5代目スバル・レガシィB4。DITと呼ばれるターボを装備した「GT・DIT」の試乗レポート。
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試乗内容は限定的。第一印象重視です。
レガシィのCVTはリニアトロニックと呼ばれ、チェーンによる駆動と変速をウリにしています。
現状スバルだけの構造みたいです。前後プーリーの経を変えながら走るマウンテンバイクを想像してしまいますw
試乗して一般的なベルト駆動のCVTと比較すると、低速時のギクシャクやベルト鳴きのような音が最小限、もしくは気になりません。
今回のレガシィでは制御的な長所があります。8段ステップモードというのが用意されています(DITグレードのみの機能)。
これはCVTの制御がステップ式8ATのように制御されるモード。1速から順にシフトアップしていく感覚をシミュレートしています。走行パターンを変化させる「SIドライブ」を「S#モード」にセットした場合に利用できます。
ステアリングスイッチからメーターパネル内の液晶部分を利用して変更します。
疑似といっても8段ステップモードはいいです。CVTでありながら多段ATを運転しているような感覚。CVT嫌いな方でも満足できる可能性が高いです。
レガシィに試乗したらぜひ試してみて下さい。
CVTの欠点は、メカ的には効率の悪さ、感覚的にはドライバーの感覚に合いにくいといわれています。このモードを利用すればその中で、自然な感覚は得ることが出来ます。
現在の所、スポーティ車またはスポーティグレードではCVTは避けられ、趣味性の強いクルマも多段ATを採用している。
この現状からCVTは運転を楽しまれる方のものではありません。そんな中でスバルが一つのちょうどいい妥協点を提案してくれたと思います。
アクセルレスポンスやCVTモードを変えることが出来るSIドライブ。一言で表せば走行モードの切り替えです。スポーツモードや燃費重視モードが選択できます。
このSIドライブ自体は先代から設定されていましたが、操作方法が変わりました。設定スイッチがステアリングスイッチになり、メインメーター内のディスプレイを見ながら設定します。
設定スイッチがセンターコンソールにある場合と比較し、操作性は向上。慣れれば手元を見なくても調整できます。
ただし、直感的ではなくなり頭を使うようになりました。同時に、立派なスイッチが存在することによる質感が失われたのも事実。
走行中、頻繁にモードを変えるなら今回のタイプが好ましく、操作を忘れるほど使わないのなら先代のタイプが好ましいと思います。
試乗走行中、実際に「S#モード」と呼ばれるスポーツモードに切り替えてみると、違いはすぐにわかります。
アクセルペダル開度に対するスロットル特性が変わります。巡航時のアクセル開度からアクセル全開にした場合を例に取ると、以下のような違いを感じます。
どちらの場合も高回転域ではレスポンスは良好。なので急に全開で走る必要が出た時でも、わざわざモードを切り替える必要は限定的でしょう。
またS#モードではCVTは前述の8段ステップモードが利用可能です。まるでほんとの多段ATミッションのように走れます。
それ以外ではインプレッサのような加速感になり、レガシィの車格に見合った加速感とは言えません。ということは、普段からS#モードで走りなさいって事ね。
レガシィDITは従来型より価格があがり、その分、新しい技術を楽しめるグレード。しかし基本となるレガシィの魅力はコストパフォーマンス。
大きくなったボディに排気量アップしたエンジン。価格は従来と同価格帯をキープ。これが今回のレガシィの長所。日本ではコンパクトなミドルクラスセダンが見向きをされない中、「でかくて安いレガシィ」という特長に魅力を感じます。
コンパクトカーでも上級グレードは200万円に近づき、アクアなど人気グレードで総額250万円に達します。割高なハイブリッド車って、差額分の元が取れるか怪しいところ。
価格の近いプリウスと比較すれば、自動車税は若干上がるとしても、クルマの上級感はレガシィが断然高く、お得です。
その他ライバルといわれるホンダのアコードと比較すると、価格帯が違います。アコードは高くなりました。2000cc搭載グレードの価格でレガシィなら2500ccが買え、おつりも来ます。
大きくて安いは、売れるクルマの定番。しかもスバルなら、軽薄なクルマ作りを想像できません。クルマ本来の質感に熱意を注ぐ企業キャラクター。
安いがポイントでも手を抜かないクルマだと信じています。個性的なターボモデルだけでなく、ベーシックな基本モデルを選んでも満足度が得られると思います。
DITのパワー感とレスポンスは2000ccを感じさせないもの。このレベルを初めて味わったら、クセになるほどのパワーを感じるはずです。
このパワー感はターボでなければ大排気量の高額車でしか味わえないものです。車両価格はレガシィより断然高価に。そうしたクルマを買わなければ楽しめない加速です。
レガシィなら車両価格340万円。この価格で高額な大排気量車と同じような加速力が楽しめ、さらに、自動車税が安い。自動車保険も多少安い。安い安い安いと、非常にお得にこのパフォーマンスを手に入れることが出来ます。
パフォーマンスを味わうための敷居はものすごく低い。レガシィDITの魅力です。
もちろん加速の質は異なります。パワー感あってパフォーマンスがいいといっても、8気筒エンジンや6気筒エンジンと比較すれば質感で劣ります。静粛性が高いうえに回せば官能的な音が楽しめる高級セダンはやはり素晴らしい。
比較対象として中古車で選択するなら、ビッグセダンが魅力。ガソリン代が高い時期なら値もこなれているはず。
速いだけでなくすべてに上質感を感じさせ、所有欲も満たしてくれる。レガシィに340万円は出したくないという方はぜひ様々な中古車をチェックしてみて下さい。
レガシィの中でもDITというグレードに絞れば、比較対象となるライバルは限定的。価格は300万円〜400万円。どれもクルマとして魅力の高いアッパーミドルクラスのセダンとなる。
スバルディーラーにてレガシィアウトバックを見た際、アイサイトも試させて頂きました。
アイサイトはカメラで衝突の危険をチェックし、自動で緊急ブレーキをかけてくれるシステム。
総称では「衝突軽減ブレーキ」とか「エマージェンシーブレーキ」などと呼ばれます。
一般道ではテストできないけど試してみたい。そんな欲求はスバルディーラーで満たすことができます。スポンジの壁に向かって走ります。
速度を変えての2パターンにプラスして、同乗者としての体験、そしてエキストラ3人を呼んでの多人数乗車でのパターンを体験。貴重な経験ができました。試乗車はインプレッサの他にレガシィアウトバック。
確認事項を盛り込み過ぎちゃって、全部の感触を覚えてはいません。下記印象に残った点。
まあこんな感じで予想通り、とても素晴らしいものでした。
衝突軽減ブレーキと偏に呼んでも、実はメーカーによっていろいろなシステムが混在してる。システムによって頼れるシチュエーションが違うから、付いてりゃ安心というわけじゃないのでご注意下さい。
それと「レーザー」と「レーダー」をごちゃまぜにしてる営業マンが多すぎ!レーザーは光でレーダーは電波。一般的にハイテクなのはレーダーの方。
新しい技術だから、興味があったらインターネットで基本を調べる方が安心です。
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自発光タイプとなるメーター。中央の液晶部には様々な設定と情報が表示される。
ステアリングスイッチの押し心地は特別良くはないが悪くもない。引っかかることもないから不快感が残らないと思う。
クルーズコントロールの設定。Si-driveの設定もここでグラフィカルに表示される。
ウインカーミラーは室内から点灯が確認出来る。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。