辛口比較・評価評論、試乗車は三菱シャリオグランディス、グレード「ツーリング」。短時間試乗しての試乗レポートです。
比較と辛口評価の試乗レポート
雑誌の試乗レポートなどで車内の揺れが少ない、乗り心地の良いクルマと評価された三菱のミニバン。
荒れた道でも苦にしないコンパクト〜ミドルサイズのミニバンです。長所は柔らかいサスペンション。短所は若干スペース不足の室内。3列シート車です。
シャリオ・グランディスの前身はシャリオ。まだミニバンという言葉がなかった時代に、6人乗りのバンとして存在していました。
このシャリオはほんとうに「バン」で、エクステリアもしょぼく、存在感はまったくなし。知名度は最低。さらに乗ってもちょっと...。てなクルマでした。実はその前に日産も3列シートのバンを販売していたと思います。
後にデビューしたミニバン、ホンダの中型セダン、アコードをベースとしたオデッセイが乗用車らしい運転ポジションと走行性能を持って大ヒットしたのは記憶のある方もいらっしゃるかと思います。ホンダがもう生き残れないと誰もがウワサをしていた時に登場したのがオデッセイ。ホンダの救世主というベストのタイミングで大ヒット。
シャリオや日産の何とかが作った乗用車ベースのミニバンというコンセプトを、いつの間にか自分が一番最初として知名度を上げました。
ハナシ戻ってシャリオ。ミツビシではシャリオが大失敗だったため、より乗用車ライクなミニバンとして、オデッセイを見習い登場したといわれるのがこの、シャリオ・グランディス。
イメージ的にはミツビシ版オデッセイ。それでもシャリオグランディスならではの特徴もあり、同じコンセプトでも選択肢が増える事に存在価値あり。オデッセイより背が低く、柔らかい足回りのサスペンションがこのシャリオ・グランディスの特徴です。
シャリオグランディスは5人乗りのハイトタイプの乗用車、RVRとボディを共用していたために、非常にコンパクトなミニバンになっています。
この辺はまさしくミニ・オデッセイといった感じでしょうか。シャリオグランディスの全長は4650mmしかありません。セダンで言うとミドルクラスの全長。そして全高も低め。これは、長所であり、欠点でもありますね。
ミニバンとして考えると室内はやや狭めで、シートの着座位置を高めて詰めてはいますが、2列目、3列目はちょっときつい。もちろん全く座れないほど狭いわけではなく、ミニバンとしては狭めという評価。もし、大人数で乗ることが多ければ、他のミニバンをおすすめします。
内装は兄弟車で1800ccクラスとなるRVRとそのまんま共通のため、必要以上の高級感はありません。デザインや加飾としても華やかな部分はありません
。こうした内装で敢えて言えば、インパネトップの軟質ウレタン素材が利用されているのがポイントでしょうか。触ると違いがわかりますし、衝突安全性という部分でも、少しは違うかもしれません。
どちらにしてもミニバンに乗るのなら、セダンほど内装質感は気にならないと思います。多人数を移動させるのが主目的で、室内の汚れなども気にしないで利用。そんな道具的用途が主目的なジャンルなわけです。
車両価格的にも2400ccで200万円少々がメイングレード。ミドルクラスというほどの質感より、道具としての使い勝手や価格が意識されているように思います。
シャリオグランディスを試乗すると、ふわふわの乗り心地は結構快適。ゆっくりと舗装のいい道を走っている分にはそれなりに良く感じます。
そこそこ車両の重量も有りそうですし、このようなシチュエーションならショックの荒も気にならず、細かいボコボコもなにも無かったように越えていきます。重い車体に柔らかくてストロークの長いサスペンション、言ってみればアメリカ向けセッティング?といった感じです。
もちろんサスペンションが柔らかい分、欠点も多く、コーナーでは神経を使いますし、ヨーの立ち上がりもゆっくり。またリアシートまで人が乗ると操縦性も大幅に変化します。何より伸び側の減衰力が足りず、車体が伸び上がってしまうのは非常に不快。
しかし、このようなサスセッティングも悪くはない。こういった乗り味を好きな人もいるわけです。ビシッとした高級感はないですが、跳ねない乗り心地はいいです。運転は他の人に任せてゆっくり走ってもらいましょう。
エンジンは、いかにも実用エンジンらしい4気筒2400cc。音はいかにも4気筒の「ぼぉー」という音が高回転でもします。ミツビシのエンジンらしく、「カキーン」と回る感じもしません。
その分、4000回転くらいまでのトルク感は強く、1人でのドライブなら低回転だけで十分走ります。
またノイズというかエンジン音の音量は、1800ccとか1500ccクラスと比較すれば小さめ。パッセンジャーと話しながら、高速道路の合流といった場面でも、会話の声が大きくなるのは最小限。
ATはシーケンシャルミッションのように前後に動かしてシフトポジションをキープできる機構がついているタイプ。さらに高度な制御を行う「インベックス2」という頭脳が付いています。ドライバーの意志でギヤポジションを変える場合は、シフトレバーを前後に動かします。
シフトセレクター自体が従来のシフトレバーより使いやすいですし、ゲート式のシフトレバーより2段階ギヤポジションを変える場合にも神経も使いません。
シャリオグランディスのそれは柔らかめのスイッチとなっており、触り心地も悪くありません。従来のATよりスパッスパッとギヤが変わるわけではないですが、マイカーとして運転していれば、たまには使ってみたくなるハズです。
※挙動はクルマの動きもシフトチェンジもゆったりした感覚なので、過度の期待は禁物です。
シャリオグランディスは価格を抑えたミニバンとして、まったく売れなかった訳ではないんですが、そこまで売れないくるまでした。さすがミツビシのブランド力とオデッセイをまねしたけど、ミニバンとしての使い勝手や届いていない車体品質感は辛かったみたいです。
しかしゆったりとした乗り心地は、ある程度お年を召された方には定評と思われ、ボディ剛性が気にならない柔らかいサスペンションもいいんですけどね。ミニバンとしては少々、小さいくて狭いのが難点であったり、まじめすぎるエクステリアに問題があったということでしょうか。
ミツビシというブランドイメージの問題もありますが、他の「道具系自動車」に比較して、若々しさがない、これも大きな欠点です。
道具系、つまり実用的なクルマとして重要な点、スイッチなど装備の使いやすさではシャリオグランディスはとても優れています。
なにしろ、エアコンその他スイッチがシンプル。そして余計な装備はありません。ここはシャリオグランディスの利点。お父さんお母さんでも迷うことなく運転できると思います。
どうしてもこのシャリオグランディスの乗り心地が好きという人以外、シャリオグランディスの中古車なら違うミニバンが選び放題なので、そちらがおすすめ。例えば同じミツビシでシャリオグランディスと共通部分の多い、似たような自動車があります。シャリオを2列シート5人乗りにしたようなRVR。このミツビシRVR、全長はかなり短めながら、リアシートは広めで、さらにリアシートの取り外しまで可能です。
シャリオグランディスとRVRを比較すると、RVRの方が新車時の車両価格も安く中古車価格も安い。3列目なんていらないな、という方に非常にお得な車です。
その他のハイトワゴンとの比較では、定番ですがステップワゴンやセレナ、ノア&ヴォクシーなど。どれも同じようなボディサイズ寸法と車両価格ですが、どれも全高が高くなるのがシャリオとの違い。そして全高が高くなった分、かどうかはわかりませんが、サスペンションは固めにセッティングされています。
ステップワゴンの3列目なんてけっこう揺すられますよ。ご飯を食べた後、こんな3列目に座るのはきついな〜。これ、乗ればわかります。
広くなった分、特に3列目の乗り心地は悪化するという悩ましい選択となりますが、2列目までを利用するならいい選択。中古車の場合は予算が多少増えます。
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評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。