間違いいっぱいの自動車選び。日産マーチ。2012年式「12X」の試乗レポート。
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4代目・日産マーチ。型式は「K13」グレード「12X」です。
マーチはフロントシートもリアシートも小さい。小さいというのは欠点というワケではなく、ターゲットが明確ということだと思う。
女性の体型に最適化していれば、それは女性は座りやすく運転しやすいことでしょう。そして男性は違和感を感じることに。特に背の高い男性だと厳しくなる。
両方を狙って中途半端な設計より、「マーチは女性の車」と割り切られている方がメリットは大きいと思う。
ではそんなマーチに男性が座るとどんな感じか?スタッフ2名で例を取り上げます。
誰をターゲットにしたクルマか?気にしてみるのも楽しいかもしれません。
フロントシート座面、先端中央部がやや長く、サイドに向かってラウンドしている形状。ヒザの後ろが短い。
女性に最適化した車種によくある形状で、太もも〜ヒザ裏側の圧迫感がない。
スタッフ1は足の付け根〜ヒザまでが短く、問題なし。一方でスタッフ2はサポートが足りず細かなアクセルワークがやりにくい。
シートの左右感の幅、どちらのスタッフも内股を強制される。そのため、シート位置を後ろ目にポジションを取ることになる。その分は背もたれを起こして調整。
左の画像がスタッフ1。右の画像がスタッフ2。
スタッフ1はどうってこと無い。違和感がないといえばウソになるけど、このくらいで運転している人はいくらでもいる。スタッフ2はちょっと厳しいか。シートのみならず視線の位置が高すぎて、いろいろと運転に不都合がでる。
これは軽自動車以下のスペース?最初から4人乗りで設計した方が良いんじゃないかと思えるスペースと座り心地。無駄とも思えるセンターのシートベルトなどの影響で、実質的な1人分のスペースが制限されちゃっている。
横方向が狭い。座面が小さい。マーチのポジショニングを考えれば贅沢はいえません。合わせて背もたれの高さも小さいんですが、こちらは後方視界の確保のためでしょう。
小さなシートでがんばって確保したようなリアシートのスペース、実際に座るとどんな感じか。
スタッフ1がリアシートに着座した画像。
シートバックから肩が出てしまっていますが、コンパクトカーに乗り継いでいらっしゃる方ならそう気になるほどでもないでしょう。
スペース的にも頭上は余裕あり問題なし。問題なのは座りにくさ。画像はヘッドレストを収納したままの状態で、この状態だとヘッドレストが背中に当たって痛い。乗員側に出っ張っているので当然、まともな姿勢で座れず。一手間掛けて伸ばせば問題ない。
続いてスタッフ2がリアシートに着座した状態。肩胛骨から上がシートからはみ出ちゃってるような状態。本人曰く、座椅子に座ってる感覚らしい。
右の画像はヘッドレストを伸ばした状態。ヘッドレストではなくネックレストの状態です。追突された時の安全性はどうなのか?試乗中、ひそかに実験したくともなかなかw
以上、マーチのシートのサイズについてでした。
何が言いたいのかといえば、どんな方をターゲットに開発されたクルマか、考えてみるのは如何ですか?
って事と、乗車中の外から見える姿だって気にならない?と。このあたりに触れたい為の企画でした。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
マーチはいわゆる「Bセグメント」に属するクルマ。全長3800〜4200mmくらいのクラスがここに分類される。または分類されることが多い。
そんなマーチは女性に最適化されたデザインだと予想できるが、同クラス&同価格帯で成人男性が普通に座れるクルマもある。マーチ派生車のノート(2代目)とホンダのフィット。
広くて同じのフィットはリアシート足下が広い。乗り降りもしやすい。そしてラゲッジも使いやすい。3代目ではリアシート頭上に圧迫感があってやや窮屈だが、これで文句は付けられない。
シートはコンパクトカーでは圧倒的に立派。サイズも座り心地もライバル他車から抜けている。
ノートは2代目フィットと同じくらいの室内スペースを有する。実際にはボディサイズが異なり、フィットより20cm弱、全長が長い。
助手席は3代目フィットより広く取ることができ、マーチの男性向けラインナップとして考える事もできる。
ノートの特徴であり弱点でもあるのが3気筒エンジン。4気筒エンジンのフィットと比較すればレベルはワンランク落ちる。3気筒エンジンという部分が納得できれば商品価値は高い。ノートの乗り心地はフィットより快適です。
先代マーチと多くを共有するハイトワゴンがキューブ(Z12型)。
マーチなどと変わらぬコンパクトなボディサイズで、個性的しかも魅力的なボディデザインを有する一台。
このZ12キューブは上質なシートが大きな魅力で、質が高ければサイズも大きい。リアシートだって変わらず立派なシートで、狭い室内にシートが占める面積が大きい。まるでベッドの部屋みたいな感じ。
今回のK13マーチはタイ生産ということで、品質面では多少妥協しながらも価格が安いというメリットを想像されると思います。
確かに装備内容によってはライバル他車より少し安い。でも大きくは変わらないだろう、と思います。
中間の「12X」を基準にすると、下位の「12S」はアイドリングストップ、ドアガラスのUVカットガラス、電動格納式ドアミラー、インテリジェントキーが省かれる。
上位の「12G」になると、プライバシーガラス、オートライト、メーターパネルの変更、オートエアコン、カーテンエアバッグなどが追加される。
地方にお住まいならアイドリングストップは無くてもいい。するとベースグレードでも良いけど、UVカットとインテリジェントキーは欲しい。となると、20万円高い「12X」を選ぶしか無い。コスパ的にはちょっと割高で、「12S」のお得感とは差がある。余談だけど「12S」というグレードはレンタカー用に設定されているというハナシも。
「12G」装備は魅力。しかし価格を考えると、他車では1500ccエンジンの価格帯なのでお得感は低い。やはり12Sと12Xが基本だろう。また全車オーディオレス、横滑り防止装置は現在のところオプションでも用意されないとのこと。
同乗者による手元のストップウォッチでマーチの中間加速力を計測してみました。
計測条件は大人の男性2人乗車。ガソリン残量はメーター読み3分の2。風はほぼなし。タイヤ空気圧フロント2.2キロ、リヤ2.0キロ。道は直線。
速度はメーター読み。他車の比較タイムが少ないので、暇つぶし程度のデータになります。
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乗ればわかる!極小のフロントシート。
乗ればわかる!極小のリアシート。今となっては珍しい大き目センタートンネルがある。
ライバルと比較すると、マツダ・デミオ(3代目)よりは厚みがあるし、姿勢がアップライトな分、スペース的に座れない事もない。
リアのドアトリムと足下。
リアシート乗降性、ドア開口部は広い。しかしサイドシルが高く足が引っかかる。
特にお子様は乗り降りがたいへんです。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。