間違いいっぱいの自動車選び。アクセラスポーツ(BM5FS)ガソリン「15S」。
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スポーツ=ハッチバックボディ。3代目のアクセラです。
試乗内容は限定的。第一印象重視です。
試乗したアクセラは1500ccのガソリンエンジン。型式は「P5-VPS」でスカイアクティブGと呼ばれる圧縮比が高められたタイプ。
カタログスペックで圧縮比13.0。マツダでは圧縮比14.0のタイプもあるけどこれは13.0のタイプ。
常時この圧縮比ではないらしいけど、カタログ値として見ればとんでもないスペックだね。
熱効率比較なんてわかりやすいネタだせば、誰にだってわかりやすいのに。古典的だけどブランドイメージは技術から、いや燃費レベルにわかりやすくなければ意味がない。圧縮比高い?普通はなにそれってなるよね。
ミッションは有段6AT。マツダご自慢かと筆者が勝手に思っている、現在お気に入りのミッション。少し前にデビューしたCX-5やアテンザのちょっぴり改良版らしい。
試乗してみての印象。新世代6ATということで走り出しはやっぱり滑らか。
ステアリングや足下、シートに伝わる振動も少なく、1クラス上の車種と遜色ない質感がとっても素晴らしい。
穏やかなアクセル特性でギクシャクすることなく走り出し、微振動も少なく滑らか。
このあたり、辛口に評価しても今までの1500ccクラスじゃない。外国車でもVWポロには大勝ち、VWゴルフにも勝ち。
アクセル開度一定のまま、ゆっくり時速60キロまで加速すると「ボーンボーンボーン」という音と共にシフトアップされていく。性能的にシフトアップにロスタイムが少ない自動MT(DTC)に近く、変速プログラム的にも似ている部分がある。
思ったより早いタイミングでシフトチェンジされるけど、加速始めでいきなり加速を切ってシフトアップされることはない。
加速Gの”急な切れとか谷”は意地悪にチェックしないと気にならず。大きな排気音でシフトアップされたのがわかる。タコメーターの表示レスポンスはワンテンポ遅れるようだ。
ごくごく単純にゆっくり加速を繰り返す。そこの印象はとてもいい。しかし交通におけるいろんなシチュエーションや趣味的要素を考えるとそこだけ良くたってダメ。このアクセラはどうだろう?
新しいクルマに対する違和感が減ってきたら複数の加速パターンをチェック。アクセルを全開にすればこれが想像以上に加速力が弱い。スピードメーターと睨めっこしても遅いし、ギヤ比的なこともあり体感上は特に遅い。
滑らかな印象から踏みしろが大きいと感じたアクセルペダルはハイスロットルのように底が浅く、もっと踏めるのかと考えてしまうほど。
エンジンの趣味性という部分でもフラットトルクで実用性最優先。盛り上がりは全く感じられない。回しても単にやかましくなるだけ。
また踏み返した際のレスポンスが悪く、燃費重視エンジンなのも想像させてくれる。過敏よりはいいんだけど。
そしてシフトプログラム。踏み方によって複数のプログラムがようだけど、これがなかなか極端で、判断に迷ってるような印象を受けてしまう。
アテンザなどと一緒。さらには手動でシフトポジションを選べるモードにすれば、こちらも変わらずレスポンス悪し。大げさに言うと操作して1秒後に動作みたいな。
エンジン&ミッション、楽しいクルマをアピールしているが、実用車以上の余裕はなし。他車より上級感を意識した実用的なアッパーコンパクトという印象を受けた。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
運良く10分ほどコーナーが続く道が走れ、交差点以外のカーブが試せた。しかも自身が知っている道。ディーラーさんありがとう!
アクセラ、ペースを上げると超がつくほど安定志向なのがわかる。ステアリングギヤレシオもゆったりしていて、慣れるまでは切り足らなかったり。
緊急回避運動を取ってみてもリアタイヤは真っ直ぐ進み続けているような印象。
フロントタイヤがキーキーいうような場面でももっさり感を感じるくらい。
こんな時、トレッド広いしダンパー伸び側が強いから、ロール感はあまりなし。きっと荷重変化も少ないんだろう。
ドライバーからするとグリップ無限大のゲームをやっているよう。余裕たっぷり。パッセンジャーに予め伝えておいてもビックリするほどだから、チンタラ緊急回避運動じゃないです。ついでにコーナーでももっさり。
わざと雑にハンドル回せば、メーター内に白いLEDが2つ点灯。どうやら各種センサーで運転を見張ってるらしい。先生、無駄なことしてるのはわかってます。普段はグリーンとかに光ってました。
スタビリティが高いのはいいんだけど、低速時にキビキビ感を演出して欲しいというのが筆者の好み。車名にスポーツとかグレード名にSとか付くからってキビキビを期待してはいけません。
リア安定こそハイレベル。でも低速でも姿勢をくずしたい時、サーキットでもあるよね。
コンパクトハッチで似たような車種、考えました。スズキ・スイフト(3代目)のベースモデルが近い感じかな。速度をそんなに出さない時とか。そういやスイフトも欧州風っていわれています。
アクセラ以前のマツダ車って、一部を除きドタバタしまくりのシャシーばかりだった印象が強い。
リアサス固くして安定、でもドタバタ&ボディからノイズが気になる。とか。
同世代のCX-5とかアテンザもそうで、とっても荒っぽい。すこ〜し荒れた路面でもう、ドタバタです。
同モデル複数台でチェックすれば確かに違いはあり、公表されない改良がされているのもうなずける(アクセラも?)。それでも程度の差こそあれど本質は変わってない。あんな立派なエクステリアを与えられたアテンザさえ、乗り心地は思いっきり安っぽい。
アクセラは違いました。CX-5とかアテンザより洗練されました。固めだけど衝撃の角を吸収してくれる。また、ダンパーの伸び側がかなり固く車体が伸び上がらないという特徴を持っているから、フラット感も強い。
サスが伸び縮みしないで衝撃減衰?ブッシュの容量が大きいのかな、とも思ったけど低速時には”カチン”なんて音もするし市街地では安っぽい。これは違います。
固めが好きならアクセラ、柔らかめ好きなら同世代のプレマシー。固めが好き、イイ響きです。プレマシーも減衰力調整できればバイアグラ効果w
相変わらず残念なのは連続するデコボコや荒れた道。ダンパーが渋くて追従性が悪すぎる。「ゴトゴトゴトゴト」って感じ。衝撃吸収しているのはタイヤのみ?なんて。
このあたりは昔のトヨタ車みたいといったら想像しやすいかも。
そんなアクセラ1500cc。グレード展開的にゆったり重視の街乗り用グレードかと思いつつ、硬派な硬さ。ラインナップ全体でコンセプトが貫かれているということなんでしょう。その分、誰トクなグレード?なんて疑問も浮かびます。
ここ数年くらいのマツダ車って、車格に関わらず直進性が良くて多車線道路でとてもラク。
フラフラするクルマで中央車線を走れば神経を使うけど、これがアクセラなら全然ラク。この良さを味わっちゃうと、神経使うクルマは運転したくなくなります。
中には直進性を高く感じさせるため、中立付近が極端に重くて、回していくと軽くなるなんてステアフィールのクルマもあるけどね。旧アクセラとか。慣れるまで非常に運転しづらい。
同じように真っ直ぐ走ってくれるのが7型ゴルフ。しかもステアフィールがかなり自然になった。交差点でハンドルを戻す感触は7型ゴルフの方が優れ、無意識に立ち上がっていける。
そのほか、アクセラほどわかりやすい良さはないけど、侮れないのがマツダ・デミオ。コンパクトカー随一の安定性を持ち、普通に真っ直ぐ走ってくれる。
これはデミオの1300cc売れ筋グレードでも、デミオ1500ccスポルトでも一緒。さらにこのデミオ、安定一辺倒のアクセラと違い、安定感とキビキビ感のバランスが良い!(リンク先は試乗レポ)
ゴルフとデミオ。デミオの1500ccスポルトはBセグメントNo1と思えるだけの走りやすさを持ち、思い通りに走りやすい。1500ccなら加速力だって悪くない。
走りも内装も質感こそ極悪なれど、思うがままに走りたいという欲求にはとっても上手な演出。アクセラより5年も前に発売されたというのが信じられません。
ホント、試乗してみないとクルマの良さってわからないですね。
アクセラ1500cc、静かかうるさいかって言われれば、とってもうるさいです。欧州車でよくあるサウンドチューニングのような感じなんだけど、欧州車以上に派手な音が聞こえてくる。
フロントからは盛大なエンジン音、リアからはマフラー音。一応、旧世代のマツダ車のように(例えば旧アテンザ)、リアシートが拷問だ!みたいな音ではないんだけど、何事もバランスが大事だと思います。
いくら耳障りな周波数ではないとはいえ、トヨタ車的な静粛性ではないから、トヨタ車が好きな方には受け入れられないと心配してしまうほど、マツダらしいキャラクターを持っています。どんな音??耳掃除してディーラーで試乗してみて下さい。
やかましいアクセラだけど、タイヤは静かな印象を受けた。その他の音がうるさいだけ?気になったので窓を開けて耳を澄ましてみた。
そうすると、やっぱり悪くない。装着されていたタイヤはTOYOタイヤのナノエネルギーという銘柄。エコタイヤ(低燃費タイヤ)ということだけど、これならいいんじゃない?
コーナーでスキール音が出るのが早いとかあるけど、それはクルマの特性だってある。だから新車を買ってすぐにタイヤを替えたくなるような可能性は低そう。
なお、空気圧の基準値は2.5キロらしいが、試乗時もっと低く感じた。乗り心地に大きく影響を与える部分ですが確認不足です。すみません。
マツダのアイドリングストップにはi-stopと名称が付いている。なんだか賢そうなネーミングです。
このi-stop、他メーカーのアイドリングストップより”エンジン停まらない”、システム。どんな時にも停止&始動を繰り返すクルマとは大違い。
i-stopが作動する条件の一つに、「停止中ブレーキを強めに踏んでいる」というのがあって、ドライバーの意志により選択が可能。
コンピューターが人間の脳にかなわない部分は、積極的に判断を任せてくれるわけ。考えながら運転していれば、エンジン停まって欲しくない時も必ずある。だからその都度選択させて欲しい。しかも簡単な操作で。
具体的にはこう。減速中ブレーキペダルを緩めつつ停止。そのあと、ペダル踏力そのままならアイドリングストップせず、ペダルを強めに踏めば、アイドリングストップの条件を一つクリア。
何でドライバーに選択権が欲しい?想像付かないような理由だってあり得ます。
例えばPCのハードディスク。電源ON-OFFの回数を減らして寿命延長。もしくはこまめに切って節電。利便性より丁寧な扱いを重視される方がいらっしゃる。クルマに関する想いもそれぞれ。たくさんの故障を体験されれば慎重になるってものです。
現時点で主観一番はその都度選択権をくれるi-stop方式。次点で新車購入時にオプションで選択できる方式(トヨタなど)。マツダの考え方には非常に好感が持てます。
多くの車種では、アイドリングストップを無効に出来るといっても、もエンジン切れば自動復帰。しかもスイッチ長押しとか煩わしい。日本車のみならず外国車でもそうだし、輸入車の中には坂道で下がっちゃうクルマだって。
上質な乗り味と安心のスタビリティを求めるとハンドル切る楽しみは薄くなる?「どんなクルマも楽しい」が持論の筆者でも心配になります。
最近ではトヨタが運転する面白さをコンセプトに取り入れると話題になっています。どんな形で具現化されるか楽しみですね。
面白みということならこんなクルマも。アルファロメオのジュリエッタ、相応の高級感を持ちつつ、ぴりりとスパイスのきいたハンドリングの持ち主。
ボディスタイルは似てる面があるけどこんな選択肢だってあります。3ペダルMTもラインナップ。
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アナログメーターは一眼。グレードによりスピードメーターだったりタコメーターだったり。
ラゲッジスペース。狭め。カーペットは高級車に近い厚手のタイプが採用されている。
マツダの公式HPより。1500cc、2000cc、ディーゼル2200cc。ガソリンエンジン2種の外観は似てそうだが、中身は結構異なるらしい。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。