辛口比較・評価評論。試乗車はミニバンの王様アルファード(初代MNH10型)3000ccモデル。グレード300 Gエディション。
比較と辛口評価の試乗レポート
2008年に2代目が登場する時にはすっかりミニバンの代表格となったアルファード。広さと価格で比較すればやっぱりアルファードというのが世間の評価。広さ以外はどうか?言いたい放題試乗記です。
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ビッグミニバンクラスで人気の日産エルグランド。それに対しトヨタは、4車種というバリエーションで対抗(グランビア、レジアス、グランドハイエース、グランビア)していました。
アルファードがデビューする前のトヨタは、多くのディーラーとチャンネルを活用して勝負したものの、歯が立ちません。
エルグランドの方が高級感高く、装備も魅力的と評価されていました。さらに若々しくて男らしいイメージも強く、まさにカッコイイお父さん的ミニバン。
実際には、エルグランドもグランビア4兄弟も、当時のビッグミニバンは「商用ワゴンの装備を充実させたミニバン」だったため、乗ると全然バンらしさ強すぎ。乗用車的ではないとは誰もが感じていたものです。
そんな中、2002年デビューしたのがアルファード。エスティマをベースとしながらも、一回り大きなミニバンとして登場しました。グランビアなどから見れば乗用車感覚が強く、エスティマから見ればワンランク上の車格を持つミニバンです。
プラットフォームは、前輪駆動になった2代目エスティマと同様のFFプラットホーム。初代エスティマの個性的プラットフォーム(自動車整備士泣かせ)ではなく、普通に現代的なパッケージです。
エスティマはアルファードに比べ一回りコンパクトなサイズですが、それをベースにすることによりコストを削減できたハズ。その変わり室内にはエルグランドにはない豪華さを演出。インテリアに豪華な木目調を使うなどして、日本人好みに仕上げています。
またエスティマベースという事でも、アルファードはリアサス周りの剛性をアップさせていると評価されていた記憶があります。
ライバルである日産エルグランドの販売台数を抜く一番の要因は、2400ccの4気筒エンジンの存在みたいです。2AZ-FE直列4気筒の2400ccを設定した事。
車両価格を低く、維持費も安く、そんな経済面でのお得さ。
この実用性重視のエンジンは、アルファードの高級感を否定し、チープな印象を持たせることには間違いありませんが、低価格を実現したという事実も間違いありません。効果は高く、アッパークラスミニバンで販売台数トップに君臨する人気になりました。
その後、エルグランドも2500ccエンジンを設定しましたから、アルファードが2400ccエンジンによって得た人気のほどがわかります。
アルファードの価格設定は絶妙で、エスティマより少し高いだけの価格設定は魅力です。高級感と価格のベストバランスと申しましょうか。
快適装備を充実させれば価格は上がります。でもベースグレードならコミコミ300万円強という価格は非常に魅力的です。
2列目&3列目シートは、アルファードの特等席。広さ的には文句なく、エルグランドと比較しても3列目の広さは有利。6人でお出かけしても快適です。
3000ccモデルなら、1列目シートと3列目シートで会話できる静粛性は確保されています(2400ccはちときつい)。
広さは十分ですが、シートはちょっと残念。やはりアルファードというからにはソファのような大きくてゆったりしたシートを期待してしまいますが、普通です。
3列目は普通以下のシートと感じるくらいです。左右に跳ね上げ式の収納タイプになるので、収納の影響もありそうです。
アルファードの3000ccをレンタカーで借りた際、大きな荷物を運んだり、山道も走り、ガンガン使ってみました。
特に山道は、夜通し試乗して楽しみました。アルファードの主たる用途とは異なりますが、余裕を持って走れるクルマって、低疲労や安全性に繋がりますから無視できません。
走り出すと、2400ccのようなもっさり感はありません。そしてアクセル全開にすればしっかり加速します。速度を上げてからの加速力も強く、時速100km以上まで、まるでサルーンかというような加速をします。
それ以上の速度域では加速は鈍りますが、スピードメーターは上がっていきます。
高速道路で追い越し車線を巡航する場合、場所によっては120〜130km/hで流れています。
そのような道を走るとき、5ナンバーサイズのミニバンだって速度自体はでます。CVTなら回転数も低くエンジン音・振動も小さめ。でも、ハンドリングは悪くフラフラ。ステアリングに設置感も伝わってこないので手に汗握る恐怖感を感じる場合も。
同じような速度でもアルファードなら安定感があり、ステアリングフィールも変わりません。
基本的に同じクルマであるトヨタ・エスティマと比較しても、リアの落ち着きは一枚上という感じがします。高速巡航からの車線変更でも、安心してハンドルが切れると思います。
実際に問題あるなしではなくて、神経使うか、ラクに走れるかのハナシです。
ドライバー1人乗車でワインディングをちょっといいペースで走ってみると、コーナーでは、少しがんばった程度では何も起きず、あっけなくクリアしていきます。常識的な速度なら、左足で踏ん張るほどの横Gだって大丈夫。
切り込んだ先でも、想像するようなスタビリティの低さやボディ剛性感の低さは感じません。
シャッキっと向きを変えた際、グニャっと感じるのはタイヤのたわむ感じ。ステアリングからかシートからか、よくはわかりませんが”かすかに”伝わってきます。
高速域になるとクルマは過敏に反応するようになり、コーナーでは昔ながらの不安定感が顔を出す。良くできたクルマと比較すれば、不安感を感じます。
アルファードの フロントシートはよくできており、上手く使えばサポート性も上々です。表地のモケットは滑りにくく、嬉しい点です。
足回りは固いです。想像するよりよほど固いです。固くて渋いショックアブソーバーの組み合わせ。乗り心地が悪い分、思うより軽快なハンドリングです。
サスペンションが固くても乗り心地のいいクルマもありますが、アルファードはそうではなく、ただ固い、渋い、そんな印象が強いもの。
フロントでは重いエンジンが上下に揺れ、リアサスは6人乗車時も考えられたサスセッティング。特等席である2列目に乗っていても、広くて快適な満足感を足回りの不快感が消してしまいます。
直列4気筒の2400ccは、普及タイプのエンジンなので、質感は良いものではありません。初代、2代目ともに車重があるためどうしてもアクセルを踏む量が増え、どうしても負荷が高く質感の低い部分を多用することになります。
回転数も高めを使うことが多く、エンジンノイズと振動も目立ちます。
負荷が強い時のエンジンノイズが1人で運転していても気になり、4人も乗車すると加速力も厳しいです。特に坂道では、ストレスがたまるほど。
2400ccエンジンの静粛性の低さも気になります。これによって1列目と3列目で会話が厳しくなるのも大きな弱点。
燃費を比較すれば燃費は1〜2km/Lの差。(車載燃費計での確認値)渋滞が多ければもう少し差が広がるでしょうが、その程度の差です。なので、多人数での乗車が多いなら3000ccモデルをプッシュしたいところです。
3000ccモデルの魅力は、涼しい顔して加速できる余裕と、走りやすさ。エンジン以外でも運転席のシートは良くできていて、高い腰回りホールド性というか、腰回り支えてくれます。実はドライバーが楽しくドライビングできる用に工夫されている、と思います。
3000ccモデルはさすがトヨタの6気筒エンジンで、、ミッションも良いからネガティブな面を見せません。
高級ミニバンの王者アルファードは、立派なボディデザインから人気が高いといわれます。
高級に見えるフロントマスク、そしてブランドイメージ。このあたりは流石トヨタ様。インテリアとエクステリア、そのクルマが持つブランドイメージはクルマの最重要項目かと思うほどです。
走る曲がる止まる、は後回し?はい、それがトヨタのお客様だと感じます。
(アルファードは例外的にコーナリングフィールが良好)
また、クラウンvsアルファード、どちらが立派?
知人にアンケートした結果、アルファードの勝ちとなりました。
クラウンが止まっている家とアルファードが止まっている家では、アルファードが止まっている家の方が立派に見えるという話もうなずけます。
セダンは地味すぎ。でも安いクルマは嫌だ、そんな場合の選択肢として、アルファードは嬉しい選択肢だと思います。
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アルファード
MNH10W - 1MZ 3000cc 2002年〜
55D23L
アルファード
ANH20W - 2AZ 2400cc 2002年〜
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6気筒3000ccモデルなら、1列目と3列目で”何とか”会話できるだけの静粛性がある。
インパネ周辺の緻密さはまさに高級車のそれ。ただし部品点数は少なく、コストダウンも感じさせる。
メーター周りの質感は良い。やや派手目ながら子供っぽくないのが好印象。
シフトパネルはゲート式。ミドルクラスまでの操作性、触り心地の質感とはやっぱり違う。クラウンクラスと遜色ない質感。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。