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間違いいっぱいの自動車選び。ムーヴ試乗レビュー。
ダイハツ・ムーヴ(2025年式LA850S)ターボなしNAエンジン搭載車です。グレード「X」。
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スライドドアだからリアシート快適!とならないのは前ページで述べました。同様に、背が低いからハンドリング良いと直結しないのも、クルマの面白さ。
タントより12cm背が低いらしいムーヴ。一節によればエンジンマウントフレームにも違いがあるらしい。
背が低いから走りが良いと、イメージだけで直結しているレビューが多いですが、それは安直すぎ。


たくさんの部品、様々な設計が絡み合って完成しているのが自動車。
ジオメトリーにはロールセンターとかピッチングセンターとかあるし、過去には内側にロールするクルマだってあったらしいし、オフロードバイクがスっと気持ちよく曲がり始める感覚は、レーサーレプリカに負けず劣らず。
少し前までダイハツには、「ウェイク」というクルマがありました。スーパーハイトよりさらいに全高の高いハイトワゴン。


ウェイクって外から見ると不安定そうで、乗れば真逆。どっしり感を感じられるように作られていて、まさに軽自動車の親分といえる乗り味でした。
ウェイクはハンドリングのバランス良く、質高くまとまり良く、統一感ある乗り味。弱点は重くて加速しないくらい。

2025年6月に登場したムーヴで感じた、ハンドリングの印象。
ステアリング周りの魅力について、以下3点。
路面からのザラつきはカットしてくれて、欲しい情報は適度に伝えてくれて、大きい衝撃は適度に弱めてくれる。
さらに回し心地は、中心付近で軽く、切っていくと重くなる。
現代的なフィールでありつつ、クルマらしさも感じられて、運転の楽しさにも繋がる。
すごくバランスよく、求めたい要素が詰まってる!手から感じる情報を活かして運転すれば、目で見て運転するより上手に運転できますから、楽しいし、上達もすると思います。そして上達を体感すると、運転が好きになるという好循環。
電動パワステの良さは低速時、影響強いです。時速にして80km/hくらいまで。
80km/hくらいからは車両の挙動が大きく出るようになり、クルマが瞬間的に進む距離も増える。
つまり細かな操作に対する応答性が、性能とか走りやすさに関わってくるわけど、ムーヴは応答性がいいです。
例えば同じクルマと言われるキャンバスと比較して、ダイレクト感が高いと感じられます。
視界やタイヤ位置の掴みやすさ、車線内でどこにクルマがあるかのわかりやすさだって、ハンドリングの大きな要素。
ムーヴは特徴的なAピラーをしているけど、斜め前の視界がすごく良かったです。詳しくは後述します。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。

ステアリング応答性が上がり、細かなダイレクト感が上がると、イヤな感触もわかりやすく。その他、「もう一歩」を望むと、厳しい評価にもなります。
例えばコーナーに入る時、アクセル離して進入するか、わずかにブレーキ当てるか、そこで迷うなど。
これはステアフィールとシートクッション性の関係。後述します。
例えば大きくハンドル切って戻す時、ハンドルとアクセルとの組み合わせ、ハンドル戻ってる途中で段差踏んだ時。
ちょっとした時にハンドルがクッと戻ろうとする感触。これもわかりやすい。
路面インフォメーションとしては好ましく、ローキャスター的な荒っぽさと考えると好ましくない。でもこれを、滑らかに制御しようと考えるのが楽しいです。こういう部分こそ、運転の楽しさです!
何に乗ってもハンドル周りの魅力が高いダイハツ車。一方で、車線逸脱など運転支援の精度が今一つなのもダイハツ車。
このあたりは今回も一緒でした。ここでいう車線逸脱のアラート/アシストも、邪魔と感じるように介入してきます。
コーナー入口でよく鳴るし、途中では気持ちよくない感触でアシストが入る。戻されるのではなくて、保陀するようにアシストが入る。これもわかりやすい。
中心付近の応答性高く、切り込んだ先では応答性が落ちる。ムーヴに限ったことではなく、軽自動車ではよくあります。
敏感と思えたはずが、ステアリングギヤレシオがスローに感じられたり、正確性という言葉を使えばチカラが逃げちゃってるとも考えられます。
ここまで気にされるなら、コンパクトカーをおすすめします。

筆者が思う要点はここ。ステアフィールいいです!ハンドリング良いです!ただし神経使うとか疲れやすいポイント。
ムーヴはスライドドアだけどリアサス固めて、走行性能優先。だけどめちゃくちゃ柔らかいシートで乗り心地を稼いでる。


一世代前のダイハツ車はシートバックのランバーサポートに硬いコリッとしたものがあったけど、今回はそれがなくて、とにかく柔らかい。
シートがフワフワだとクルマとの一体感がなく、クルマの様子が伝わってきません。直進してるのか、微妙にズレてるのか、その他少しずつ感覚と操作がずれる。
ムーヴはステアリング周りの応答性が良いからこそ、ここで一体感ないと運転が神経質に。
短距離短時間での乗り心地を考えれば、シートは柔らかいほうがいい。
でも走りを優先するなら、もう少し硬くというか普通のクッション性が良く合うと思う。
筆者はいつもこうした部分を、「クルマ全体の統一感」と表現しています。緩いけど緩いなりにまとまる良さというのもありますからね。

ブレーキの扱いやすさはハイレベル!これは軽自動車の中ではという注釈付きになりますので、どんな感じかさらっと。
通常の速度コントロールでは、ストローク長くて遊びのように感じられる部分でも緩く減速力が発揮し始める。
その先で踏力に反力が出てきて、そこで唐突に効きが強まることがない。
ここが扱いやすいと感じるポイント。停止直前の抜いてくる動作でも、サスペンションが急な伸び上がりを抑えてくれるから、扱いやすいです。
ムーヴの良さは逆を考えてみるとわかりやすい。
ストローク長くて遊びのような部分がほんとに遊びだったら、効く時は唐突に効く。
唐突な効きはイヤだからと少しずつ探っていけば、その間にもクルマは進み、結果、強いブレーキをかけることになる。
これはね、不快もしくは神経使います。なので、ムーヴは良いと言えます。

コーナーや挟路地で気になる、ボディ見切りと車両感覚のとりやすさについて。
走行中、邪魔になりにくい。良い設計と思いました。
ネットでは邪魔になる走りにくいというコメントを複数見かけたものの、実際に乗ればすごく良い!コーナーで奥を見る時、緩いコーナーくらいなら邪魔にならず走りやすいです。


特徴としては下が広くて上が狭い2本フレームタイプ。間のガラスはそんなに広くない。またスライドドア系としては角度が寝ているように感じられる。
寝ているピラーって車両感覚が取りにくかったり、専有面積が増えて邪魔な印象だけど、ムーヴに関しては好印象。寝ていることで開けた部分で先が見える位置に来ている。
インパネに対して着座高が高く、そうした部分から良さに繋がっていると考えられます。
ボンネットはほぼ見えません。覗いてカメラを前に出して、写真の様子。


ギリギリを狙わなければ困ることないでしょ、ってポイントですし、軽自動車で怖いっていったらクルマ乗れない。
でもそうじゃないです。ボンネットが見えた方がギリギリを使え、コンパクトなボディサイズがより生きる、生きやすい。
感覚より視覚のほうが安心なのは間違いない、けど、同じに見えないにしても感覚の取りやすいクルマ取りにくいクルマと差があります。座ったら意識してみて下さい。
角度異なる2本フレームのAピラー。乗る前ここに不安を感じた要因は、アルファード/ベルファイアの影響かも。
ムーヴだといらぬ心配でした。すごく見やすい。


振り向き視界。リアクオーターパネルが跳ね上がり、そこのガラスが小さいというのは外から見るのと一緒。
ただ実際に乗って巻き込み確認をする時、そこまでは首が回らないw 基本はドアミラー、死角になるであろう斜め後ろはリアウインドーでチェックする感覚だと、気になることもないと思う。
そしてムーヴ最大の特徴かもしれない点。


ルーフ先端に手が届く!ルームミラーにも手が届く!簡単に。
こうした部分が気楽さに繋がり、意味なくクルマで買い物行きたくなるポイントだと思う。
また頭上が遅れて揺れる感覚が弱まり、コーナー途中の段差でクルマが揺すられた時など、安心感に繋がると思う。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部画像は拡大します。
走行フィールに関する話題の走行レビュー。どこでも大絶賛の新型ムーヴ。筆者ヒラリーはどのように感じたか?なるべく率直に、思ったことだけ述べています。
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ヒラリー男爵。自動車販売の経験あり。同僚のおクルマ整備士と試乗やメンテナンスを行い、レビュー記事にします。
経験や特技は豊富。現在は会社経営しながらYoutube動画の制作をしています。
少々変わった人生、かも。詳しくはプロフィールページで!著者:ヒラリー男爵
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転でインプレ。
受け売りではなく、カタログ的ではなく、レビューです。
評論家様との違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
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