自動車の為の比較・評論・メーカー別の特徴

2000年記事 ホンダ

プレリュード(BB4)試乗

間違いいっぱいの自動車選び。試乗レポートはBB4/BB1プレリュード

比較と辛口評価の試乗レポート

「BB4プレリュードの自動車比較」

ホンダ
  • グレード:“spots stage ver.R”
  • 年式:平成7年
  • 型式:BB4
  • 車両価格:-
  • デビュー年:-
プレリュード内装

4代目の後期モデルでエンジンはH22A、ミッションは5MT、グレード「スポーツステージ・バージョンR」

大人気のプレリュード、人気だった先代プレリュードのイメージを全く残さない、イケイケホンダの気合入ったモデル。

ライバルより大きな横幅のスタイリッシュボディ、内装デザインも近未来的でスペシャリティ感強い!見た目も走りも特徴際立つモデルです。

人気の無かったプレリュード

プレリュードのリアプレリュードといえばデートカーというイメージが非常に強く、スポーティというよりスペシャリティなクーペ。

スペシャリティとは非日常的。悪く言えばカッコだけなスポーティだったわけです。

先代までは、ね。

今度はスペシャリティ+スポーティ

先代まではそうでした。でも今回の4代目プレリュードは違います!

スペシャリティ+スポーティ。特徴的なボディデザインに内装デザイン、内容でも素晴らしいエンジンに切れ味鋭いハンドリングで気合十分。イケイケなホンダらしさを存分に味わえるモデルとして登場しています。

後期バージョンRは鋭すぎハンドリング

特にこの「バージョンR」というプレリュードは非常にスポーティ。安全安全てダラダラとしたハンドリングとは全く異なります。
サーキット走行など高速域ではピーキーと思えるほどの切れ味。怖くてビビっちゃうほどのハンドリングを見せてくれます。

話題性と印象も強い

アイルトン・セナのCMや後期からでるバージョンR、かなりのオーバーステアでキビキビと走るセッティング。従来からのキャラクター&イメージを全く変えました。

時代が問題だったと思いたい

内容素晴らしく価格も適度。こんなに素晴らしいのに人気はイマイチ。

理由は、クーペ不毛の時代にデビューしたのが唯一にして最大の難点といわれますし、そう思います。時代が違ったら大ヒット間違いなしだったと思います。

スタイルも走りも特徴満載

このプレリュードの特徴は「切れ味、高級感、上質感」。過剰な高級を求めなければ、実用性以外の全てを満たしてくれます。

まず内装ですが、字発光式メーターとデジタルメーターと組み合わせ、ワイドで近未来的なデザインと、厚みのある軟質ウレタンを使ったインストパネルに、何よりも分厚いドアパネルなど、立体的で高級な作りです。

リアシートはRX-7と同程度で、誰も座れません。しかし前席優先の姿勢はぶっ飛んでます。前期型はなんと!サンルーフが標準です。

刺激も質感も優れたエンジン

プレリュードエンジンヘッドプレリュードのエンジンは他にないほど最高の4気筒エンジンと思えます。

クルマは軽いしギヤ比もいい感じで、パワー感強い。3000ccと同程度の加速性能とタイムまでたたき出す。

さらにS2000のエンジンにもにもひけを取らないほどスムーズで質感良好。そしてそれ以上に低回転トルクが強く、ロータリーみたいにスルスルと回っていき、直6エンジンに近い響きのすばらしいエンジンノイズ。

ほかにはないほど優れたエンジンです。BMWが世界最高の6気筒なら、ホンダのH22Aは世界最高の4気筒でしょう。

タイプR系のF型と比較

シビック&インテグラのタイプRシリーズ、あちらのエンジンである設計の古いF型より、総合的な魅力は上と感じます。日常での質感、トルク特性、切れ味、尖っていながら欠点が見当たりません

タイプRシリーズのF型VTECは、超高回転域である7500回転以上が魅力。VTEC切り替えの段付きも強く、刺激は強いです。
それを除けばプレリュードのH型が勝り、素晴らしいエンジンと評価できます。

サスペンション、ハンドリング

プレリュードの足回りは様々な仕様があるといわれています。グレードごと、マイナーチェンジごとにいろんなタイプのセッティングがあります。

筆者が購入した後期型「スポーツステージ・バージョンR」では純正状態でけっこうなオーバーステア。前輪駆動車なのにリアタイヤが滑りやすくピリピリ。さらに滑り出しちゃったらピーキーです。

高速域で刺激的

キビキビとスポーティ。しかしその分、速度上がって時速100km以上では神経質でもあります。(グレードはスポーツステージver.R)。

サーキット走行で、ターンインでスピンしたこともあります。旋回ブレーキで行き過ぎると、スパッとリアがでます。

慣れないと繊細なリアタイヤ

そういう運転をしてるわけですから、リアタイヤが滑る事自体は当然。ただ、ボディ剛性が低いからコントロールしにくい。そんな感覚を受けます。ハイグリップタイヤを履くと特にあれです。

それでも刺激という面から評価すれば、スポーティといえることには変わりません。エンジンは非常に精密、それなりに速く、コーナーではアンダー出しながら全開というクルマよりは面白いと思います。

最悪のガタガタ・ブルブル感

運転して気になるのは乗り心地の悪さ。サスペンション質感というより、ボディの安っぽさが強いです。

サスペンション質感的には、ショーワ製ショックアブソーバーでそんなに悪くはありません。でも、実際の乗り心地は悪い。かなり悪いです。固いというより安っぽい。クーペらしさというよりオープンカーらしい乗り心地。

ブルブルのボディ剛性でもう、乗っていると空中分解しそうな感じw ハーシュネスがひどく、静粛性も低いから乗り心地の悪さを強調。フラットな道でもとんでもないロードノイズが入ってきます。

14シルビアや185セリカ、70スープラ、32フェアレディゼットよりはわずかに上質な足回りかもしれませんが、ボディが最悪。

はっきりいってデートは気合です。体に振動を感じる度に、クルマにダメージがないか心配になります。クルマが心配でデートどころじゃありませんw

快適性でもノイズが会話の邪魔になり、長時間だと疲れてしまいます。やはり、サイズからは考えられないほどの軽量ボディがいけないんでしょう。

サスペンションを変えてみる

筆者はサスペンションをいろいろいじってみました。

3種類のバネ(スプリング)を切ったり、ゴムを調整したり、ビルシュタインのショックアブソーバーに変えたり、テインに変えたり、いろいろやってこのプレリュードを運転していました。

行き着いたのはビルシュタイン

行き着いたのはビルシュタインのショックアブソーバーに、プリロードを低くしたスプリング。やはりビルシュタインはいいですね。乗り心地に”多少の”質感を感じることが出来ます。
(元がアレなんで、すごく良くはならないです)
ストラットタワーバーやロアアームバーなんかも試してみましたが、それより断然効果を感じることが出来ます。あれは無駄遣い...だった気がします。

このビルシュタイン、現在はセミオーダーのような感じで、エナペタルから販売されています。本家から出ていない車種が出ていたりします。

このショックアブソーバーに変更すると、伸び側の減衰力が上がって、車体が伸び上がらないのは、まるでベンツやBMWといったヨーロッパ車の様。そして初期から減衰力が発揮されて揺れもぴたりと収まります。

そして最も重要なのは固くてもしっかりショックが動いてくれること。少しでも上下しているのがドライバーに伝わります。

この辺りは、構造の違う車高調の方がさらに良いです。20万円クラス以上の車高調なら、すべての質感が上がると言っても過言ではありません。

※車高調はバネとショックが同じ角度で組み合わされます。純正は角度が少しオフセットされています。


シャシーがしょぼくても、なんとか乗れる位になってしまうビルシュタインは、やはり高いだけのことはあります。

ビルシュタイン以外でも、単筒式ショックアブソーバーで減衰力の調整できるものは質感高いものが多いです。
それから、ダウンサスを購入してバネをカット。プリロードをゼロにするのも乗り心地に関してはよかったです。

意外といいマニュアルミッション

シフトチェンジ操作の構造は駆動方式によって異なる部分があります。

FF(前輪駆動車)マニュアルミッションは、ワイヤーを介してシフトレバーに繋がります。FR(後輪駆動車)の直結とは異なり、ダイレクトなタッチより快適なタッチの場合が多いです。

プレリュードはFF車ですから、マイルドなワイヤー連結タイプ。
これが意外と、良い仕事してます。

良いと感じるのは適度な立派さと適度な剛性感。質感良好と感じられます。ショートシフトショートストロークで適度な節度感あって、ライバルFR車のような振動がなく、ブルブルしません

さらに多少入りが悪いため、回転数がしっかりあっていないと入りません。これが逆に、回転があっているのがわかりやすい。

とにかく切れないフロントタイヤ

これはトラックか?と思うほど小回りが効きません。全長は短いプレリュードなのに、ビックセダンの方が運転が楽です。まとめると、すごくいい部分と、すごく悪い部分が極端ですね。実際に購入しづらい車です。

小回りが効かないといっても、フロントガラスは大きく、見切りはいいです。横幅もあるので切れ角が少ないのは?なんですが、原因は前後ダブルウィッシュボーン型式だからかもしれません。そういえばホンダの大型FFって、みんなそんな感じです。

シートポジションを低くする方法

プレリュードの内装は開放感重視のため、包まれ感はあまりありません。なので、シートを下げて包まれ感を得たいところですが、バケット+ローハイトシートレールに交換しても、実はあまり下がりません。
筆者は所有していたクルマではシートのスポンジを抜いてローポジション化しています(いわゆるアンコ抜き)。プレリュードでも試しました。
効果はもちろんバッチリ。シートポジションが低くなります。さらに左足はサポート部分をカットするなど、好みに合わせて作ることが出来ます。

サーキット走行では、お尻がシートから落ちそうになるくらいの横Gがかかりますが、これなら多少耐えることも可能です。

ワンタッチで助手席を寝かせる!

プレリュードの優れた魅力。それはワンタッチで助手席シートを寝かせること。運転席に座っていながら、助手席わきにあるレバーを引けば、あらまというほどスンナリ助手席がいっぱいまで倒れます

さすがデートカーといわれるだけの事はある。これは他のクーペにも付けて貰いたいくらいの優れた装備。この装備の為にプレリュードを選ぶのも全然ありでしょう。

どれくらい素晴らしいか、実際に筆者は試しました。お相手は5人か6人か7人か。それくらい。
景色のいい場所にいって、ハナシでもしていきなりシートを倒せばそれはもう、皆様「きゃあ」といって下さいます。特にお姉様系だとこんな声が聞けることは滅多にない
プレリュードはフロントは広いので、そこからなんなく助手席足下に移動できる。できれば先に靴を脱いでおいて、小柄な女性だと完璧です。
試乗車ではないのでご安心を。また中古車では特別な分泌液が付いてないか要チェックを。

とにかくスムーズに出来るのが嬉しいプレリュードならではの装備です。

ライバルと比較

プレリュードの価格はスキマビジネス的な設定です。そのためライバル車は多く、ミドルクラスクーペの上級グレードから高級クーペの下級グレードまで。

標準グレードならシルビアやセリカとバッティング。そうするとプレリュードが最もお買い得ですね。

DOHC-VTEC搭載グレードだとスープラやフェアレディZ、GTOのNAモデルが価格的にもキャラクター的にも近いです。(プレリュードはエアコンオプションなどがイタイ...)

それら高級クーペと比較すればお買い得度は低いですが、燃費よく税金安く、ランニングコストは最も安いです。シルビアクラスからフェアレディZのちょうど中間という車格と価格をもつプレリュード。あのエンジンを味わってしまうと、決して割高ではないと感じるはずです。

ホンダ プレリュード

本田技研

BB4 prelude (プレリュード)

  • 試乗グレード:“spots stage ver.R”
  • 型式:BB4
  • 年式:1995年
  • 排気量:2200cc
  • エンジン型式:H22A

車両型式

  • BB1 : DOHC-VTECエンジン、4WS
  • BB4 : DOHC-VTECエンジン
  • BA* : ノーマルグレード
試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
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適合バッテリー

プレリュードのバッテリー適合詳細


プレリュード

BB4 - H22A 2200cc 1991年〜
80D26L

プレリュード

BB1 - H22A 2200cc 1992年〜
80D26L

 
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比較評価
エンジン質感 5段階評価
駆動系質感 5段階評価
足回りの質感 5段階評価
内装の質感 5段階評価
外装の質感 5段階評価
快適性 5段階評価
お買い得度 5段階評価

プレリュードのリアシート

プレリュードエンジンヘッド
ヘッドカバーを開けた状態。この状態でタペット調整が可能。

プレリュード
インナーサイレンサーを入れないとちょっとうるさい。でも近所迷惑なほどでもない。

ストラットタワー
エンジンルームから室内に配線を通す穴は複数あります。

プレリュードのリア

試乗や比較が難しい中古車も、より具体的なレビューでぜひ!
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。

特徴を明確に!写真もできる限り!

評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。

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