間違いいっぱいの自動車選び。2021年式・ライズ「X・2WD」の試乗レポート。
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トヨタ・ライズ(1000cc+ターボ グレードX・2WD・型式A200A)。4WDのGに続き、2WDのXです。
試乗内容は限定的。第一印象重視で一般的な表現を心がけています。
高燃費運転が難しい...と感じるほどに楽しいのが、ライズのエンジン&ミッション。
ライズのエンジン型式は「1KR-VET」。ターボ付きエンジンの1ラインナップです(2021年現在)。
このエンジンは直噴ではなくポート噴射式で、圧縮比は9.5との事。
乗った感じもスペックから想像できる通りで、従来からのターボらしさが強いです。
繊細というより荒っぽく、スロットル特性や加速開始、高回転フィールといった部分がそう。
NA(自然吸気)っぽいターボが主流になりつつありますが、このターボは違います。
如何にもターボ的な特性で、踏み初めのグッっとくる加速感を味わいやすい。これがライズの楽しさにつながっています。
これはお馴染み?最近のダイハツ車では定番ともいえるデザインで、「どんどん使って!」と訴えかけてきます。
ハンドルの右手側、親指部分にPWRモードの切り替えスイッチがついています。
ステアリングスイッチの中で一等地と思われる部分にPWRスイッチ。この発想にはニッコリしちゃいます。
PWRスイッチを押すと、スロットル特性とCVT特性の変化を体感できました。
アクセルペダル開度が低い時、同じ開度でより大きく踏んだのと同じチカラがでます。標準でも早開きの特性がさらに過激に変化しちゃいます。
合わせて同じ速度で使用されるギヤが低い方に変わり、エンジン回転数が上がります。
メーカー的には、「もっと楽しく運転しよう」みたいな言い方はできないのでしょう。時代的とか社会的にね。
するとこれはダイハツからの、最大限のメッセージ!?
本音と建前の中で最大限のメッセージかもしれませんね。
必要以上に安全とか燃費を気にすると、運転は苦痛なだけだと思います。運転しなければ事故にはなりませんですからね。
思い出してください!初めて自転車に乗れた日の事を。
家の前の道で、思いっきり漕いでみませんでした?
大声では言えないけれど、大事なのは節度と常識の線引かなと、思います。
エンジンの力を増幅したり、燃費をよくしたり、そうした割り振りをしているのがミッション。ライズはCVTタイプのミッションが採用されています。
CVTの特性は、ターボのチカラを発揮しやすい特性にしている、そんな印象です。
具体的には、ターボが過給しやすい2500回転以上を積極的にキープしようとします。
巡航中、少し踏み増しすると即座に回転を上げて、次の加速に備えてくれます。
他のクルマと比較すれば、こんなに元気なCVTは珍しいくらい。
逆にいうと、高燃費運転はしにくいです。
ほんの少し加速したい時でも、エンジン回転数をあげちゃう。
燃費至上主義的な運転には難易度が高いですが、楽しさ優先なら凄い楽しいです。
元気が良い分、気になる部分もなくはありません。コクンッという衝撃や、アクセルOFF時の空走感、スロットル特性の変化あたりです。
でも、軽自動車のタントと比較すれば、ライズの方が滑らかだと思います。
(ライズも元はダイハツ車)
タントもカスタムRSターボだと価格近いですから、比較対象かもしれません。ちなみにベーシックなノンターボのタントだと、ちょっとラフにペダル操作すれば、コクンコクンしちゃいます。
ライズ(2WD)の乗り心地や静粛性は、質感といえば苦しいものの、苦痛ではない乗り心地と静粛性。
中途半端に質感が重視されるより、好ましいと思います。
クラス的に「上質で快適」が狙えないとすると、「上質だけど硬い」と「それなりだけど不快ではない」、どちらがお好きです?
ライズは後者。きつい乗り心地じゃないんだけど、パカンパカンとした乗り心地。跳ねたり揺れたりも目立ち、立派な乗り心地じゃありません。
トレンド的な乗り心地は、フラット感の高い乗り心地です。
「揺れが小さい」もしくは「素早く収まる」。
サスペンションを動かさないとか、動きを感じさせない乗り心地という事ですよね。
こうした点、ライズは古典的なのですが、そこが良いです。中途半端な上質感なら普通の方が好ましい。
合わせてコレが、ワクワクしちゃう走行フィールにも繋がっています。揺れて弾んで運転している感が高いです。
1KR-VET型エンジンの印象、CVTの特性、加速感などと、簡単な燃費チェックの様子を動画にまとめました。
ライズ(2WD)に試乗した時の燃費は丁寧に運転して17km/Lというイメージでした。
1000ccという排気量から連想する燃費ほどには良くない印象でした。ターボらしさが強く、トルクの出ない回転数を避けるように回転を上げるCVT特性。そうした部分から、燃費走行が難しいとも感じました。
そんなライズにもハイブリッドが!2021年後半に登場しました。
燃費は大雑把に1.5倍〜2倍。もっとも優れた燃費が表示された区間では写真のような燃費も。
ドライバーによる燃費さも出にくくなったといいますか、普通に運転すれば普通に高燃費。そうした特性を感じます。
試乗時の参考燃費(と動画)をリンク先に記載しています。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
一部画像は拡大します(横長画像など)。
ライズの静粛性は意外にも、リアシートの静粛性が高いと感じました。
正確に言えば、フロントシートと同じくらいの静粛性を感じます。
この傾向は、2WDでも4WDでも変わりません。
そしてこの静粛性も、乗り心地と同じような印象。つまり、質感を感じる音質ではないけど、不快感を感じない音質です。
具体的には、低周波帯が籠もりにくいのが、良い結果に繋がっているのかなと思います。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。