間違いいっぱいの自動車選び。プリウス1800ccモデルの試乗レポート。
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トヨタ・プリウス「グレードX」1800ccエンジン搭載グレード。5代目60系、ZVW60型です。
プリウスの直進性。2000ccモデルも良かったけど、1800ccモデルも良かったです。
車両感覚が掴みにくい、つまり、車線内でどの位置を走っているか、どっちに寄ろうとしているかがわかりにくい。
それでも真っすぐ走っている感覚が強いのは、リアがビシッとしている印象が強いから。
ちょっとした時に、リアタイヤがブルっとずれる感覚を感じなかったし、微調整がやりやすいとかではなく、そもそも微調整の必要性はごくわずか。
パワステの特性も、中心をキープしようとするチカラが強いのかもしれない。中心は固められてないし、軽く感じるんだけど、筆者レベルなら意識しない範囲で制御されてるのかも。
現時点だとより全長の長いクルマに匹敵する直進性、そんな印象です。
誰が乗っても直進性高いと感じられるであろうプリウス。要因は、ここが大きいと思う。
ダッシュパネルやメーター位置の関係から、「ドライバーの目線は自然に遠くへ」。
遠くを見て、手のチカラを抜けば、クルマは勝手にまっすぐ走ります。
つまり、直進性の高いクルマを活かすも殺すもドライバー次第というわけです。そしてプリウスでは、目線の位置を矯正してくれるような運転席。
ハンドルを小刻みにプルプルさせてしまう原因は、目線が近いから。筆者も近くを見るとそうなります。
速度感が低いと感じる条件はいくつかあります。視点が高かったり、インパネが幅広かったり、近くが目に入りにくかったり、静粛性が高かったりetc.
この60系プリウスの場合、先程の話に繋がるところで、近くが視界に入らないので速度感低く感じられます。
近くは路面の流れが速いのが理由です。
前走車追従型クルーズコントロールとレーントレーシングアシスト、試してみました。
進化を感じたのは、明確に曲がりこんでるコーナーでのアシスト追従性。すっぽ抜けたら怖いと感じるくらいのコーナーで、自動でのハンドル操作を継続してくれます。
ここでは車両感覚がわかりにくいのが、逆に良い方向で効いていると思う。わかりやすければ、いろいろ注文が出てきちゃいそうだからね。
また直線では、元の直進性が高いのでハンドルが小刻みに調整される感覚がありません。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
60系プリウス1800ccモデルのハンドリング。
前述の直進安定性と、手前が見えない視界、ステアリングフィール、シートのフィッティング、ドライバーへのインフォメーション、それらから受けるイメージはロングツアラー。
駐車場や縁石またぐコンビニ、その他日常のお買い物は苦手だろうし、山道もスポーティというより滑らかさ優先のフィール。
得意なのは幹線道路をビシッと走るシチュエーション。
筆者の体重だとフロントシート、30分座っていると沈み込みで体とのフィッティングが良くなる。逆に短時間だとイマイチ。こうした部分も合わせてデザインされているとしたら、統一感あるねって思います。
ハンドルを回す重さは、エコモードとノーマルモードで軽く、パワーモードで重く感じられます(シチュエーションによって異なる)。
またハンドルが伝えてくるクルマがどっちに行きたがってるかなど、反力の変化などは感じにくい。というか通常走行だと感じない。
いわゆるステリングインフォメーション。最近のトヨタ車らしく、情報より滑らかさや安定感を優先しているような印象。路面からの衝撃も、大きな入力除き、良くカットされます。
筆者は楽しさより質感優先のフィールと感じます。またはスポーティより上級車感覚。
筆者の場合レビューの基本は、「いつもの走行ラインをいつもの操作で」走ってみることが大前提。
それによって、効きが良いとか悪いとか、ブレーキの抜き方で走りやすくなるとか、いろいろ感じます。そして走ってるうちにいつの間にかクルマに合わす運転になっていく。
逆にここがブレブレだと、気分次第とかカタログの受け売りになりそう。もしくは通常走行と関係ないレビューになりそうというのが持論。
で、プリウス。フロントタイヤの位置感覚がわからないので、コーナーでどこ走ってるかがわかりにくい。
つまりあれです。気持ちよく走るためにはけっこうな慣れが必要かと思いました。
筆者が気持ちよく感じるポイントね。
それでも応答性高いと感じた領域があったので、慣れればグググッとした回頭性を楽しめそうです。
1800ccモデルのエンジンは2ZR-FXE。システムは第5世代と呼ばれるTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)。
THSというと、モサッとした加速などと言われています。でもね、プリウスだと唐突と感じるくらいにメリハリ感じる時もある。
アクセルペダルの全閉から全開までの動く量が短く、6〜7割踏めばほぼ全開状態と変わらない。つまりハイスロットルで早開き的。
アクセルペダルを全開にする時は、素早く踏み込んだのと一緒だから、グッという感じがメリハリであって唐突でもある。
加えて、信号からの発進ではつい踏み気味になるし、巡航中にアクセルを踏む量は少ないです。
今回の60系プリウス1800ccで好印象だったのは、エンジンのチカラがミックスされるタイミング。始動時の音や振動が気にならず、素早く滑らかに加わってくる感じ。
ここは全開での加速時もそうだし、半分くらい踏んでの加速も一緒。THSの進化を感じます。
最新世代より優しい音を奏でるエンジンは、加速が力強くなったといってもやっぱりTHS的。モワッとしてます。
アクセルペダルでメリハリを増すも、パワーの出方がモーター的になっても、モワッと感はそう変わらず。
このあたり気持ちよさでいうと、2000ccモデルの方が、心地よい加速感だと思います。
コーナーや挟路地で気になる、ボディ見切りと車両感覚のとりやすさについて。
まるでスーパーカーなんて思える、傾斜の強いAピラー。ここがプリウス最大の見せ場だろうし、すごいクルマらしさは十分すぎ!
Aピラー付け根は遠く、ルーフ側は頭に迫ってきます。
凄いです!座ると、外から見るよりもっと凄い!
じゃあなんで、他の普通のクルマはこれをやってこないのか?筆者としては、運転しにくいからだと考えます。
プリウス、左側も右側も、タイヤの位置感覚がとりにくい。
スポーティ走行といえば、思い通りの位置にクルマを持っていく楽しさが上げられる。そのためのステアレスポンスであって、低い着座位置であって。
そしてその前提として、どこにクルマがあってどこにタイヤがあるか、わかりやすさが重要。車両感覚が取りやすいことが重要です。
単純に、感覚が取りにくいです。お買い物とか狭い駐車場に行くのはちょっと不安というか、気合と根性というか、360度モニターが必須というか、セカンドカーが欲しくなるというか。
ボンネットが見えないクルマはいくらでもあります。なのでそこは普通。
でもそれだけじゃないです。ダッシュボード奥行きも長い。
良いのは、必然的に遠くを見ることになる視線位置。遠くを見るのは滑らかな直進で重要な点。
プリウスでは小ぶりで位置の高いメーターの上を見ながらの運転になるので、直線が上手に走りやすい、もしくは視線矯正にさえなるような、そこに魅力を感じます。
ダッシュボードはゴツっとしたデザインで、奥行き長く、かなり遠い。くわえて、奥が高い形状です。
普通は邪魔に感じるナビモニターが、全く邪魔に感じません。
それ以外の印象が強すぎます。自動運転だったらこの作り、素晴らしいんだけどね。
ドアミラーは乗員に近いので、ピラーとミラーの隙間は大きく確保されています。
筆者的には、ここの視界は市街地や低速時に活きてくると考えます。
横断歩道を渡る歩行者とか、このあたりの視界が重要かなと。
速度が上がるともっと前が見たいですし、ミラーも遠くにあったほうが好ましいと思います。
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評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。