辛口比較・評価評論の試乗記、試乗車はスバルのR-2。グレードはタイプS。
比較と辛口評価の試乗レポート
スバルにはR-1、R-2と兄弟車が設定されていて、「R-2はリアドアある方」です。
R-2は、”スバル360”と言う名車の後継車としてデビューした昭和車「R2」からその名を受け継いだそう。2003年デビューの軽自動車です。
軽自動車にはめずらしい個性いっぱいの軽自動車がR-2。
個性の強さは一瞬でわかるこのボディデザインです。このデザインこそ最大の特徴。ミラとは違います。アルトとも違います。商用のイメージは希薄でプライベート感が満載。
フロントマスクはテントウムシをイメージした超天然仕様。自然派も納得。エコロジー派は飛び跳ねて喜んでいると聞きます。実際は...奇妙なフロントマスクなんて思ったりしちゃいます。
R-2はマイナーなクルマですが、その前にまずは軽自動車のポジションと前提から。
軽自動車というのは、一般的に中古車、新古車共に割高。いや絶対的に安いミラやアルトなんかもあることはありますが、プラス10〜20万円の車両価格と、年間2〜4万円の維持費増を負担できれば、コンパクトカーの方がお得感を感じます。幸せ感・満足感もたぶん上でしょう。
逆に同価格帯のコンパクトカーと比較すれば装備面では軽自動車の勝ち。便利な機能が多く付いていた方が良ければ軽自動車を選ぶのが正解となります。
これを踏まえて上で従来ながらの金額的にお得な軽自動車をお考えなら、低価格なグレードを選ぶのがお得。メーカーにとっては利益はないかもしれません。しかしだからこそお得。ベースグレードかその一つ上のグレードを選択すれば、軽自動車ならではの旨味が味わえる。
現代の軽自動車なら低価格グレードを選択してもエアコンがないなんてことはありません。制振材・吸音材など静粛性向上の部材は簡略化されるかもしれませんが、これだって近距離の移動ならなんら問題はありません。
ポイントは中古車市場で、いくらくらいの価格で取引されているか?絶対的安い方がいい軽自動車、新しくて安いクルマがあれば、それは魅力を感じます。
このR-2、2009年現在、中古市場ではお得な割安感ある価格で取引されています。よって、”買う価値のある軽自動車”と認定させて頂きます。
発売1年後の2004年には、R2の3ドア(R2クーペ)が登場しました。しかし、前で申し上げたとおり、かなり個性的なデザインのため不人気車になっています。
売れない原因のすべてはこのスバルらしからぬ、外観の冒険心に満ちあふれたボディデザインの失敗なのでしょう。
試乗レポート、内装に関して。R-2の欠点とでもあり長所でもある特徴ですが、他のライバル車種と比較して天井の高さが低いというところですか。
一般的なスズキ・ワゴンRのような軽ハイトワゴン、ダイハツのタント、ムーブ、このような感じではなく、開放感は少なめ。ベーシックなミラやアルトの感覚です。
つまり身長のある男性の方だと、圧迫感ありすぎます。ちなみに筆者私の身長は183センチ。自分で使うなら、通常2人のり、緊急時に4人乗りとして利用します。基本的にこのような使い方が最適なクルマです。です。
外見からすると一見、そんなに背は低く見えません。これはウエストライン(ベルトライン)が高いから。ウエストラインとは窓の下の部分。
横から見て鉄板と窓の境目のラインのこと。前から後ろまでこのウエストラインが高いと、車高が高いような錯覚をするというハナシです。
このR2、R1も全長、全幅共にライバル車とほぼ同じ大きさですが、最近軽自動車として主流になっている軽トールワゴン全高、そして室内も天井が高いワゴンと比べると扱いにくさが目立ってしまいます。
ようするに、他の軽自動車と比較して狭いんです。
しかし、試乗前に予想するほど室内は狭くなく、初代ワゴンRの時代と同程度?くらいの感覚。むしろその外観でこの室内という意味では、ある意味効率の良さ(パッケージングの良さ)を感じさせなくもない(スバル車としてという注釈付き)。もう少しがんばればスズキやダイハツに追いつけそうです。
実際に走り出してみると、軽自動車と言うこともあり、ハーシュネスのまとまり具合は期待できません。特にロードノイズは、どうしても気になってしまいます。
スバルの軽はプレオの時代から、乗り心地の上質感という面では、ライバルを一歩リードしていましたが、このR-2は退化したような感じを受けます。もっとも、安いが一番の軽自動車ですから、仕方がないと言うしかありません。
といっても、ライバルと比較すれば、断然質感ある乗り心地。きちんと動く足回りで、揺すられ感も少なめ。コーナーでの安心感も高く、それはステアリングの落ち着きさから伝わってきます。横方向の剛性というか、ステアリングの正確さも感じます。
このあたり、コンパクトカーレベルに届いている軽自動車と評価させて頂きます。
エンジンはやはり今回も4気筒。スバル様ありがとうといいたいくらいです。燃費では3気筒の方がいいはず。コストも安い。でも質感という面では4気筒の方がいい。
最大限の評価をさせて頂きます。なお、スバルが抱える大人の事情もあって4気筒なのでしょうが、ここは突っ込まないように。
そんな注目のエンジン、やはり4気筒の方が静かでいいです。アイドリング中、ステアリングにプルプルくるのも最小限。80キロくらいでの巡航もこなせます。
過給器、スーパーチャージャーの有無については、女性の方が、町乗り、ちょっとしたお買い物程度でお使いになるなら、NAでも申し分ありません。
しかし、クルマ好きでかつ、中古で購入するならスーパーチャージャー付きをぜひ。やはり新車時に140万円と値のはるスーパーチャージャー仕様、中古なら面白い選択です。
ちなみにネット上の評判を見ると、R-2のNAエンジンのオーナーのほとんどが非力、パワー不足が不満といっています。もちろん一昔前の軽自動車と比べれば、NAでも全然走ります。(NAはノーマルアスピレーションの略)。
スーパーチャージャーと7速スポーツシフト付きCVTのグレード、「タイプS」ならそこそこ走れ、さらにもともと4気筒エンジンなのでふけ上がりもなかなか。何より音がスムーズ、振動も少なめ、快適。
総合的に考え、動力性能は満足の方もいらっしゃるし、不満の方がいらっしゃる、これは走る場所や乗車人数、そしてお値段を考えてスーパーチャージャー付きかNAを選ぶのがよさそうです。 (答えになってません)
もちろん、大前提は、「安くなければ軽じゃない」が合い言葉。しかし、訳あってファーストカーが軽自動車の方もいらっしゃるハズ。それならちょっと無理してスーパーチャージャーもいいかなと。逆にセカンドカーならNAでガマンがいいです。
「食事が趣味ならまずいものも食べなさい」こんなことわざもあったと思います。
R-2、やはりスバルの軽自動車です。知名度・人気は低いけど、乗るといい。試乗すれば軽自動車で一番の質感を感じます。とにかく、一度試乗すれば「これいい!」と思うはず。
そしてこの外装デザイン。つねにデザインが問題になるのがスバル。もしデザインがお嫌いでなければ自信を持ってオススメしたいR-2です。
ところで2009年でスバルは軽自動車の生産、開発から撤退し同じトヨタの傘下であるダイハツにゆだね、すべてダイハツのOEM車に切り替わります。スバルの軽自動車ファンとしては淋しいところです。
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評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。