評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。三菱i(アイ)「L」。
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三菱i(アイ)「L」。NAエンジン搭載モデルの試乗レポートです。グレードはターボ無しモデルでは上位グレードの「L」です。
文中では視認性を考え「i」と「アイ」を併用しています。ご了承ください。
アイに試乗すればアイミーブも試乗してみたくなる!時を同じくして電気自動車の「アイミーブ(i-MiEV)」にも試乗しました。
アイの電気自動車がアイミーブ(i-MiEV)。充電可能な電気とモーターで走るクルマで、通常の三菱アイとはほぼ、パワーユニットの違いとなってる。
このアイミーブは2グレードが用意され、何が違うかといえばバッテリーの総容量が違う。つまり、後続可能距離が異なります。
装備の違いじゃなくて重要な部分が違う。ココ重要。実際は「X」一択かな。「M」の方はバッテリーの総容量が異なれば、アクセル全開時の加速力も制限されている。で「X」、実際にどれだけ走れるかは後ほど。
ご家庭に充電設備を設置すると、こんな感じで充電が可能。一応、充電設備を購入しなくてもアイミーブは購入出来るらしい。都市部の集合住宅にお住まいの方は、ディーラーやショッピングモールの充電器で充電。そんな方もいらっしゃるらしい。
意外と問題なのがこれ。充電の制御ユニット。左の画像の右側部分のボックスがそれ。
過充電を防ぎ最適な電圧に調整したりする、いわゆる充電器のコンピューター部分。これが家庭設置の充電器とは別に、アイミーブの車体収納で使用する。
で、このコントロールユニットが、でかくて重い!ずっしりしてる。アウトランダーPHEVもそうだけど、地味にこれがネック。ハッチに収納するとガサガサいうかもしれないし、何と言っても出し入れが面倒。
メイングレードである「X」の走行可能距離、カタログ値は180km。一般的な燃費と同じ「JC08モード」での数値となっている。
通常のガソリン車やハイブリッド車では、JC08モードのカタログ値を越える燃費で走れることもある筆者ヒラリー男爵、このアイミーブに関してはこの180km走行というは非常に厳しく感じた。多くのガマンとかなりの知識・習熟度が必要だと思う。
具体的には、電池残量は「16段階」のステップでメーター左側に表示される。
アイミーブの試乗車に乗り始めた段階で「13ステップ」残っていて、後続可能距離は60km台が表示されてた。
ここで、普通に乗ってる限り180kmは無理と仮定。そしてその状態でエアコン(冷房)をONにすると、後続可能距離は40km台に落ちた。さらに、エアコン(暖房)をつければ、40kmが表示された。掛け値なしで本当の話。
つまり、走行と同じくらい、快適装備に電気を使う計算になる。だから、カタログ値並みに走行するには、多くのガマンが必要になると思う。
習熟という部分では、発進の仕方や再加速の仕方という基本の他、回生ブレーキの強さをコントロールできる。
例えば回生ブレーキを強くするか、惰性で走る距離を伸ばすか、シチュエーションによって使い分けることで電費を伸ばせる可能性があり、これがアイミーブを始め電気自動車の持つ面白さになっている。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
アイミーブは素のアイからパワーユニットを変えただけのモデルだと、メカオタク的な三菱営業マンが仰ってた。しかし実際に試乗しての印象はまた異なったモノを感じる。価格の差を考えてもやはり、乗り味に違いがあるって事です。
まず走り出しから巡航に移るまでの印象。マイルドなモーター音と共にジワッと加速していく。普通の発進に対してはうまく調教されており、音も含めなかなかリッチな加速感を得られる。ハイブリッドのトヨタ・アクアが様々なチープなノイズを伴って加速するのと比較すれば、比較するまでもなくアイミーブの方がリッチだ。
次に直線の巡航。素のアイと同様に、中立付近が重く設定されたステアリングに違和感を感じるモノの、フラツキ感は最小限。むしろどちらかといえば安定して走りやすいレベルの直進性を持ってる。自然じゃないけど実用上困らないだけの直進感覚。
そして減速(ブレーキ)。アイミーブは「D」レンジでも回生ブレーキが強めで、エンジンブレーキが強いMT車に乗っているよう。「B」レンジを組み合わせれば、ほとんどブレーキペダルを踏まないで走れてしまう。ブレーキの印象はこれがなかなかで、固いサスペンションと合わせまずまずの扱いやすさがある。
ペダル初期の効きは強めで、雑に扱えばカックン。しかしそれはドライバーの問題。丁寧に扱えばカックンを感じさせない滑らかなブレーキが可能。停止した瞬間の”ブレーキを抜く”動作なんか、特に楽々。ここは兄貴分のアウトランダーPHEVより優れた部分。
最後に巡航からの全開加速。これはもちろん、モーターらしい加速感。トヨタのハイブリッドと比較しても余裕勝ちな加速の質感を味わえる。踏んだ直後の0.5秒はグッと来る。同時に踏んだ瞬間のツキはやや良すぎるから、普通に踏み込めば乗員が衝撃を感じる。ゆっくりジワッと踏み込めば、多気筒エンジンのように滑らかな加速。
素のアイと比較すれば様々な部分でアイミーブの質感が高い。内装も景色も、ハンドルを握った印象もそっくりながら、全く異なる上質感。電気自動車ならでは素晴らしさをしっかり味わえる。
アイミーブを走行中、重心が低くなったような安定とか挙動の小ささ、加減速でもコーナーでもドライバーに伝わる。サスペンションの固さは同じだと仮定すれば、相対的にスムーズに動くようになったのと同じ事。十分に走りやすい。
ちょっとした段差を踏んでみる。素のアイとは衝撃の種類が違う。例え軽自動車といえど重たいエンジンが揺れなくなるのだから、そこでの差かな。もちろんアイミーブの方が好印象。本当は静かな分だけサスペンションからの異音が伝わりやすいはずだから、総合して結構大きな差というわけだ。
走行中ステアリングやシート、ペダルに伝わる振動。素のアイもリアエンジンだから、ドライバーから遠い位置にある=振動は伝わりにくい。しかしアイミーブなら元々の振動が少ない。ゼロじゃないけどスムーズさは段違い。
またアイは4ATで加速力はかなり足を引っ張られていた印象。とにかく疲れるし加速力も悪い。アイミーブなら時速70kmまではそれなりの加速力を見せてくれる。その後の加速力は鈍るが、時速90kmあたりまでは実用的に使える。
ガソリンエンジンを搭載した三菱アイ。この自動車の長所に、優れた感触を持つシフトセレクターというのがあった。
ショートストロークのゲート式で、かつ軽自動車とは思えぬ滑らかな動き。クラス最高の質感と評価してもイイ。
しかしこのアイミーブでは、普通レベルの操作感だった。2台の走行距離の差は大きくないから、経年変化とは考えにくい。よって、個体差やモデル時期により質感が異なる可能性あり。
上記まとめれば、アイミーブは小さいのにリッチな走行感覚を持っているといえる。素のアイとは大違い。そんなアイミーブの大きなライバルが日産リーフ。こちらはさらに凄い。意図的と思えるほど走りやすい方向に調整されたステアリングに総合的な高級感。不格好なエクステリアを除き全面的にリーフ優勢。
アイはスタイリッシュでリーフは不格好。この差は大きいが購入時の価格は思いのほか近い。さらにディーラーの拠点数だって日産の方が多い。リーフと比較した場合は、アイミーブを選択するメリットはボディサイズがコンパクトという部分になる。ボディサイズに制限がなければリーフも考えてみることを推奨。
三菱アイミーブ「X」の電池容量は16kWh。グレードは基本「X」一択。車両価格が約300万円、補助金は80万円前後。値引きはオブラートにはぐらかされました。
オプションなしでの実質的な購入金額は220万円強と予想。これに家庭用充電器がプラス。
いくらバッテリー容量が少ないとはいえ、先進性満載の電気自動車が普通の予算で購入出来るのだから、全然高くない。普通の軽自動車も上級グレードは高価だからね。
日産リーフの電池容量は24kWh。価格は300万円強、補助金が80万円前後(平成25年)。車両値引きはおよそ10万円と予想。つまり実質的な購入金額は230万円程度。これに家庭用充電器がプラス。安い!しかも装備充実で、カーナビゲーション&バックモニター、ETCなど標準装備。リーフの価格は凄いね!
さらに、交換用バッテリーはおよそ70万円程度となる模様。これも安い!
コストパフォーマンスを比較すればリーフの圧勝。実用性だけでなく内装質感も走行質感も全て。アイミーブの勝っている点といえば、コンパクトなボディサイズそして、未来感覚のボディデザイン。
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国産車バッテリー
ちょっと強引なカップホルダー。最近のドリンクは置きにくいし取りにくい。
リアサイドのクオーターパネルには、右側に吸気口、左側に給油口がレイアウト。
やっぱり魅力はこのエクステリアかな。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。