ハンドリング

タント・ファンクロスのハンドリングなど運転感覚。ほかのグレードで何度も触れてきていますから、今回はサラッと。

電動パワステがいい!

最近のクルマだとね、ほんとここ次第って感じるくらい。

操作に対してクルマがどう動くか?ハナシだしたらいくらでも語っていられる部分だけど、日常走行で影響大きいと思うのは回し心地。反力とその変化、衝撃の打消。

メーカーの差がわかりやすい部分

ステアリング車体構造やディメンション的な弱点を消し、良いもの感を作り出す。
ただ作り込み過ぎちゃうと違和感が顔を出す。

作り込みが好みか、自然が好みか、メーカー的な違いが出やすい部分とも思う。

軽自動車って、CVTがメリットばかり得られると思う。同様に電動パワステも、味付け強めの方が好結果だと思う。

自然さで勝負すれば安っぽさが目立つのは仕方ないからね。

タントはトヨタ車っぽい味付け

そこでタント。違和感を感じることなく、弱点が消され、上級車らしい落ち着きが表現されています。

スコっと切れちゃう、スパッと戻っちゃう、中心フラフラ。また段差でのショック、路面からの微振動。
こうしたあたりが唐突感なく、ざらつかないので滑らか。かつ、切って戻してに違和感なし。トレードオフなのはクルマらしさ。

気になるのは2点

ハンドルにしてもアクセルにしても、頭上が揺れている感じをうけやすい。操作がアグレッシブになると特に。

ルームミラー1ルームミラー2

ルーフ先端が高い位置で前方に遠い。ここから揺れてる感が視覚的に感じやすい
沈むタイヤにグッと重さが乗って、広い頭の上がグラグラする感覚。

不安感を感じやすい部分はここ。前後の揺れはパワステではどうしようもない部分だろうしね。アップダウンあると目立ちます。

速度上げても印象変わらず

少し速度高めの80km/h巡航を試せば、印象悪くない。ミラトコットやミライースと比較した場合ね。

トコットやイースでは、ハッキリ応答性が落ちて走りにくく、60km/h越えると軽自動車の弱点が目立ったので、タントの方が好印象。

きっとサスペンションやタイヤの特性によるのでしょう。単純に背が高い低いで判断しちゃったらもったいないです。


評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部画像は拡大します。

タント・ファンクロス・メーター(昼)タント・ファンクロス・ラゲッジイメージ

動画:運転しての印象

タントのファンクロス、ターボモデルに試乗しての印象です。

準備中です。

タント・ファンクロス
タント・ファンクロス
TANTO FUNCROSS(ファンクロス)
  • グレード:“ファンクロス・ターボ”
  • 型式:LA650S
  • 年式:2024年式
  • 車両価格:190万円
エンジン概要
  • 排気量:660cc
  • エンジン型式:KF型ターボ
その他概要
  • 車重:940kg
  • ボディサイズ:3395×1475×1785mm
  • ホイールベース:2460mm
  • 発売開始:2022年10月ファンクロス
  • 新車価格帯:182万円〜
試乗レポ・ライター

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レビューワー・著者情報

ヒラリー男爵

ヒラリー男爵。自動車販売の経験あり。同僚のおクルマ整備士と試乗やメンテナンスを行い、レビュー記事にします。

経験や特技は豊富。現在は会社経営しながらYoutube動画の制作をしています。

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