間違いいっぱいの自動車選び。2代目ミライースの試乗レポート。
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ダイハツ「Mira-e:s(ミライース)、グレードは「L SA3」、2代目LA350Sです。試乗車は2019年式。
先代となる初代ミライースのインパクトは凄かった!最安75万円という価格に上級志向の内外装。走行性能だって、同世代の軽自動車に大きな引けを取らず。「原点回帰」というコンセプトに忠実どころか、完全に上回る内容に脱帽でした。
良い意味でコンセプトをぶっ壊してくれ、さらには安かろう悪かろうにはならない事を証明してくれた初代ミライース。
この2代目ミライースは逆の意味でちょっと残念に思う部分が。
ミライースのラインナップを見ると、流行の安全装備をウリにしている様子。でもなかなかメリハリが...。
「SA3」というのがそれで、最廉価グレードから用意され、内容は衝突軽減ブレーキに始まり、オートハイビーム、車線逸脱防止アラーム、クリアランスソナーなど盛りだくさん。
試乗したグレード「L」は下から2番目のグレード。
電動リモコンドアミラーが省かれ、シートリフターもなく、どんな身長のドライバーでも視界と見切りは良くない。しかもバックミラーのフチはテカテカ。
筆者は最近、運転しやすさが超重要。緊張こそ考えられない操作の元凶と思うのね。アクティブセーフティな装備が用意されるのは嬉しいんだけど、本質的な部分から統一感が欲しかった。
営業面に向きすぎでしょ??もうちょっとなんとか。何かを省いて安全装備というならね。
加えてターゲットは超明確。両親にプレゼントするのなら、ミライースは選ばないかな。なんか老けちゃいそうw
軽自動車はみんな一緒。そんな時代もあったかもしれないけど、今や車格ピラミッドが明確になってしまった。
軽自動車の中でランク付けがはっきりと感じられる。
みんな一緒なら一番安いモデルでも一緒。違いは最小限。しかし差が広がれば、わずかな差額をプラスすると良いものが...その繰り返し。
やっぱり上手いよね。メーカーにとって美味しいモデル、グレード。売りたい車種etc. なんだか相対的に、ミライースの魅力が下がったような気がしてしまう。
ボディデザインってやっぱり、購入の大きな決め手。先代ミライースと比較するとプレーンという印象が強い2代目。
コンパクトカーのボディデザインって、変に高級感が意識されるより無理してない方が好ましい、そんな話をよく聞きます。
今回はそんな流れ。加えて目ヂカラも強い。安っぽく見えるってウワサも目にするけど、こういうのも良いんじゃないかな。数年経過した時に古っぽく感じない予感。
左の写真は、テールライト周辺の大きな個性的な部分。カーボン的な模様が施された樹脂製で、かなりの遊び心が表現されています。
※価格94万円、快適装備少なめで安全装備が充実したグレードです。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
同じダイハツの兄貴分、ムーブの存在感が強い!
ムーブを試乗して感じる魅力は、走りやすいハンドリング。ペースに関係なく、乗車人数に関係なく、そして万人に向いたキャラクター。クルマ好きだけが喜ぶ特性じゃなくて運転しやすい。
価格差は約20万円。グレード名はレポートしているミライースと同じ「L SA3」。
ミライースの上級グレードを狙うか、販売上の条件が異なれば差はわずか。走りやすさは余裕に繋がり、疲労も少なく、ひいては安全につながるはず。
ミライースとムーブ、内容は価格差以上に差が大きいと思います。
最もたるライバル、スズキのアルトと簡単比較。
価格はほとんど同価格、違いはメーカーだけともいえるアルト。しかしキャラクターは180度異なる。どういう尺度で評価しても、同じようなクルマとは思えません。
ミライースは旧来のトヨタ車的上級志向で、高級感をアピール。一方アルトはダイレクト感を重視した乗り味で走りやすさに魅力。
初代ミライースvsアルトエコの時は、ミライースに魅力。しかし今回は熱意という部分でアルトをプッシュしたい。乗り心地はパッツンなんだけど車体レベルは一枚上手。どちらかといえば若々しさも感じるし、乗り心地に耐えられればアルトがいいんじゃないかと。
あとはボディデザイン。筆者の周囲ではアルトのボディデザインは苦手という意見が多く、筆者も同意する部分。大きな問題です。
なんかもう、アクアやプリウスに迫る燃費にびっくり。開けた田舎道では26km/L、27km/L台がラクラク表示される。高価なハイブリッドは要らないんじゃないかと思ったりも。
試乗中、車載燃費計に表示された数値をまとめます。
条件の良いルートが多かったと前置きしつつ、燃費はとても良好だと思いました。筆者の日常だと25km/Lあたりになりそうな結果。
先代ミライースのデビュー時は20km/Lで驚いた記憶が...。時代が違うから絶対的には驚く数値じゃないけど、ご近所メインの軽自動車ということを考えるとやっぱり凄い!月に100km走行したとすると、ガソリン代は500円か1000円。そう考えると半端ありません。
タント(カスタム・ターボ)に試乗した時の参考燃費。
記憶が正しければ、田んぼも見える道路や山道メインに試乗したと思う。
細かな条件は忘れちゃったけど、条件良くてこの燃費。17,5km/Lという写真が残ってます。
同じ軽自動車でも大きく異なる燃費というのは最近の傾向。ただ燃費以外も大きく異なります。
最近のトヨタ式ハイブリッドシステムを搭載した2018年式カムリ。
こちらは現在所有するカムリの燃費。バーの伸びているところで30km/L、低いところで9km/Lあたりが表示されている。
条件は、所有しているということでクルマに合わせて走行可能というのがデカイ。そして良い時はミライースの良い時と同じような道と交通状況。悪い時は混雑する市街地の走行時。
ミライースとカムリだと、価格は300万円くらいの差。経済性で選べば圧倒的ミライース。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
総合評価はちょっと残念。理由は軽自動車全般がレベルアップし、結果、軽自動車の中でのランク付けが明確になった。
それにより相対的にミライースのお得感が微妙に。
あとちょっと出せばムーブを買える、みたいなね。そしてこの差がでかい!
もしくは、運転好きならアルト押し。これは初代ミライースvsアルトエコの逆転というところかな。2代目ミライースには初代ほど気合を感じられないというか、見かけによらずアルト立派。
商品企画的にどうしても気になるのは、「視界の悪さと視界に関する装備をおざなりにしつつ、目を引くアクティブセーフティな装備で安全をアピール」している点。ちょっと軽薄、いや営業を向きすぎてません?
とはいっても、ボトムレンジのベーシックカーに特徴を持たせているのは魅力的。こうしたクルマが売れることで、自動車の高額化路線に歯止めをかけてほしいと願います。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。