間違いいっぱいの自動車選び。日産マーチ。2012年式「12X」の試乗レポート。
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4代目・日産マーチ。型式は「K13」グレード「12X」です。
快適性の主要因である静粛性について。
絶対的な評価で静粛性をチェックすると、うるさいのは仕方ありません。コンパクトカーが立派にスタイリッシュになっても、静粛性は価格なり。
車格というピラミッドはいつの時代だって感じられます。
静粛性は路面の善し悪しもあれば、それぞれの聴覚の敏感さ、耳の作りや年齢などによって聞こえ方が違ってくるらしいですし、またその日の体調によっても感じ方が違ってきます。
なので優劣を評価するのは間違いが大きい可能性もありますが、感じたことを記します。
(高級オーディオの評価よりはあてになると思います)
ワイドなギヤ比を持つCVTのおかげで、高速道路巡航時でもエンジン音はレベル低め。
一般道巡航でも気になるのは、風切り音とタイヤのロードノイズ、CVTのベルト音。
CVTからのノイズは減速時、キーンという音がします。他のクルマとの比較でも比較的広い領域で音がします。加速中は小さく”かっこん”と鳴ったりといった感じ。
ATだったらトータルでの静粛性は落ちても、不快なノイズが減るのかと思ってしまいます。しかし慣れればCVTだからこそのワイドなギヤレシオで、巡航時の低回転化。それによって上がっている静粛性に魅力を感じる気がします。
マーチの静粛性で酷いのは風切り音。すきま風のようなスースーした感覚で鳴っています。「シャー」という上品な風切り音ではなくて「ザー」という耳障りな音。
次にロードノイズ。フロントタイヤから聞こえてくるロードノイズは小さめ。逆にリアタイヤから車内に入ってくるロードノイズは大きめ。リアからは「ゴー」という音が盛大にします。
1.フロントシートはなるべく前方に出す。
2.リアシートには乗らない。これで快適です。
追記:新しくなった日産ノートもこんな感じです。リアからのノイズがものすごい。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
乗り心地を同クラスで比較すると、いずれ軽自動車に変わられていく運命にあるコンパクトカーと、軽自動車より維持費が高いだけの満足感を感じられるコンパクトカーと明確と2種類に分けられるのがよくわかる。
柔らかめ+スムーズ感あるサスペンションで乗り心地いいし質感だって悪くない。ミドルセダンに迫る落ち着きだってある。大きなボコボコではストローク量が浅く「あれれ」と感じる場面もあるんだけど、残念ながらマーチでは勝負できません。
フロントは高級感ある弾み方で輸入コンパクトのよう。一方でリアは安っぽく跳ねる。デミオは固めのサスペンションで、マーチの柔らかめだけどボコボコ拾うのとは違うキャラクター。フロントシートなら普通に満足できる乗り心地。多くのユーザーがマーチよりデミオの乗り心地を好むと思う。
基本的にこのK13マーチと同じクルマらしい。ノートは乗り心地の重厚感、ゆったり感で優勢。マーチよりタイヤが上級な事もあるだろう。
サスペンションの感覚はストローク感あるけどギスギスした渋さもある。それでも比較すれば上位レベル。マーチとの比較ではノートに軍配。
昔ながらの感触でグレードによって柔らかかったり固かったり。小さなボコボコでは良好と思える部分もあるが、カツンと来るような場面では最低レベル。総合すれば同レベルながら、ボコボコ道の身のこなしはマーチの方が上手。
独特のヒョコヒョコした動きは不快度MAX。マーチの方が安っぽいけど普通で違和感ないフィーリング。マーチの方が乗員の不快感は少ないと思う。乗り心地のみの比較なら、筆者はマーチ。
ハンドリングについては、街中での低速域では至って自然。電動パワステもだいぶ自然なフィールになってきました。
ステアリングの回し心地はなんだかザラザラ感があって、摩擦音のような何かも聞こえ、精密感は感じないが、かといって軽トラックのように荒っぽい感じでもない。
ワインディングでは、ちょっと頂けない不正確なステアリングフィールを感じる。最近ではこういった自動車が少ないために不思議な感覚さえ覚える。アクセルやブレーキの操作性がいいのでちょっと飛ばしたくなるのだが、速度を上げていくとどこかフラフラする。
そしてコーナー、速度によってステアリングレスポンスが異なる。低速で普通だとすると、少し速度を上げるとワンテンポ遅れ、またもう少し速度を上げるとツーテンポ遅れる。
剛性感無し、コーナーによって感触が違うので、なかなか思い通りに走れない。
原因は何なのか?タイヤかもしれないし、剛性不足によるアライメント変化かもしれない。
アクセル全開をキープすれば1200ccでも結構加速する=それなりの速度がでる。
速度が高ければステアインが遅れる可能性があれど、丁寧な操作を心がければ問題なし。一世代前のマーチよりは安心して走れると思う。
適度なレベルでは、ペースを上げてみても、少々強引な動作をしてみてもオーバーステアにはならない。旋回ブレーキでもリアが出そうにありません。それではということで走行中、ハンドル切ってサイドブレーキを引いてみました。何の為って興味本位w
舵角が少ないときにはタイヤがキーキー鳴り出します。大きくハンドル切ってサイドブレーキを引くと、ピーピーとブザーが鳴り出します。挙動はもちろん、アレです。
アンダーステアが出る前の領域でハンドル切ってクックッっと。前が滑っちゃってからじゃだめですよ。
わかった事。サイドブレーキを戻すのを忘れて走行すると、ブザーで教えてくれる。サイドブレーキ引きずったまま走行すればブレーキがフェードしてしまうから、これは有用な安全機能。
時速80kmから強いブレーキを試すと、ABSの介入はわかりやすいタイプ。
タイミングはタイヤがキーキーいう前からABSが効き始めます。その際の動作はゴッ、ゴッ、ゴッ、ゴッと制御はゆっくり。ブレーキペダルにくる振動もこんな感じなのでビックリすることはありません。緊急ブレーキはブレーキペダルを蹴っ飛ばすように目一杯踏むのが鉄則。いつでもどこでもどなたでも、安心して使えるABSです。
コンパクトカーの中ではマーチのブレーキはコントロール性が高い印象。ピッチングもゆっくり動き、前後方向にピョコピョコしにくい。こうした部分もブレーキの扱いやすさに関係しています。
タイヤのせいもあって制動距離は長め。そこで、様々な踏み方を試してみました。
ブレーキペダルは、ガツンと蹴っ飛ばすように踏むと、すぐにABSが介入する。減速感は少ない。ただし、ビビッて強く踏めないよりはよっぽどいい。
同じ強く踏むにしてもジワッと強く踏む。ABSの介入は最小限だし、減速感も強い。速度が落ちたらブレーキ踏み力を少し弱めるとなおいい。減速感は変わらず。
ABSが付いていない自動車が当たり前だったころ、ブレーキング時のタイヤのグリップは風船に例えられました。思いっきり割ろうとすれば一気に割れる。ゆっくり割ろうとすればなかなか割れない。
今もタイヤのグリップレベルが低いときには有効みたい。でも、一番危険なのは、緊急の時に目一杯ブレーキを踏めないこと。ジワッと踏むのもなるべく素早く、ビビッてハンドルだけで避けようとしないことが大切です。
K13マーチと同じようなクルマが、2代目ノート。基本的な内容は同じで、形状違いのような存在と言われている。
しかし!試乗すればマーチよりノートが良い!差は大きく、車内広さだけでなく走行感覚に違いがある。
また低価格であろうと想像出来る3気筒エンジンを生かす形で、ライバル他車と同じような車両価格で性能の優れた衝突軽減ブレーキ(エマージェンシーブレーキ)を備えたグレードもある。
唯一、場合によっては欠点となるのが、ボディサイズ全長。ノート「4100mm」、マーチ「3780mm」とマーチより結構大きい。
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ドアトリムはほんの少しだけ立体感を出している。そんなことよりこのデザインは??
ラゲッジアンダートレイはなし。制振材や吸音材のたぐいもなし。
ハイマウントストップがLEDじゃないような・・・。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。