評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。日産デイズルークス(2016y)の試乗レポート。
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日産の軽自動車、デイズルークス・B21A型。ルークスはデイズのハイト系。グレード「ハイウェイスターX」NAエンジン搭載車です。
デイズルークスは質感ある乗り心地が魅力的。それからハンドル切った時の曲がりやすさも魅力。加速感に不満あれど、ミッションをSモードに固定しての走行なら、走りやすい軽自動車といえます。
「背が高いハイト系にしては...」なんて前置きをしなくても十分なのが素晴らしいです。
乗り心地は固めだけど良好。”固い”と”引き締まってる”という言葉を使い分けるとすれば、デイズルークスの乗り心地は引き締まっている。こと衝撃の吸収性と運転しやすさのバランスならば、”質感高い”と言い表せる。
背が高くグラグラしやすい=サスペンション固い=ゴツゴツする乗り心地。これはデイズルークスには当てはまりません。
背が高いから固い、それでもグラグラするというのはホント。しかし運転席と助手席では、シートの衝撃吸収性も含めて乗り心地よし。単純に柔らかくて優しいんじゃなくて、引き締まってるけど乗員に伝える衝撃はよくシャットアウトしてくれている。このあたり、最近の流れに沿った乗り心地の良さ。
フロントシートに座っていると、リアサスペンションからの衝撃があんまり気にならないのもイイ。
前がゴツンと来た後に、お尻にゴツンと感じるあれ、普通は1名乗車では軽いリアから嫌なゴツンが来やすいんだけど、デイズルークスならそうじゃない。「ゴツンゴツン」が「コツンツン」って感じ。
軽自動車で目立つ横方向の揺すられ感。ハンドル切りながらの段差とか、片方のタイヤだけ段差を踏んだ時とか。この揺すられ感もフロントシートでは少なめ。ライバル車との比較でね。
ドライバーとしては頭上に大きなスペースがあって、頭の上が揺すられる感じはけっこうコワイ。それでもジワッと動くサスペンションが効いていて、着座の位置の高さを感じにくいというか、一昔前の軽自動車よりも揺すられ感は小さいんじゃないかと思えるくらいだから、今のところ良い方だと評価。
フロントシートではリアからの衝撃が気にならなかったのに、リアシートに座ったらそれなりにゴツゴツ。
普通に軽自動車らしいゴツゴツでやっぱりこれはシート座面の違い。フロントシートと比較すればリアシートのクッション性は悪いです。
もちろんデイズルークスに限ったことじゃない。タントなんて着座姿勢からしてデイズルークスより無理しなくちゃならない。こういうタイプの軽自動車であるから、シートアレンジとかなんとかで座面が薄くなったんだろうと予想。
N-boxは優しいタイプかつ動きやすいサスペンションで立派。クルマのブルブル感も少ない。
タントはBピラーレスという特徴があるからしょうがないのかな、特にターボ付きだとガタガタ凄い。あと上半身はタントがもっとも快適。
デイズルークスはゴツゴツするもののタントみたいにスクランブル警報鳴らない安心感w
デイズルークスのリアシート静粛性はフロントシートより良好。エンジンルームからの透過ノイズが小さいというのがいい。
デイズルークスは日常走行でもエンジンノイズがうるさいクルマだから、着座位置が離れているリアシートでは聞こえ方が違う。再発進する度に、交差点曲がる度に、グワングワンいうエンジン音から相当に開放されます。
リアのショックアブソーバーが柔らかい、何かポイントがあるのか、下から覗いてみました。
そしたら一つヒントを発見。ショックアブソーバーが寝た状態で取り付けされている。これは、アブソーバーの作動量を小さくしていると予想。例えばスプリングが1cm動く時、アブソーバーは5mmとか。
わざとなのか仕方なくなのか、いずれにしても特徴的なセッティング。軽自動車でリアサスが柔らかいって珍しい。人気のタントだってリアサスの質感は低く不快。
デイズのリアサスペンションも同じ形状で、乗り心地は優しい。
試乗したのはデビューから比較的すぐのデイズで、昔の日本車みたいにフワフワだった。短距離走行にピッタリな反面、長時間乗車では体に残るフワフワ感が強い。
デイズルークスの方が引き締まっていて、質感高いという表現ができる乗り心地。
これはムーブのリアサスペンション。
(2015年式・LA150Sムーブ「L-SA」)
普通な感じです。試乗しても普通で、フロントダンパーは立派だけどリアサスはダメダメ。
乗り味のキャラクターとしては軽自動車らしい感触が強い。昔ながらの軽自動車の延長線上というか、正常進化系というか。リアサスももうちょっと頑張ってくれたら嬉しいのにね。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)。
リアシートに座るとタントと同じような弱点が目についた。リアシートのスライド機構を利用すると、シートはギリギリまで後ろに下がるものの、着座姿勢の問題で使いにくい。
シートアレンジの関係だろうか。優劣付ければデイズルークスの方がマシな姿勢で座れ、タントの方がヘッドレストを伸ばさなくても座れるという特徴はあった。
せっかくだから一番後ろに下げたいリアシート。でもそうすると、良い姿勢で座れないというジレンマ。
左の画像。一番後ろに下げると真下にかかとを置けません。逆に足を伸ばすにはシート位置が高すぎる。上手く座れず。
右の画像。シートを中ほどまで前に出す。かかとを真下に降ろせて自然に座れる。ただし今度は太ももの裏にシートと接触しないスペースができる。シート位置が低すぎ。ただこの部分が、タントよりはマシ。気にしなければ大丈夫かも。
実際は右の画像みたいにセットしても、膝前のスペースは余裕。それにアシストグリップの位置も、この状態で握れる位置にデザインされている。
そんなこんなでシートが高すぎたり低すぎたり、シートアレンジってそんなに大事なのか気になるところ。販売に直結するなら仕方ない。
リアシートを目一杯後ろに下げると、頭はもうリアガラスの直前。軽自動車のリアシートって、ガラスが近くて安全性に不安を感じるんだけど、この手のハイトワゴンはその極みかもw
もし気が向けば、多少は前にスライドさせて座ってくださいね。
ご参考まで。左のN-BOXだと、スライド機構はなかったりオプションだったり。余計なこと考えなくてもいいです。
右はタント。前に出すとシートが低すぎ。膝裏にドリンク入るw 筆者の身長は172cm。特に高いわけじゃない。ターゲットは男性じゃないのかもね。
以前試乗した、比較的デビュー直後のデイズ(2014年式)と乗り心地を比較。数回の大変更が行われたデイズだから、同じ2016年式同士だったらわからないと注釈付き。
素のデイズは、最近のクルマとしては柔らかいサスペンションが印象的だった。
またデイズルークスと同じくフロントシートの衝撃吸収性が高い。そして同じようにリアシート座面は一歩劣るものの、リアサスが柔らかい関係から絶対的には悪くない。
そんな素のデイズを「優しい乗り心地」と表現すると、「質感高い」と表したいのがデイズルークス。
シャシーはデイズルークスの方が引き締まってる。スプリングだけでなくショックアブソーバーの減衰力だって高い。それでも路面からの衝撃はシート含めて気にならないレベルまでカット。より細かな振幅の、機関からの振動のほうが気になるほど。
質が上がったと思える部分は他にもあって、素のデイズで気になった車体のブルブル感はデイズルークスの方が気にならなかった。
いくつかの例外を除き、同じようなクルマで背が高くなれば、乗り心地は悪くなる傾向を感じるんだけど、ここでは当てはまらず。どっちかっていえば、車重が増して車格がアップしたような違いを感じる。
別の見方をすれば、より短距離走行に適しているのが素のデイズ。長距離対応っていうのならデイズルークス。
ただルークスの方は大きなエンジンノイズと付き合わなきゃいけないから、そこが難しいところ。そうなるとターボ付きエンジンかな。お財布がんばってw
ボディ幅が狭い軽自動車ではサスペンションが固いのは仕方なし。衝撃を吸収するのはシートの役目?
ペダルその他には路面からの振動が伝わる。そんな時も乗員に衝撃が伝わってこない。シートの上に正座しちゃえば、乗り心地はグッド!
つまりそう、シートが相当、衝撃を和らげてる!特に細かなゴツゴツのシャットアウトにはかなり効いてるんじゃないのかな。シートがプレミアムなタイヤと同じような役目をしてる。
これはデイズルークスのフロントシートに限っての話。リアシートは薄く、普通に衝撃がある。
別のクルマではレカロシートなど交換用シートを使うことも多い筆者、シートによって乗り心地に大きな違いがあることを実感している。単純な良し悪しだけでなく、得意な場面が異なっていたり、シート表地だけレカロなんていう純正オプションまであるから面白い。
スポーティというかクルマと対話して走りたい場合は硬いシートがよく。柔らかいシートではドライバーの反応が遅れちゃうことがあるほどだから、フカフカなだけが良いシートじゃないのをお忘れなくどうぞ。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
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評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。