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「元お車整備士」がお届けするメンテナンスコーナー。
フロントのブレーキをオーバーホールします。オーバーホールキットとローター、ピストンなど。クルマは軽自動車のダイハツ・ミラココア。
通常あえりるブレーキの引きずりを低減し、フィーリングや燃費向上を目指してのオーバーホールです。
クルマはダイハツの軽自動車、ミラココア(L675S)です。
他のダイハツ車でも同じように作業出来ると思います。
目的は「ブレーキの引きずりを減らし、フィーリングと燃費の向上」を期待します。
ピストンを抜いてシールゴムを交換します。
まずはシリンダーからピストンを抜くわけですが、今回は片側だけ、猛烈に抜けませんでした。
クルマによって回して抜くクルマもありますが、ダイハツの軽自動車は刺さっているだけです。
なので基本は引っ張れば抜けるはずなんだけど...。
こういった場合はエアツールを使って、エアの圧力でピストンを押せます。
ただエアツールでも無理そうな固さだったので、自転車の空気入れを出してきました。エアツールは準備が面倒で。
結果、空気を送ると少し出て、緩めると戻るといった動きを繰り返します。全然抜けません〜。
ブレーキホースと繋げば抜けるわけですが、それも面倒。
押したり回したり、チカラずくで抜き取りました。
持てるパワーの99%をここで使いました。
10年10万km使ったダイハツ・ミラココア。
サビもないピストンと、古いグリス以外はキレイなシリンダー内。これでピストンまで交換は完全にオーバースペックというか過剰整備の可能性も。
シリンダー側に2種類のゴムを装着し、その中にピストンを入れます。この作業が一般的に「ブレーキキャリパーのオーバーホール」と呼ばれます。
セットに含まれる耐熱グリスを塗って、これでもかとゴムを引っ張り、ピストンを入れます。
ピストンは筒の開いている方が、ブレーキパッド側です。
経験上、ゴムさえ被ってしまえば、ピストンはすんなり押し込めます。
ブレーキキャリパーを上下で固定しているのがスライドピン。
文字通りスライドするからスライドピンなわけでして、挟んだキャリパーを緩める機能も持ちます。
それが指で指している部分のゴム。
これの弾力で、押し付けられたピストンが、戻ろうとするチカラをつかさどる、もしくはサポートします。
スライドピン本体の形状も改良されていました。おそらくはダイハツの軽自動車全般で使用される共通部品です。
右の写真、ゴムを新旧比較すると、10年10万km使用した古い方は潰されて小さくなっています。
触り心地に変化含めわずかですが、繊細な部分。僅かな差が体感性能や燃費性能に現れると期待します。
外したブレーキホース、もしくは交換するブレーキホースを繋いで元通りです。
ブレーキホースはブレーキラインともいいます。
余談ですがステンメッシュのブレーキラインに変更すると、足が疲れるほどにペダルが重くなる、というのを経験しています。
特別な理由がなければ、純正交換タイプがよろしいのかと思います。
フロントのみエア抜きしてタイヤを取り付け、ジャッキを下ろします。
安全で確実な動作を確認して、作業終了です。
作業終わって試乗、変化はハッキリありました!
エア抜き作業のあと(目一杯ペダルを踏む)だったので、足の感覚は当てになりません。
ですが、アクセルペダルから足を離して、惰性で転がっていく距離は明確に伸びました。
エンジンブレーキが弱くなった感覚でもあります。
上手く利用できれば燃費向上が期待できます。
足が重いペダルを踏んだあとだったので、確実とは言いにくいのですが、変化はもうひとつあります。
発進時、アクセルペダルが軽くなりました。具体的には踏む量が減り、軽く感じられるように。
上り坂や上りでのバックでは扱いやすいです。
さらに巡航中は、ほんの1%レベルですが、アクセル開度が減ったように思います。
「速度調整ができる」「走ればいい」と考えれば、オーバーホールを行う必要性はありません。
というのが、今までやってきた経験則。
乗り方、雪国など地域など条件次第という影響はあると思います。
外して確認した部品も傷んでるわけではなく、新車時のパーツは十分以上に耐久性が考えられていると、毎回気付かされます。
ブレーキ関連は特にかもしれませんね。
一方でフィーリングという面にフォーカスを移すと、違いはハッキリと体感できました。よかった!一安心!
ただ、エンドレスのブレーキシステムに変えるような変化じゃないです。
なので通常は、ディーラー整備士が「どうしても交換して下さい」と口にしてからでも遅くはないと思います。
思うだけです。無責任な事は記事できないです。
掛かる予算と手間を安心と秤にかけて、メンテナンスするか判断をしてくださいね。
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