自動車の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」

(2005年記事 トヨタ MR-S
著者:ヒラリー)

トヨタMR-S試乗インプレ

試乗レポートはトヨタのミッドシップスポーツ、MR-S(ZZW30)Vエディション

比較と辛口評価の試乗レポート

「MR-S(ZZW30)Vエディション」

トヨタ
  • グレード:“V-edition”
  • 型式:ZZW30
  • 車両価格:-
  • デビュー年:-
MR-S(マニュアルトランスミッション)内装

MR-Sはエクステリアデザインが好みだったので、試乗車をお借りして約30qくらい試乗しました。
一緒の営業は知人。どこでも好きなところを好きなだけ走れます。新車の試乗車としては恵まれた試乗環境です。

ミッションは半自動マニュアル。クラッチペダルレスの2ペダル式で、シーケンシャルタイプのシフト操作でギヤポジションを変えられます。

どんなクルマ?

偉大なるMR2の後継として、特殊なクルマがトヨタから発売されました。

MR2は10%の夢と90%の妥協をカタチにしたクルマMR-Sは5%の夢と95%の妥協をカタチにしたクルマ

なんて、これら所有した知人の名言ですw

リヤミッドシップにエンジンをレイアウトする、後輪駆動のMR-S。スペシャルなボディデザインがなされたオープンカーです。

気楽で軽快さが強く、本格的なスポーツカー的オーラはありません。ただし、わかる人にはわかるという良さと特徴。初代ロードスターの持つ気軽さで、ミッドシップらしい?特殊なハンドリングを味わえるのがMR-Sの長所です。

外観はやっぱり背が低くて良し

やっぱりオープンカーは全高が低い!コンパクトで前項低いから、優雅さや余裕ではなく、おもちゃ的な雰囲気がたまりません。良い意味でね!

MR-Sは趣味用にクルマで実用性は最低限。極端に割り切られています。でも、運転が楽しいのはみな楽しい。普通の実用車だって気持ち良く走れば楽しい!初心に帰ればこれ。筆者の持論です。

MR-Sだってカローラだって楽しいのは一緒ですが、そうした実用車にはないフィーリング。これを味わえるのが趣味性強いクルマの特徴です。

とにかく軽量、それが特徴

MR-Sは軽量ボディを売りにしてるので、クーペやオープンから想像する質感はそれなり。特別な車=スペシャリティと考えると、そうした演出感は不足しています。気にしなければ普通に運転できるし、目をつぶって乗ればきっと、普通のクルマです。

軽量ボディのわかる時

軽さを感じるのは、加減速を繰り返す時。走り慣れたコーナーの多い道に行き、全開にしてみます。

すると、普通のエンジンの割りに加速感いいです。低速からの加速時、絶対的な加速力が想像より速く感じます。

自分が試乗したのは自動クラッチのセミマニュアルのタイプでしたが、時速80kmくらいまではストレスなく加速します。軽いってほんと素晴らしく、感覚的に2000ccのトヨタ・アベンシスと同等以上の加速感です。ライバルと比較すると、初代ロードスターのエンジンよりよさげ。なお加速感についてはギヤ比の影響も大きいです。

初期モデル・前期型のMR-Sでは、車両重量は1000kgを切ります。最軽量グレードで970kg。これは1800ccエンジン搭載車では断然軽量です。ヴィッツでいえば1000ccクラス。軽自動車でも800kgくらいあるのが現状です。

その分、質感という面では非常にチープ。シフトチェンジなどで挙動、ショックが目立ちますし、跳ね方も安っぽいです。エンジン音は室内にかなり響いてきますが、これは演出でしょうか。これぞおもちゃ!と評価するのが最適。もちろん良い意味です。

試乗レポート(ハンドリング)

MR-Sのハンドリングノーズがロールしにくく、ヨーの立ち上がりが早い。ブレーキの安定感も不安に感じることはありませんでした。

低速域では安定志向。高速域ではスッとリアが出て戻ったり、出そうな挙動からドキッとする時がありました。

いつでもスッ、って向きを変える様な、FFだとタックインしてる様なそんな曲がり方。ハンドル操作が雑になったり、ブレーキタイミングが遅れてしまったり、コーナーで横風を受けたり、そうした際の挙動変化がちょっと早いです。

速度が高い時、丁寧に乗っていれば軽快感強く、雑になってしまうとピーキーな印象。

サーキットで走るならもう少し安心感がないと自分には怖いです。スッと行ってクルッと行きそうなイメージ。

運転が上手い人なら違った評価が

MR-Sは筆者レベルの運転技術だと、楽しさがわかりにくいです。これが、運転うまい人だったらかなり楽しめそうな印象もあります。同じアンダーパワーでもマツダ・ロードスターだったら楽しさわかりやすいんだけどね。何が違うんだろう??

でもそういう方はもっと本格的なホンダS2000を選ぶことが多そうなイメージ。こちらはしっかり志を持って開発された感が高いです。
内容も立派で本格的すぎるスポーティ車です。高価なのがネックですがそれもまた、大人の趣味。

MR-Sは、さすがトヨタのフェラーリと呼ばれたSW20・MR2の後継車。もってるパワーなどスペック的にも、最初は面白くても飽きるのも早そうな気がします。

乗り心地と質感

MR-Sに試乗していると、乗り心地は常にフロアがカクカクブルブル。剛性感足りなすぎ。 サスも固く、車重も軽いために足回りもバタバタ。まるで一世代前のホンダ車に乗っている様です。

嘘かホントかわかりませんが、ヴィッツファミリーのシャシーとウワサされています。オープンに合わせ改良されているはずですが、これならガタガタブルブルも仕方ありません。MR-Sの価格を考えても納得せざるを得ません。

ボディデザイン

注目のボディデザインは、写真で見るとポルシェのように見える場合もあります。ワクワクしてしまうデザインです。

しかし実際は、価格なりと思える部分があってそうではありません。もうちょっと細部の質感が欲しくなります。遠目で見る分にはカッコいいんだけど、そんな印象です。

非常にスタイリッシュで魅力的という評価が多いし、筆者もMR−Sのボディデザインは好きです。これだけで買っちゃおうかと悩みました。乗り味が好みではなかったので買いませんでしたが、ボディデザインはNA、NB、NC、どのロードスターと比較しても魅力的だと思います。

2代目ロードスターと比較

クルマのキャラクター的に近い、マツダの2代目ロードスター。こちらはFR(フロントエンジン・リア駆動)と違いはありますが、ライバル関係だと思います。

比較すれば、ボディデザインと軽量感でMR-Sが筆者の好み。対してコーナーリングのマイルドさとブランドイメージ、それから独特の乗り味でペースを上げなくても運転している感が高いロードスター

サーキット走行だと、ゆったりとカウンターを当てて、ほんの少しリアを滑らせて走れるのがロードスター。対してピーキーで、そおっとリアを出すのが難しいMR-S。MR-Sの方はイメージですが。筆者など初心者レベルなら、ロードスターの方が事故の心配なく走れる予想です。

そして、MR-Sのリアサスペンションは、ストラット型式。そりゃ出来上がったものがよければサスペンション型式なんてなんでもいいでしょう。でもね、MR-Sの場合はちょっと微妙。「足回りの剛性が足りないのかなぁ?」とか、「動的なアライメント変化が大きいのかなぁ?」なんて考えてしまいます。

セカンドカーにぜひ欲しいMR-S

もしMR-Sを購入するならセカンドカーとして買うか、思いっきりスポコンチックにいじって乗るか、またまた自分に自身がある人なら、それならば、とってもかっこいいと思います。

トランクがない?

MR2の時には、狭いながらもトランクがありました。一台しかクルマを持てない状況では、なんだかんだいってトランクは重要。お買い物にも行きたいですしね。

パッとみ、トランクといえる場所がなくなり、シート裏側の便利スペースも無くなっていますが、シートの裏側にはちょっとしたトランクスペースがあります。

Sエディションでシートカラーを選択可能。Vエディションなら皮シート。モケットは滑りにくいという特徴がある

セミオートマは微妙な質感

セミオートマというか2ペダルMTというかシーケンシャルミッションというか、このミッションは、シフトアップの時は少し待ち、ダウンの時はブリッピングしてくれます。でもどうも回転があわないから、合わせようとしたらタイミングを見て自分でアクセル開ける必要もあったりします。

ブリッピング機能は回転数が合わない。「ボゥボーン」てな感じでシフトダウンするのでレスポンスだって悪く感じてしまいます。(実際に悪いわけではない)。

通常の3ペダルMTよりギクシャクしやすいのは事実ですが、工夫で改善できるギクシャクは、慣れというかコツを掴んで乗りこなす楽しみであったりもします。

トヨタ MR-S

トヨタ

MR-S (エムアール-エス)

  • 試乗グレード:“V-edition”
  • 型式:ZZW30

概要

  • 排気量:1800cc
  • 車重:970kg
  • エンジン型式:1ZZ-FE
試乗レポ・ライター

当記事は「ヒラリー男爵」がお届けします
ヒラリー男爵

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比較評価
エンジン質感 5段階評価
足回りの質感 5段階評価
内装の質感 5段階評価
外装の質感 5段階評価
快適性 5段階評価
お買い得度 5段階評価


陽気なイメージがよく似合う?


ホロを付けるとこんな感じ。


独立3眼メーター。アリストのようだ?


インパネ質感は最小限


ペラペラドアだが取っ手が付いている。

試乗や比較が難しい中古車も、より具体的なレビューでぜひ!
自分の言葉で!研ぎ澄ました感性で!

違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
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特徴を明確に!写真もできる限り!

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