2003年にフルモデルチェンジされた2代目プレサージュ(型式はU31)。3列シートで8人乗りのミニバン。1998年にデビューし、ミニバンとしての使い勝手向上に重点が置かれています。
比較と辛口評価の試乗レポート
初代プレサージュはヒンジドアのミニバン。全体的に貧粗さが目立つクルマでしたが2代目となりスライドドアの正統派ミニバンに変化し、質感も向上しています。
そんな2代目プレサージュの試乗記です。
2代目になって進化したのは利便性、快適性、安全性が改善されています。
運転しやすさとトレンドという部分でも好ましい方向に変化していて、例えば使いにくいコラムシフトがインパネと一体型のインパネシフトに変わっています。
プラットフォームは、同時期にデビューした初代ティアナと同じFF駆動ビッグセダン用。乗用車らしさが強いミニバンで、また評論家様によると、低床化でセダンに近い乗り味も獲得とのことです。
プレサージュのモデル中ほどには、驚異的なミニバンブームは終わりを告げました。しかし人間が生きる以上、結婚、出産、家族が増えるという自然の原理の元では、需要はなくなりません。中古車市場ではまだまだミニバン大人気です。
プレサージュ1番のライバルは、ホンダのオデッセイだと思います。初代プレサージュの時代は、セダンライクに運転できるオデッセイに対し、バンの延長線みたいなプレサージュ。
プレサージュの大元は、背の高いルネッサです。販売面でも厳しかったと思います。(2000ccで199万円というお得グレードを出しても不人気) 。
販売台数も伸びないまま2003年にモデルチェンジとなりました。
プレサージュが2代目にモデルチェンジすると、オデッセイより車両価格帯が上になりました。オプションのカーナビなどを付けると価格は300万オーバーにも。プレサージュがこんなに高いの?という予想通り、プレサージュは売れません。
そもそもこの当時、日産全体がお色直し程度のモデルチェンジしかしない流れ。(スキンチェンジなどケーハクな商品企画)。日産車・日産ユーザーには厳しい時代です。
2代目プレサージュもそんなモデルチェンジ。ボディデザインでも若々しいオデッセイに惹かれます。さらにオデッセイは値引きも大きく気合十分。
ライバルと比較すれば、プレサージュは年齢関係なく選びやすクルマ、そんなイメージだけは定着していたかもしれません。お年を召された方には、オデッセイは気恥ずかしい...なんて話もあります。
プレサージュには日産お得意のハイウェイスターがラインナップ。こちらは若々しい印象と豪華さを感じさせるフロントマスクに変身。ベーシック系とカスタム系で幅広い年齢層にアピールしたかったのが想像出来ます。
同じく売れないライバル車として、マツダのMPV。こちらの方がプレサージュのライバル。間違いありません。
その他、同クラスのミニバンでやっぱり王者、トヨタのエスティマ。アグレッシブなデザインのエスティマ、この先鋭的なスタイルはちょっと・・・なんて言う人も多少はいるように思えましたが、コンサバティブな需要に対しては、トヨタにはイプサムがあって、2台体制で死角無し。
ベーシック&ハイウェイスターの日産プレサージュ陣営に対して、エスティマ&イプサムのトヨタ陣営。敵が強すぎました。プレサージュは戦う前から返り討ちでした。
実はこのプレサージュ、2010年に日本の名車に登録されました。そしてヨーロッパでもいくつか賞を獲得しています。内容は日産びいき的な評価ですが、日産がまじめ作ったクルマ、そういった賞の受賞だと思います。
プレサージュを実際に運転してみて、使ってみて、両側スライドドアは便利ですし、2列目シートが横に動くのも便利。リアサスは突っ張りますが、総合的な乗り心地はエスティマより柔らかい印象。
コーナーでは滑らかな運転に神経を使うし、これは昔のラルゴと同じ様な感じ?
生い立ちは少々ケーハク。顔面修正こそ日産モデルチェンジの真骨頂。そんな時代のニッサン車ということで、イメージ悪く、ブランド感ないですが、「若干割高な価格設定以外は、そんなに弱点がないクルマ」。世間ではそういった評価だったみたいです。
プレサージュのリアドアはスライドドア。2列目はキャプテンシートになっていますが、片側をスライドさせるとキャプテンシートから3人乗れるベンチシートに早替わり。
実際に使えないシートアレンジをウリにするミニバンが多い中、使えるシートアレンジはプレサージュの優れた点。
小さいお子様を乗せるときはママさんはとなりにいた方が安心。こんな時にパパッとカタチを変えられます。
また他メーカーにはない特徴として、ハッチ(テールゲート)の窓だけ開閉できます。
ガラスハッチといわれるみたいですが、狭い駐車場でハッチゲートが開けられない時は非常に便利。こんな細かな部分もプレサージュは使い勝手の良さが一級品。
そのほか、安全面が一歩リード。3列目シートまで開くサイドエアバッグがはじめて用意されていました。
プレサージュは、直列4気筒DOHC2.5リッターとV型6気筒3.5リッター大きく分けて2つのグレード。当然大きい3.5リッターエンジンの方がパワー不足もなくゆとりも持てます。定評のVQ型の6気筒なので、トヨタのV6と比べても勝るとも劣らず、それどころか低回転のスムーズさは一歩リードするくらい。
逆に快適性を捨てて、ランニングコストを考えれば安いのは2.5L。しかしこの2.5L、プレサージュはもともと車両重量が1700キロ近くあることもあり、2.5では、かなり力不足感があります。 といっても1人2人乗車なら、遅くてもまぁ、我慢できるかもしれません。リアシートまで使うなら、とても高速道路なんて乗りたくない。合流や車線変更は辛いはずです。
今回試乗して、セダン感覚のかる〜い出だしや中間加速をお望みなら3500ccしかないことがわかりました。そして2500ccは試乗といえどゆったり走ることしかできず。ゆったり走るだけだと試乗にさえなりません!試乗とは試し乗りの事ですから。
クルマを買ってもアクセル全開にするような事がない方に2500ccはピッタリです。
どちらを選ぶかは人それぞれ、ライフスタイルやお財布と相談して、だと思います。ただ、クルマの運転が好きな方には、年間数万円の差となる維持費を考えるより、3500ccを買った方が幸せです。だって、改造すればすぐに維持費数年分に値する金額が出ちゃいますよ。それに2500ccだとすぐ飽きちゃって、余計な出費をする羽目になるかもしれません。
3500cc、買うときはとっても高いですが、満足度は大違い。車内の静粛性も全然違います。たぶん燃費はそこまで大きくは変わらないハズ。1キロ〜2キロ落ちらしいです。インターネット上の情報によると、どちらにしろ燃費はあまりよろしくありません。
ミニバンでも走りも楽しみたい方には、オデッセイやMPVの方が一枚上手であり(これは演出の差です)、本格的にパワーを求めるならば、セダンやクーペなどほかの車に乗りなさいと割り切った方がいいです。
雑誌で良く評価しているのは、たとえオデッセイでも、エスティマでも、「ミニバンの中では」と考えて下さい。
もちろん、段差を越えてすぐわかる上質な乗り心地や高級感、ハンドル切ってすぐわかる質感や気持ちよさ、こんな部分もセダンにはとうていかないません。
燃費についてはCVT搭載モデルでもあまり良くないです。街乗りなどちょこっと買い物に使うとなると燃費は最悪6キロくらい。通常で10キロ弱程度。しかし燃費に関しては、プレサージュだけではなくミニバンすべてに共通するオーナーさんの悩みでしょう。
場合によってはセルシオやシーマだって10キロ近く走ったりしますから、このクラスで燃費がコンスタントに10キロは超えてくれないと、なんだか損している気分です。
プレサージュはデビューした2003年から生産終了する2009年までの約7年間という長い期間にわたり販売され、その間に2006年のマイナーチェンジには最終型となるヘッドライトに変更。少しアクティブなイメージになりました。
プレサージュをトヨタミニバンと比較すると、同世代のトヨタのイプサムやエスティマよりも乗り心地の面でも優れており、長距離運転も疲れにくいです。足回りは柔らかめ。最後の最後ですみません。こんな大きな特徴もあるんです。
総合してプレサージュは、全体的にミニバンの平均点をちょこっと超えるかもしれない内容、でもイメージはあまりよくない、人気もない、そんなミニバンといえそうです。
中古でミニバンを買うと、けっこう割高ですが、プレサージュは僕らの見方。エアロタイプのグレードを除けば、きっと期待に応えてくれるはずです。
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ハイウェイスターをラインナップ。2500ccと3500cc両方に設定有り。
ストレートタイプのシフトパネル。渋いために希望した場所以上に動いてしまうことがある。
インパネ中央部上段に小物入れ
インパネ中央部下部にCD収納スペース
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。