評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。アクア(2017年式)「S」。
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アクア(NHP10)、2017年マイチェン後の試乗レポートです。
2017年にマイナーチェンジされたアクアの「曲がる」「ハンドル回す」感覚について。
デビュー初期のアクアは固く動かないサスペンション。乗り心地は最悪レベルだったものの、気持ちいいと表現しても大げさでないほどのハンドリング感覚が魅力だった。
シャキッとした反応を始めとして様々な動きが、山道をドライブするのが苦にならないセッティング。地方のハイペース通勤にピッタリだと思ったし、ブレーキさえマトモなら運転が楽しいクルマとまで思った。
サスペンションが固くても運転しづらいクルマはたくさんある。だから固いから走りやすかったわけじゃない。アクアは奇跡??今思い出してもやっぱり奇跡だったと思わずにはいられない。
そんなデビュー初期と2017マイナー後のアクアを比較すると、2017モデルは普通にトヨタ車的。もっとこう、最大公約数的なユーザーに向いて、ともすればマニアックな方向性は変わった。
質はライバル車と比較してレベル高い。アクアのヒットを考えればとても嬉しいこと。
同時に、デビュー前には個性派として企画されていたのかとさえ...。
オドメーターの走行距離が150〜200kmと、新車に近い時はひどかった。
発進の度に左にハンドルが取られ、走り慣れた道では「こんなに左下がりな路面だったっけ?」などと、車内会議しながらの走行になった。
取られる&微調整が繰り返されフラフラ感が続く。ハンドルの応答性だって確実にワンテンポ遅い。
それが試乗中、走行距離が進むに連れて大きく改善した。体が慣れてきただけかもしれないから、長めにリセット時間を取り、別のクルマを運転したりまでして慣れをリセット。筆者含む当HPスタッフがそれほどびっくりするほどにクルマの感覚が変わった。
オドメーターが400kmあたりからだろうか。あれれあれれ、ハンドルが取られる印象は相当に減った。回し心地軽くても、応答性もそこまで悪くない。特に時速50km/h以下での走りにくさは、大きく影を潜めた。
通勤時間帯に、片側3車線の多車線道路の中央ラインを走行してみる。
特に走りにくいといった印象はない。良いといえるほどじゃないのが残念だけど、これで文句を言ったら選択肢はかなり限られてしまうだろう。
こんな感じで走行2000km位まで、体感できるレベルで良くなっていくのを予想。慣らしという言葉があったけど、新車の楽しみですね。
ということで、直進安定性は悪くないし、真っ直ぐ走りにくいという事もない。走行距離による印象の変化は、ディーラー試乗時に役立つ可能性があるので触れさせて頂きました。
ディーラー試乗といえばプリウスと比較される事も多いかもしれない。そんなプリウスとココを比較すれば、やっぱり段違いにプリウスの方が優れている。
車格が違えば価格も違うし、デビュー時期も異なる。プリウスとの違いを体感できれば、オプション最低限でプリウスを狙い、違いを体感しなければアクアの価格に魅力を感じると思います。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
トヨタ流ビッグマイナーチェンジの例にもれず、内容は大幅レベルアップ。アクアでは値上げも最小限なのが魅力!
走行ペースが速いと言えば、高速道路の右側車線。
ペースが速めな首都高湾岸線。そこの右側から数えて2車線目を流れる速度だと、けっこうな不安感を感じながらの走行だった。
速度に慣れたドライバーならまた違うのだろうけど、筆者の場合ね。
走行性能が高くないコンパクト〜ミドルクラスでは、時速100kmあたりからの加速中に、ハンドルの応答性が悪くなることが普通にある(上級車ほど変化が現れにくい傾向)。
アクアはその中でもちょっと厳しく、巡航中も接地感ないフワフワ感がつきまとう。
それから最近では珍しく、速度が上がってもハンドルはあまり重くならない。如何にも味付けされた車種と比較すればアクアは自然。自然は魅力だけど、重くなっても欲しいは無いものねだりですかw
速度感応型のパワステはドイツから始まったと耳にしたけど、アクアを運転し改めて良い考え方だと感じた次第。
次に、ハイペースな通勤利用をシミュレート。
信号少なく、周りが田んぼや山の道。ほどほどに緩いコーナーが連続し、加速と減速の繰り返しは最小限で比較的、速度キープで走っていく状況。
ここでは率直に言って、初期モデルのアクアが優れていて、今回のマイナーチェンジで割りを食らった部分。シャシーゴム部分やタイヤのフニャッとした部分と、クルマのクピッと動く部分が妙に一致し、フワァフワァと気持ち悪い部分が出やすい。
ハンドルもブレーキも挙動を起こす時、それから挙動を収める時。ほんの少しの部分は丁寧に操作してあげないとフワフワ動きが早い。ショックアブソーバーが抜けちゃっているクルマみたいにフワ付く=動きの早い部分が気になる事になる。
ドライバーは良いかもしれないけど、同乗者はあんまり気持ちよくないかもしれないね。ゲストをお招きしたら、フワッとした感覚が出ない速度まで減速して曲がるのが対応策。
もう一つ。ゴツゴツを感じるレベルの段差とか荒れた路面では、ボディの上下動が大きく、合わせて視線の上下動も大きい。
視界がブルンブルンとボヤける風といったらいいすぎだけど、速度が高ければその間に進む距離も長い。大きいクルマからのダウンサイジングでは気になるポイントだと思う。
「クルマは値段なり」これを超える部分の一つが、気配り的なちょっとした事。作り手が仕事を越えて一生懸命作られるものって、どんな分野でも気持ちいい。
試乗したアクアのステアリングは”ウレタン巻き”だった。
しかしこの表面がよく出来ていて、実用上は”本革巻き”が不要に思えるほどだった。
何が良いかと言えば、表面のグリップが強く、軽い力でハンドル操作ができる。これって非常に重要な部分で、もしアクアのハンドルが滑りやすかったら、非常に運転しづらいクルマと評価してしまうだろう。筆者にとってはそれくらい重要。
軽く握ってハンドル操作できると、クルマの挙動と感覚を感じながら操作できる。ハンドリングの良し悪しを比較したいとしても重要。
そしてグリップ力が低いと切り遅れの原因に。ドライバーは無意識に、1でチカラを入れて握り、2で切り始める動きになる。するとドライバーはクルマが鈍く感じ、先読みして...と運転は繊細に。
こんな原因でクルマが評価されるのはもったいなさすぎます。
画像は、センタークラスターの光沢パネル部にデザインされるハザードスイッチ。
場所的には「開いてるからここにした」的なヤッツケかもしれないけど、夜間の運転中に手探りで押せたのは印象深い。
手探りで押せた理由は、スイッチ表面がザラザラで、周囲からは少しくぼんでいる。実用性より見た目を優先させれば、ツルツル光沢な表面と、フラットを優先したデザインになるだろう。他車にはそういうクルマもあるからね。
画像はゲート式シフトセレクターと、余裕あるカップホルダー。
シフトセレクターは一般的なゲート式で、初めてアクアを運転するユーザーにも優しいし、セカンドカーとして複数車種を運転するドライバーにも優しい。
広く支持されるアクアだからこそ重要な部分だし、こうした気配りがあったから支持されたのか。
ライバルとなるノートe-powerは、リーフと同じシフトセレクターを採用している。先進性はあるものの、慣れるまでは操作しにくいと感じるタイプだった。実用車の操作部は誰でも不安を感じさせないタイプが望ましいと思う。アクアいいね!
前方のカップホルダー、斜めにオフセットさせて左右間の距離を稼いでいる。中央カップホルダーって1個じゃ不便、縦並びはカッコ悪い。横並びは置きにくい。どれも不満を感じる。
”小さいクルマなんだからガマンしてよ”って車種ばっかりだけど、アクアのこれはいい。両側にドリンクを置く時に良さを感じると思うし、助手席側からだと特に良さを感じやすい(後述)。
ブレーキは微調整しにくく、アシスト介入も早い。
思い通りの調整を受け付けてくれないタイプで、もっと率直に言えばストレスを感じやすい特性。このあたり体感的には、初期モデルのアクアから変わっていない様子。
ペダルの踏み始めはいわゆる”カックンブレーキ”ではなく、穏やかに減速を始める。
その際のフロントサスペンションが動きだす感触も悪くない(後述)。
問題はそのあと。”ブレーキを抜く”動作に関して調整が難しく、減速力のコントルールは思うようにいかず。そしてちょっと素早く踏んだだけで介入するブレーキアシスト作動中は、弱める調整が全く効かない。
ブレーキアシストに関しては、ペダルを強く踏めないドライバーなどの強い味方。アクアの主たるユーザーを考えれば文句言ってはダメだよね。それからブレーキング中の充電に関しては、メーター表示の限りだと、けっこう強めの減速まで充電をしてくれていた。
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ステアリング表面のシボはよく出来ており、ウレタン巻きでも機能上の問題はなし。
EV走行スイッチなど各スイッチはシフトセレクター後方にレイアウト。
ハザードスイッチ。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。