自動車の試乗比較、中古車選びにも・スバル

2012年記事 スバル インプレッサ
著者:ヒラリー男爵

インプレッサ(2012)試乗「3」

評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。スバル・インプレッサ(GP2)スポーツがメインの試乗レポート。

当ページは3ページ目です。

「グレードとセダンモデル比較、評価総合」

スバル
  • グレード:“1.6i-L”
  • 年式:2012年式
  • 型式:GP2
  • 車両価格:約170万円
  • デビュー年:2012年10月〜
内装内装2

当記事は2012年式のスポーツ・1600ccをメインにした試乗レポート。グレードは1.6i-Lがメインです。


  1. インプレッサ(スポーツ)「1」内装と動力関連
  2. インプレッサ(スポーツ)「2」乗り心地の良さとアイサイト
  3. インプレッサ(スポーツ)「3」グレードやセダンとの比較

 

  1. 2015年モデルは味付けが大幅に変化しています。別途試乗レポートはリンク先にて。
    インプレッサスポーツ(2015年)試乗レポート
簡単な試乗による簡単なレポート、プチインプレッションです

試乗内容は限定的。第一印象重視で、一般的な表現を心がけています。

グレード・ベストバイ

インプレッサの基本的なグレード構成。

  • 1.6i・・・155万円
  • 1.6i-L・・・171万円
  • 2.0i・・・185万円
  • 2.0i EyeSight・・・219万円
  • 2.0i-S・・・199万円
  • 2.0i-S EyeSight・・・233万円

2.0iが最も魅力

新車でも中古でもお得なのは2000ccのベースグレード「2.0i」。価格は185万円です。

新車の場合、1600ccの売れ筋グレード「1.6i-L」と比較して15万円の差で、最もお得な選択肢。この価格差で装備も充実します。

また中古車をお探しならほとんど価格差もないと思われるから、どうせだったら2000ccが欲しくなる。

1.6iも魅力!

次点でおすすめなのが1600ccのベースグレード「1.6i」。155万円と安くたって、インプレッサはインプレッサ。実用車だから走ればいい。例えアルミホイールだって注目する人もいないみたいなね。

グレードラインナップの妙

実はオススメできないのはアイサイト搭載グレード
オプション追加できず、アイサイトが搭載されたグレードを選ぶしかない。

低価格グレードに装着できないのは確信犯的な差別。2000ccモデルかつ4WDモデルでないと選択できず。インプレッサで230万円超。積極的に選ぶことは難しい。

インプレッサやめてレガシィにしようか...なんて迷う価格がネック。レガシィならオプションで10万円で付けられる。

その他、HIDヘッドライトが全グレードオプション。別名ディスチャージヘッドライト。明るいヘッドライトは見方によってはアイサイトより重要な安全装備とも言えなくもない。夜間運転される方にとってはね!

ハッチとセダンの比較

ハッチバックの「スポーツ」とセダンの「G4」、一番の違いは全長が大きく違います。ハッチバックのスポーツは1500ccクラス、セダンG4は2000ccクラスくらいの差があります。
これはそのまま、ラゲッジ(トランク)スペースの違いに。

スバルスバル

ハッチとトランクの差

ハッチが重くて使いにくい

スポーツの”ハッチ(テールゲート)”は結構重いので、マイカーとして利用する場合には、開けるのが面倒だと思います(スバルの営業スタッフによれば先代より軽くなったとのこと)。

セダンのトランクは開閉ラク

セダンG4のトランクはヒンジ部の出来が良く使いやすそうな印象。またリアシートの乗降性で、セダンの方が乗り降りがしやすい感じです。

リアシート快適性の差はわからず

ハッチとセダンの違いはリアシートの快適性に違いを感じやすいもの。例えばリアからの音や路面からの振動など。

本来ならハッチバックの方がサスペンションあたりの振動やマフラーの音が入って来やすいのですが、今回リアシートのチェックでは違いはほぼ体感できず「どちらもうるさいから違いがわかりにくい」。これが正解と言えそうです。

売却・下取り価格の差

上記スポーツとG4の話に続いて、下取り・売却価格についての話を聞いてきました。

先代後期モデルではセダンが人気だったためにどちらも変わらないようでしたが、今回はスポーツの方が人気のため、スポーツの下取りはいいだろうとのこと。

新車の価格が一緒なので、これはスポーツを選びたいところ。なんといっても代々インプレッサ(というかスバル全般)は特別なモデルを除き最低レベル。乗り潰すならお好みで!ということです。


※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!

ライバルと比較

インプレッサ・スポーツの価格帯を160万円〜200万円と想定し、ライバルを考えてみる。

トヨタ・オーリス

世界一のCセグメントといえば、トヨタ・オーリス

世界的にはカローラという名前でものすごい台数が販売されているそう。

アグレッシブなエクステリアスタイルが目を引くが、1500ccグレードは驚くほどコンフォートなセッティング。柔らかめです。

といっても、今回のインプレッサほど乗り心地は良くない。また流石トヨタ車、静粛性は高い。その他、エンジンが1500ccなのでインプレッサの1600ccより年間5000円ほど自動車税が安い。

トヨタ・アクア

燃費で比較すれば外せないのがアクア

何も考えずに走ってもそこそこの燃費。チャージと放電を考えながら走れば脅威の燃費。一般的なガソリン車と比較し、相対的に渋滞中ほど燃費が良い。

都内では燃費40キロに到達したり素晴らしいが、地方で流れに乗って試せば燃費は20キロちょっととなる(数値は車載燃費計)。

アクアは高いのか安いのか?個人的にはインプレッサの最廉価グレードの方がコストパフォーマンス高いと考えます。

マツダ・プレマシー

乗り心地の質感ならインプレッサと並ぶプレマシー

なんといっても、プレマシー、より新しいCX-5やアテンザより好ましいと感じるサスペンションを持っている。単純に柔らかいだけではない質感、プレマシーなら持ってる!

日本人の美的感覚?から離れているエクステリアデザインは特に女性に低評価(筆者調べ)。内装の質感も静粛性も特別な事はない。それからスカイアクティブグレードを除き、ミッションと燃費は旧世代的。
価格帯はインプレッサの中級グレード以上で被るあたり。

アニキ分的存在のレヴォーグ

2014年6月に発売された、スバル・レヴォーグ

インプレッサのアニキ分的存在で旧レガシィクラスのボディサイズを持つワゴンタイプ。

もともとレガシィも高級インプレッサみたいな部分があったと思う。しかしレヴォーグは内装も外装も、見るからにインプレッサのワゴン。

試乗しているのは「1.6GT」。乗り味は1クラス上級車種のようで、実はインプレッサの方が長所が多いのが面白い。スバルらしさもインプレッサの勝ち。

小さいエンジンノイズや車内静粛性、絶対的な加速力といった部分でレヴォーグ優勢だけど、お値段の差もなかなかデカイ。アイサイトが付いて約280万円。

追記:発売後2年が経過して

2014年追記

ここ数年、経済性の高さばかりが注目されていたと思われがちですが、実はクルマ本来の魅力、快適にドライブできるという点についても見直されているように感じます。

エクステリアデザイン(フロントクォーター)トヨタが乗り心地を意識し始め、マツダが静粛性やドライバビリティを考え始め、日産はわかりにくい部分にコストを掛け、その他いろいろと、アイデンティティではなくユーザーが実感できる形で具現化されてきているように思います。

カタログスペックに関係ない部分が進化してるんじゃないかなと。

喜ばしい反面、最新=最高。レベルアップが早くてパソコン業界みたい。

運転しやすい方向に進化中

パワー競争とか装備の進化というより、日常の”走る”部分に関してレベルアップが素晴らしい。エンジンも質感を気にする方が増えてるみたいだしね。

完成度が高まると面白みが無くなる?実は筆者、最近こんな自問自答で脳内会議が始まる時があるんだけど、「どんなクルマだって運転すること自体が楽しい事」、常に楽しめる思考で無ければと言い聞かせますw

インプレッサ。デビューから2年くらい?経過し、評価が変わってきました。
自動車は相対評価が基本、魅力的なライバルがデビューすれば商品力だって低下

改めてインプレッサに試乗、いろいろ考えてみる

改めてインプレッサに試乗すれば、デビュー時に感じた内装の仕立ての良さなんて、当たり前に感じてしまう。

超魅力アイサイトが上位グレードにしか付かないのが変わらないから、インプレッサも結局安くない。そして後から出た日産のエマージェンシーブレーキは魅力高い。比較すればコストダウン一辺倒だった時代とは変わったと、筆者のような一般人レベルでもわかる。

走行性能に関しても同様。CVTやサスペンション、新しい感触がいろいろある。もちろんインプレッサの乗り心地なんて、Bセグメントコンパクトの1500ccとは価格帯は近くても質感には次元の差があるから、比較の仕方によっては変わらぬ魅力をキープ。アイサイトの安定感だって心理的にものすごい。

何が言いたいのか?当たり前のことですが自分用メモも含めてこんな感じ。

  1. 競争力(商品力)が低下したと感じたら、値引きで満足感を埋め合わせして貰いたいな。
  2. どこの試乗レポートを確認する際にも、式筆年月日のチェックを。キーワードは相対評価。

2015年のマイナーチェンジで別のクルマに変化

スバル乗り心地が重視されたショーワ製ショックアブソーバーで柔らかいサスペンションが魅力だったインプレッサ、2015年マイナーチェンジ後のモデルは様々な部分が大きく変化。

味付けが異なっているというか、別のクルマのような印象。乗り心地、ステアフィール、コーナーリング感覚、CVTのセッティング等々、別のクルマのように変化しています。

明らかにコストアップしたような部分もある、だけど価格はそんなに上がっていない。だからコストダウンされた部分も見受けられます。

日を追うごとに悪化する乗り心地。逆に増すスバルらしさ。不景気になれば価格に反映するのでなく、コストダウンと独自の商品力アップ。他メーカーも見習って欲しい部分です。

これは改悪??

ドアミラー間違いだったらごめんなさい。初期モデルのGP系インプレッサだと気にならなかったんだけど、再度運転したら気になる部分、こんな部分もあった。

これは運転席側のドアミラー。内装のパネルが映り込んじゃって視認性が悪化してる。

装飾パネルには半光沢の処理がされているようだけど、試乗すれば実際眩しい。写真を撮影したのはまだ日の強くない早朝5時。実際には写真以上に気になります。

これは車内基準の甘さかイケイケの表れなのか?試乗の際はぜひチェックをどうぞ。


インプレッサインプレッサG4

インプレッサ総評

エクステリアデザイン(リアクオーター)インプレッサを単なる移動の手段として購入するなら、それは単にちょっと乗り心地が良い実用車。スバルらしさは希薄です。

GP&GJインプレッサは2012年デビュー。水平対向エンジンは健在ながら、良くも悪くもスバルらしさは減少。そしてこのCセグメントクラスが地味な存在なのはご存じの通り。車両価格帯は微妙だし、クルマ的な注目度低いモデルが揃う。

注目度が高いモデルといえばランニングコストの低いモデル。ハイブリッド車とかBセグメントの上級グレードとか、軽自動車の上級グレードとか。つまり移動の手段なら経済性の高さが重要というわけですね。

たしかにスバルって、燃費が悪いイメージというハナシを聞く。例えばインプレッサXVのハイブリッドなんて、無駄以外の何者でもないと言われる旧世代的ハイブリッド。高燃費エコノミー詐欺に騙されないでね。

しかし今回のインプレッサにはスペシャルな武器がある。STIのような実用性無視の方向ではなく、ベーシックな方向で。
まず1500cc搭載グレードならライバルよりソフト&落ち着きのある乗り心地。旧世代までのインプレッサから大きくレベルアップ。そして2000cc搭載グレードならアイサイトが選べる。

アイサイトは軽自動車やホンダが採用するなんちゃって衝突軽減ブレーキではなく、それなりの効果が期待できる衝突軽減ブレーキ。現状、このシステムには大きなレベルの差がある。

つまり筆者が思うインプレッサの魅力は「1」に安くて乗り心地の良いモデルを購入出来るという点。「2」にアイサイトの魅力で選べるクルマという点。この辺りが比較のポイントだと思います。

スバル インプレッサ(スポーツ)

スバル

impreza (インプレッサ)

  • 試乗グレード:“1.6i-L”
  • ミッション:CVT
  • 型式:GP2 (セダンはGJ2)
  • 価格:170万円程度
試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
ヒラリー男爵

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ウインカーミラーは点灯が確認出来る。



内装トータルではレガシィよりいいかもしれない。


角の出っ張りが、クルマを大きく見せる。


セダンのサブネームはG4。2000ccモデルの方がリアが固められ、ドライバーは走行しやすい。

試乗や比較が難しい中古車も、より具体的なレビューでぜひ!
自分の言葉で!研ぎ澄ました感性で!

違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。

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