辛口比較・評価評論の試乗レポート、トヨタ・クルーガー。グレード「24S」。2列シートの2400ccモデルです。
比較と辛口評価の試乗レポート
※当サイトは辛口の試乗評価が特徴です。評論家の先生がお伝えしにそうな点も記載しています。
初代ハリアーの兄弟車としてデビューしたのがクルーガー。ハリヤーとクルーガーの大きな違いは、イメージとボディデザイン、そしてクルーガーには3列シートのモデルが存在することです。
ハリヤーは都会的SUVとしてデビューし、スタイリッシュで印象的なCMが忘れられません。もちろん人気車種になりました。ベースはカムリだったと思います。ミドルクラスの乗用車をベースに、少しの悪路走破性をつけたクルマです。
クルーガーはハリヤーのバリエーションモデル。図太さを強調したアジアンテイストなボディデザインが特徴。人気のハリヤー兄弟車としてネッツ店などにラインナップ。誤解を恐れずに言えば販売チャンネル対策で登場と思います
初代ハリヤーと兄弟車のクルーガーは、ハリヤーが2代目になっても販売を継続。デビュー時期の違いからお得感は非常に低いクルマです。
(厳密に言えばクルーガーのベースは進化版のカムリベースらしい)
どんなクルマか?といえば、悪路走破性の高さをイメージさせつつ、乗用車ライクな乗り味が持ち味。いわゆるSUVといわれるジャンルに属します。
ボディサイズは全長4685mm×全幅1825mmとアッパーミドルセダンと同クラス。トヨタらしく価格に見合ったサイズです。
4気筒の2400ccとV6の3000ccの2種類。比較すれば3000ccはお得な価格設定ですね。
クルーガーのエクステリアは、都会的なハリヤーと一線を引くような無骨で不格好が印象的。好みどうこうではなくて、ホントに発展途上国のデザイナーがデザインしたようなスタイルと評価したいくらい。
新しさや、おしゃれさ、力強さも何もなく、張りもなければ優雅さもない面構成とシルエット、安っぽいディテールなどホントにトヨタ車かと疑いたくなります。
これがスバルだったらかっこわるいの一言。ハリヤーほど洗練された雰囲気を感じられないのが残念です。
クルーガーはハリアーの他、広くはエスティマやアルファード・プロナードなんかも兄弟車。Kプラットフォームと呼ばれるビッグサイズFF用シャシーに、エンジンは2AZを乗せています。
これら、基本的には似たような乗り味を感じますが、サスペンションのセッティングによって別物に感じる場合があるのも事実。微妙にホイールベースが変わっていたりもします。
ホイールベースが長いクルマほど、細かな振動を打ち消しやすいと言いますから、同じプラットフォームといえど上質感は微妙に変わってくるかもしれない。ホイールベースとハンドリングの関係では、こちらはセッティングの範囲内。
同一プラットフォームなら車種によるホイールベースの差はほんの少し(5ミリとか10ミリとか)諸元表を見てるとそんなものです。
同じクルマだな、と感じるのは、エンジンルームの無駄なスペースや、オーディオ改造等でインパネをばらした際の無駄なスペースや共通部品の多さに気づいたとき。シャシーが一緒というと、足回り、サスペンションやデフ周りが共通かと思いますが、それ以外にも共通の箇所は意外に多そうで、エンジンルームの作りが似ていたりもします。
このKプラットフォームの場合の特徴は、だいたいどのクルマも6気筒3000ccエンジンを選べるという点。
合わせて、プロナードを除き乗り心地が悪いという共通点もあります。乗り心地は上質なショックアブソーバー(ちょっとお高い車高調でも)に変えると不満無くなる点も共通のポイント。
クルーガーも6気筒モデルを買って上質なショックアブソーバーに変える。これで2400ccモデルとは全く違った、満足感の高い上質感を得られます。
人気の高級SUVに近い存在で運転できれば、きっと高い満足感を得られるはずです。内装や装備は高級SUVといっても差し支えない十分なものですから。
(クルーガーにアフターパーツで優れたショックアブソーバーが出ているかは不明)
クルーガーの内装デザイン、こちらも外装デザインと同様、骨太感が強調されています。
よく言えば力強さを感じさせてくれます。ちょっとだけ凝ったデザインに張り出したセンターコンソール、プラスティッキーなパネルの組み合わせですが、上級グレードでは木目調の光沢パネルがセットされます。
ナビパネル周辺がナビゲーション無しだと非常に貧弱になるので、純正ナビゲーション有りだと立派な印象に。
パッと見、なかなか良さそうですが、質感という点で評価するとあまり良くなく、叩いてみるとパカパカ。軟質ウレタンは利用されていますが、内装全体がガッチリ固定されている感はあまりなし。
ただし、このごっつい感じはSUVらしさは十分。大事にすると言うよりも気軽に乱暴に扱っても全然OKな感覚です。傷も汚れも気にしない。もちろんコンパクトカーと比較すれば天国のような室内空間ですが、それでも気軽に道具として使える雰囲気はヒシヒシと伝わってきます。これ、SUVとして利点です。
このSUVとしての利点、初代ハリアーはもっと徹底しています。簡単にいえばどこが高級?と思えるほどチープなだけですが、汚れたって気にならない感がハリアーにはあります。
追記:2400ccで230万円という価格の安さは魅力。2000ccや1800ccのクルマだってこれくらいしたりする。ベースグレードになるがこの価格を考えればむしろ立派な内装。
クルーガー、 標準モデルではこんな感じですが、あとから追加されたクルーガーハイブリッドの室内のイメージはいいですね。
2代目ハリヤーハイブリッドほど高級感はないですが、お値段から考えてもそれなりに納得のイメージを持っているインパネやシート。ちょっとした部品の変更でこんなにイメージは変わるのか?インパネ各部には先進的なイメージを感じさせるシルバーのパネルが組み合わされます。好みが合えば、この内装に関して不満を感じることはあまりなさそうです。
追記:クルーガーハイブリッドは3300cc+モーター。価格は約400万円。
クネクネ道を走り出すと、重めのボディに2400ccはちょっと物足りない第一印象。ユーザーによっては必要十分でしょうが、せっかくプライベート感覚溢れるSUV、キャラクター的にもやっぱり3000ccを選べれば理想的です。
クルーガーの2400ccエンジンでも実用上、困るほど遅いわけではないんですが、使い方次第でちょっと遅いです。発進加速が多いと不満に繋がりそうです。
体感的な発進加速はセダンの2000ccより遅いくらい。速度が上がってしまえば走りにくいことはありません。
SUVらしさはスマートな加速も演出するはずで、プレミアム感が重要。巡航時の回転数も低くなる3000ccはやはり魅力。そして6気筒エンジンの音も4気筒と比較すれば非常に上質。V6同士で比較してもまずまず上質。
余裕なくてエンジンがいつも唸っていたら、SUVの雰囲気は台無しですよね。
3000ccのエンジンは1MZ-FE型。V型です。直列6気筒が好きな人にとっては邪道ともいえる音を出します。それでも贅沢な多気筒エンジンだけあって振動は少なめ、フィールは滑らかです。
足回り・サスペンションはそんなに固くはないんですが、少し荒れた道にいくとドタバタとフリクションを感じます。前後への動きは固くないけど、路面からの衝撃はドタバタ。いかにもトヨタ車らしい足回りといえばご想像頂けるでしょうか。
アクセル全開で走ってみれば、直進性の悪さを感じます。車線内で右に寄ったり左に寄ったりフラフラ。その状態でちょっとブレーキを残してハンドルを切ったら、クルマは思ったより不安定に。
また荒れた道でのブレーキングではドカドカと、ハーシュネスを多く室内に伝えてしまいます。
筆者が試乗したのは完全な新車だったので、ショックアブソーバーに当たりが付けばマイルドに変わっていく事が想像出来ます。
※前期型クルーガーは荒い路面でのブレーキングにはご注意を。後期型は改善された様子。
不安定な動きをしたり荒れた道でドカドカバタバタする足回りながら、平らな道では乗り心地は良好です。
ハンドリングはクイックすぎないセッティング。リアシート乗員がと揺すられて不快になる感覚は最小限。ただしもちろん、雑なステアリングワークでは急にヨーが立ち上がり、同乗者全てが不快になります。入力が大きい時の姿勢変化は大きめ。
普通に走っていれば特に問題なし。乗り心地が悪いセダンもいっぱいある。だから、一見ごっつい見た目をしていながらも、乗用車ぽい感覚で運転できるのがクルーガーの良い点。
乗用車感覚を持つ都会派SUVといえる感覚です。
2400ccで230万円、3000ccで280万円。この価格だけ見てもクルーガーのコストパフォーマンスは高い。セダンからの派生モデルだと割高なイメージもあるが、クルーガーに限ってはそれはなし。
クルーガーはサイズも室内快適性もミドル〜アッパーミドルクラスをキープ。これが嬉しい。もちろんトヨタの事だから、見えない部分ではかなりコストダウンをがんばっているのだろうが、ただ移動するだけなら質感なんて最低限でもいいはず。
この価格、一クラス下の2000ccクラスでも、少しいいグレードを選択すれば被ってしまう価格。いくらクルーガーの質感がどうこうといっても、格下と比較すれば勝る部分が多いはず。でも、デザインがちょっと、というならハリアーをオススメします。
もし購入するなら、ハリアーの方が人気もあって都会的、モデルも新しくていいですけど、お値段のこともあるし、なんともいえばせんね。クルーガーのデザインが気に入れば、値段との兼ね合いでクルーガーもありでしょうか。
自分だったら、SUVにはスマートさを重要視しますが、好みは様々。また販売チャンネルによって買いたくても買えない人もいるわけです。またデザイン的もよく言えば力強いデザインのクルーガー。こういった選択肢が用意されることが、何よりもうれしいです。
SUVといえば高級そしてラグジュアリー(ラグジュアリーとは優雅・余裕の意)。つまり高級なクルマなわけで、女性的な優雅さも兼ね備える必要があるわけです。そんな優雅さを省いて、なんちゃってクロカン4WD(しかもアジア版)のようなクルーガー、もちろん中古車ならオトクです。
追記:クルーガーには後から3列シートモデルも追加されています。また、3300ccのハイブリッドモデルもデビューしています。三列シートの価格は二列シートから5万円程度の上乗せ。ハイブリッドモデルとなる「クルーガーハイブリッド」は2005年登場。新車価格はだいたい400万円です。
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