間違いいっぱいの自動車選び。2016年式プリウス(2016前期)の簡単試乗レポート。
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トヨタ・プリウス。グレード「A・ツーリングセレクション」です。魅力は燃費だけでなく足の質感とその方向性!
試乗内容は限定的。第一印象重視です。暇つぶし程度にご覧下さいませ。
トヨタ車のサスペンションの方向性が最近、変わってきたように思うのよね。”ゆっくり動きやすい”方向に。
今までトヨタ車といえば「パッツンパッツン」か「ブカブカ」かのどちらかで、一言で表せば安っぽく。
これだと重量のある上級車種の方が乗り心地良いと感じやすく、上手いことで来てますわなと思ってたわけです。
で、プリウス。ツーリングセレクションはそこそこ固めだけど、そこそこ動きやすい足回り。
今までのトヨタ車と比較すれば積極的に評価できるし、車両200万円代ライバル車と比較しても悪くない。
もうね、「プリウスだから」という注釈を外して比較ができる。
しかも、ディーラー試乗車の状態でサスペンション動き出しが優しいとすると、オドメーターが5000kmくらいに進んだ時はスムーズと言えるレベルになっている可能性だってある。
加えて、段差で足回りからのコトコト音が気にならない点も大いに、立派な感じを印象つけてくれたハズ。
動き出しやすいサスペンションや、ダイレクト感ある各部ブッシュやボディによって、直進安定性の高さは十分。
それも、「ふらつくけど微調整しやすい」ではなく「ほっといてもまっすぐ走る」感触。
しかも、意図的に直進性ばかり強めた感じじゃない。
ステアリング中立付近は軽く、違和感は感じない。
なので、何かを犠牲にして得た直進安定性というわけではなく、よく出来ているからまっすぐ走ると感じたのが現在の感想。
試乗中、思ったより高い速度でもエンジンが止まっていた(速度は失念、80km/h弱くらい)。
もしかしたらエンジン止まってると直進性に良い影響をもたらすんじゃないのかって疑問もわいてくる。
少なくても静粛性や振動に関してはプラス方向だね。
長時間ドライブしたわけではないので、ハッキリした事はいえないけど、長距離通勤の強い味方になる可能性。疲れた帰り道こそ、楽に走れるクルマが欲しくなるよね。
よくある別のクルマの話。まっすぐ走りにくいクルマの助手席に座っていると、とにかく落ち着かない。特に高速道路で気になるけど、「少し速度落としてよ」なんて心の叫びがw
コーナーで不快なクルマは、ドライバーの運転次第では助手席で不快なことは少ない。でも直進はクルマ次第という面があります。
直進性が高いクルマといえば、ハンドルの回し心地も一緒に考えたいポイント。プリウスはこれも立派だった。
今回タイヤが17インチサイズだったこともあり、従来型の特に初期モデルに見られた、コンパクトカーや軽自動車みたいな回し心地とはちょっと違う。
だいたいにしてタイヤの大きなモデルほど、回し心地は立派になる傾向があるけれど、ミドルクラス以上のトヨタ車は立派に感じることが多い。
最近のモデルでは回し心地にしっとり感あって、中立は軽めで切り込んでいくと重めな味付け。旧来の自然さを表現しているように思う。プリウスに限ったことじゃないんだけどね。
もし可能なら、タイヤ空気圧を少し下げると、ねばっとした感覚が出てより立派な感触になるかも。
ブレーキに回生機構を持つハイブリッド車では、さんざんに言われてきたブレーキフィール。
初期の辺りが唐突だったり、急に食いつきがよくなったりするわけだど、今回の4代目プリウスはそれなりに良くなった。
良くなったんだけど、サスペンションが動きやすくなった分だけアラが目立つというか、逆にもっと扱いやすい感触とか、思い通りになるブレーキを望んでしまう。
停止のための減速では、より滑らかに停止できるようにやりやすく。
また走行中の速度コントロールでは、フロントを縮めて伸ばすスピードがもう少し自由になれば、段差を超える時の衝撃を軽減したり、コーナーでは滑らかに曲がり始められるんじゃないかな。
ペダルレイアウトは、コンパクトカーと同じくらいに左より。ちょっと右側がタイトで、ブレーキペダルは左足ブレーキでも問題ないくらいの位置なので、気になる方はご確認をぜひ。
インパネなど内装デザインやボディデザインは勝負しちゃってるんじゃないかと思う。
「プリウスだから勝負できる」のか、「プリウスだからって勝負しないとダメ」なのか、メーカー側の都合を考えてみるのも面白い。
どんな会議をして採用されたのかなとか、ゴーサイン出した方の気持ちはどうだったのかなって気になる気になるw
インパネではセンター上部の液晶部が目を引き、グラフィカルそしてカラフルな表示が現代風をイメージさせてくれる。
ただ全体的にはどうだろう?
クセの強い造形でドアに繋がり、センタークラスター周辺はコンパクトカーの絶壁かつ下部がエグれている。このあたりに古いイメージを抱くユーザーもいらっしゃるんではないかと。
旧型プリウスが安っぽいながらも立体感のある造形で新鮮味を出していたのと比較すると、ちょっと残念に感じてしまう。
そして積極的に厳しいと感じたのはセンターコンソール周辺。
2個並んだドリンクホルダーの辺りだけど、非常に大味で大雑把な印象を受ける。
写真左:こんな大きな面積に単色の光沢パネルを使って、キズを気にしながら使わせるの?表面のウネリだって有機的すぎて馴染めない感覚。
写真右:下位グレードではつやなし黒のプラパーツ。実用性は高いだろうけど、のっぺりとした大きなパネルが安っぽいことに違いはなし。
マイナーチェンジで大幅変更されないことを祈りますw
リアシートに関しては良くなった部分と悪くなった部分がどちらも見受けられた(旧型比)。
先に悪くなった部分を述べさせていただくと、頭上のスペースが減って圧迫感アップ。
具体的には、身長182cmのスタッフが座ると、頭上に頭が接触。しかも、背もたれより先に頭が当たってしまうから、背中を背もたれに付けることが出来ず。これは事実上、乗ることができたいと言ったほうが正しいだろう。
普通に乗車できるのは身長が170cm位まで。このくらいなら、一昔前のクルマに乗っているような圧迫感こそあれど、よほどのことがない限り、髪の毛が接触する程度。
足元や膝周りのスペースは狭くはないです。
運転席や助手席では良いレベルのプリウス、リアシートでは”まずまず”という評価。サスペンションはやや固めで、特に大きめの段差では普通に衝撃がある。
リアシートはゆったりしてる方が快適だし、それで不快ならそれは運転方法に問題が。
質感より優しさが快適性に直結しやすいリアシートは、ツーリングセレクションではない通常タイプの方が快適かもしれない。
そんなツーリングセレクションでも、旧型と比較すれば差は歴然。
まずは乗車時のドア開閉、明らかにフロントドアと差別化された安っぽいリアドアは旧型プリウスの代表的特徴。今回それがフロントドアに近い感触で開閉できるようになった。
ちょっと背中を丸める感じで乗り込むんだけど、乗り込んでしまえば普通に座れるシート。特に座面は旧型より全然良し!クッション性も着座姿勢も、リアシートが使われることが考えられていると思いました。
走りだせば細かな凹凸は丁寧に対処してくれます。
渋くて荒っぽい兄貴分のSAIより好ましいくらい。プリウスはサスが馴染んでくれば、より良くなる可能性もあります。
リアサスのダブルウィッシュボーンという構造が、やけにもてはやされているプリウス。
たしかに上級車的な構造です。
だけど、ここからイメージできるのは強い横Gをかけた時の安定性などで、乗り心地についてはやっぱり乗ってみないとわからないと思う。
ダブルウィッシュボーンやマルチリンクといっても、乗り心地が安っぽいクルマは普通にあるからね。
短時間のディーラー試乗で乗り心地の”質感”を比較するのは難しいです。でも普段走る道を走れば乗り心地の”良し悪し”ならわかりやすい。
不快な音がするかしないかでもいいし、カタログスペックではなく試乗しての比較をぜひ。
ちょこっと乗っただけで心地良いと感じたクルマはすぐに思い通りに走れる。逆に違和感を感じたクルマは慣れるまで緊張が取れず。
このプリウスは1時間のディーラー試乗で多くの部分が馴染み、試乗初めて10分後には気持よく走れました。
今回プリウスに試乗させてもらい、予想以上によかったわけです。しかしもしかしたら、特別条件の良い車体だった可能性も完全には否定できず。
というのも、筆者が以前購入した現行ウィッシュは、試乗車より届いた新車の方が乗り心地良かったし、マツダCX-5でも試乗車の乗り味が異なっていた。
プリウスに限ったことじゃないんだけど、いつの間にかの改良や改変の可能性は少なからずあります。
プリウスみたいに注文から納期の長い人気車ほど、聞けることは何でも聞き出すのが安心ですね。
プリウス・ツーリングセレクションに試乗し、短時間ながらも走行感覚は期待できると感じることができました。
予想以上というか意外というか、笑顔でいられる結果に思わず”1日貸して”とお願いしたくなってしまった位。
いやほんとに、市街地を短時間ならあちこち満足できる。車両価格250万円クラスとしてね。
プリウスも4代目にしてしっかりと、ミドルクラスと言えるだけの質感を備えてきたんじゃないかな。
一方で懸念事項や、条件次第では積極的に選べないポイントもある。エコノミーモデルとしては高額だし、ファミリーユースには後席スペースの不安が。燃費良いクルマはプリウスだけじゃないからね。
もう一つは「プリウスのカローラ化」を拒否するような”微妙”な個性。ボディデザインや内装など安っぽい個性が残念。
やはりプリウスなら常に先進技術でカローラ化を防いでもらいたいところで、そうするとPHV仕様こそ4代目プリウスの本命かも。
2016年4月時点で納期は6月超とのこと。特別お急ぎでなければPHVを見てからでいいかもね。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。