ZR-V辛口評価「4」
乗り心地や快適性、静粛性へのこだわり

ZR-Vの乗り心地、快適性

ZR-Vガソリンモデルの乗り心地について。最近のホンダらしい特性ながら、快適性だって重視されているであろうレベルの高さ。
例えば乗り心地良いと言われるフリード、リアシートでは突き上げの強さがでやすい。ZR-Vの方がそれを感じにくく、乗り心地の不満がでにくいと思います。

• 参考：フリード（乗り心地のページ）

ゆったりと硬さが同居

筆者がZR-Vの長所として上げたいのは日常速度での乗り心地。特に市街地など低速なら低速なほどに滑らか。快適です。

凄くいい！ゆったり＆静かが生きる場面

理由は、速度が低い時にゆったりしていて、フワッとまでいかない小さなフワッとが、衝撃をオブラートに包んでくれる。
かといって、安っぽくクルマが揺れるわけじゃないのが快適な理由。

さらに低速時に最大のノイズ源となるエンジンノイズが相当に静かなのも効いている。両方合わせて市街地で快適です。

速度上げると硬さも出てくる

特にリアサスペンション。速度を上げて入力が強くなると、硬さが出てきます。前述のオブラートの領域が弱まり、硬さを感じやすくなる。

サスペンション自体の質は良くても、この領域では安定性を取っているのでしょう。リアサス硬いのがホンダ車らしいところです。

ボディやシャシーが、いくらノイズやバイブレーションを出しにくいといっても、ガチンとくる時には限界がある。
ホンダ車の中では快適だけど、それでも荒っぽさを感じる場面はあります。

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※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。

静粛性、目で見てびっくりした点

ZR-Vの静粛性は、低速時に高く、速度上げると標準的か低め。低速時はエンジンが静かで、ハイブリッドより静かなんじゃないの？って感じるほど。
エンジンが回り続けるガソリンモデルながら、回っていても静か。ターボが消音器としての役割しっかり。直噴のパチパチしたノイズ以外、気にならないほど静かです。

フロアの下にフェルト系の防音材

目で見てびっくりした静粛性対策、いくつか発見しました。まずは車体下にフェルトっぽい防音材が貼られてました。

場所を表すと左の写真でこのまま前進。かがんでフロア下を除いた場所。

こんな場所に内装で使われる部材が配置されていました。雨の日の水たまりとか、雨音の低減が期待できます。

凝ったエアインテークホース

エンジンが空気を吸う音は、中回転以上で目立ってくる大きなノイズ源。ZR-Vでは凝った作りのインテークで打ち消してる様子。

左の写真で明るく残している部分がエアインテーク部分。

くねらせて抵抗増やし、立体的に広げてつぶして。考えらこまれたように複雑な形状をしています。
抵抗はターボのチカラで吸い込んじゃえばいいやって感じかな。

走行中は踏んでも踏まなくてもエンジン静かです。

排気音も控えめにマフラー（サイレンサー）

下回りを後ろから除けば、中央のサイレンサーから分岐してメインサイレンサーが両側に一つずつ。見た目凛々しく機能性もバッチリ静か。

ZR-VのグレードZはバンパーにビルトインされるマフラーカッター（ビルトインエキパイフィニッシャー）。

排気も空力に使ってそうなイメージがかっこいい。

フロントのシート、注意点いくつか

ZR-VのグレードZ、本革のパワーシートと書かれるフロントシートについて。個性と注意点があります。
パワーシートはポジションメモリー機能付きの6wayもしくは8wayと呼ばれるタイプです。

硬い革シート、耐久性高そうだけど...

座面の革は硬く、ゴリッとしたタイプ。間違ってもしっとりした革質じゃありません。

筆者は輸入車（VWシロッコR）で経験があって、耐久性が高そうと思わせるタイプ。擦り傷や温度変化、雨を気にすることなく、適当に使えて気を使わないのが特徴と思われます。

ただ、座っても触ってもゴリゴリしてます。

パワーシートにランバーサポートコントロールなし

パワーシートは6wayもしくは8wayのタイプ。シート前後、シート上下、背もたれ前後で計6つの動き。座面が前後独立しているのでこれを入れれば計8つの動き。

なにか足りない。そう、ランバーサポートがありません。
背骨を支える膨らみの調整ね。

高い位置が張り出してあちこち浮く

調整が不可能でも、元の作りがよければ気にならないはず。でも筆者の体型や好みとは異なりました。

理由はランバーサポートが高い位置で張り出しているので、腰の部分が浮きやすく、または肩の下が浮きやすい。せっかく大きなシートバックなのにもったいない。

肩が浮くのは、素早くハンドルを回すのを邪魔しないから、緊急回避とかスピン回避になればメリットに。ただそういう状況って稀の稀。そこをどう考えるか。

前を上げて、後ろを下げて

腰を押し込めばオヘソが前へ。前傾姿勢で疲れやすい姿勢に。オシリから太ももまでチカラ入っちゃうからね。
なので、座面前方を上げて、座面後方を下げて、サポートを増すことで快適性が高まりました。

ZR-Vのシートリフターはメーターやダッシュボードを基準にすると、高い方に大きく動く感覚。包まれ感より開放感が意識されたデザインと感じます。

本革シートらしいけど実際はコンビシート

ZR-Vのカタログには本革シートと明記されるものの、実際は本革と合成革のコンビシート。クルマが新しい時、革の香りがしました。なので本革なのは間違いなさそうだけど...。

触った感じから、中央部は本革、サイドは合成革と思われます。

本革の部分が固く加工されているから、違いがわかりにくく、革製品全体でレザーとフェイクレザーの差が無くなってきているから、そう意識することでもないんだけどね。

付け加えると「グレードX」のステアリングは合成革となっています。「グレードZ」では本革（スムースレザー）と記載されます。

リアシートの乗り心地や静粛性

ZR-Vガソリンモデルの後席快適性。リアシートでの乗り心地や静粛性について。

後席もシートが人を選びそう

フロントシートだけでなく、リアシートも座面や背もたれが硬いです。

スペースや着座感は内装のページで触れますので、ここでは乗り心地に関していうと、ゴリゴリ感がしっかり伝わってくる。

リアシート着座姿勢もそこまで優れたものではないため、硬さが気になりやすいというのもあります。

後席での乗り心地

乗り心地はフロントシートより硬さを感じやすく、でも他のホンダ車と比較すれば優れた乗り心地。

後席での静粛性

静粛性も、ZR-Vはエンジンが静かだから、フロントシートの方が静かです。車体下部も凝っているZR-Vですが、リアシートだと標準的か、ハリアーやCX-5に劣る静粛性です。

静粛性は動画撮影して、リアシートで語っているとよくわかります。声とノイズのバランスしかり、周波数特性的な特徴しかり。

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評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部画像は拡大します。

動画：ホンダだけど高くないZR-V

クラスにあった価格、ライバルと揃うZR-Vの価格。ホンダだけど高くないというコスパについて語っています。

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