評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。プレミオ(2014年式)の試乗レポート。
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トヨタ・プレミオ「1.5F EXパッケージ」です。
上質な内外装を持つミドルセダンが200万円級。トヨタ流の高級車感覚が身近な価格で感じられます。
デビューして約8年、ロングセラーモデルに試乗しました。
今回のプレミオは排気量1500ccで、エンジン型式は「1NZ-FE」。長い期間使用されていて、現在ほとんどのトヨタ1500ccで使用されているエンジン。
同じ1NZでも、10〜15年前のトヨタ車に搭載されていたエンジンと比較すると、見えないところが改良されているのだろう。もしくは車体の割に小さいエンジンで、アラが目立たないのかもしれない。
ガラガラとしたノイズは抑えられ、振動の高まりもそう大きくない。ただただ、中回転以上で4気筒らしいボーボーとしたコモリ音が大きく聞こえる印象が強い。
特製としてはフラットトルクタイプ。回しても伸びを体感出来しづらい。ノイズの高まりのみといった感じで、エンジンから伝わる気持ちよさとは無縁といっていいだろう。
また排気音、同世代のトヨタ車ではドライバーに聞こえる排気音だったり、わずかに欧州車のような歯切れの良い排気音が採用されてきているようにも思えるが、このプレミオは従来通りのトヨタ車的感覚。
筆者ヒラリー、プレミオで好みな部分それは「穏やかなスロットル特性」。ちょっと試乗すれば遅いクルマだなと思う方もいらっしゃるでしょう。しかし強い加速が必要ならもっと踏み込めば良いだけ。市街地での加減速から巡航まで微調整がしやすいと思う。
具体的には、信号停止からの発進時、比較的ゆっくりとした流れの時で”20〜30%”アクセルペダルを踏み込んで加速。CVTは2000回転辺りを使用する。
多少流れの良い幹線道路では、”50%前後”アクセルペダルを踏み込んで加速。CVTは3000回転あたりをキープしながらの加速となる。
排気量の小さなクルマでは通常、少しアクセルペダルを踏んだだけで大きくスロットルが開くタイプが多い。ちょっとだけアクセル踏んだだけで強く加速すれば、速そうに感じるからね。
軽自動車クラスではアクセル半分開けると実際はほとんど全開、そんなクルマも結構ある。そうしたスロットル特性を「早開き」なんて表現されるが、このクラスでも例えばライバルの日産シルフィ(1800cc)、などもこんな早開きタイプ。
運転しやすいようで実は神経を使うのが早開きタイプ。十分に神経を使い、丁寧にアクセルを開けないと飛び出し感を感じたり、滑らかでない挙動変化は同乗者に不快感を感じさせてしまう。さらには一定速度での巡航時、微妙なアクセル開度調整による燃費重視運転が難しくなる。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
CVTはやや旧世代的な変速プログラム。トヨタのCVTだから決して悪いわけではなく、マイルドでショックを感じさせない特性はプレミオというクルマにあっていると思う。
それ以外の変速に関する特性がちょっと古い印象ということ。
して特性とかキャラクターとしてはこう。おおざっぱに表現してみる。
低回転で回転上げてから加速というのは、よくラバーバンドと表現される特性。普通に加速しやすいCVTも出てきている中で、効率重視ということなのだろう。昔ながらのCVTのフィーリングだ。
意外と気になるのが4000〜5000回転あたりの中回転。アクセル全開時、変速しながら加速をしているようで、変速が先行する感じで高回転に繋がっていく。言い換えると速度上昇より回転数上昇が先行しているように感じる。
一定の回転数をキープし続けるCVTよりは不快度は低いとはいえ、決して気持ちのいい感じではない。2012年登場のカローラの方が走りやすいから、弟分の方が良いというとはちょっとね。
車両の個体差かもしれないが発進時、コツンとした衝撃がシートに伝わってくることがある。
気にならない方もいらっしゃるだろうという小さな衝撃だが、前述のラバーバンドと合わさり、発進が雑なように感じてしまう。扱いやすいスロットル特性を持ってしても、だ。
この衝撃と、穏やかで一定の加速感で発進しにくいというのが、ゆっくり丁寧に発進しようとすればするほど、逆に表れてしまうのがきつい。ジェントルに乗るよりガシガシ踏んでりゃ良いんだけどね。
プレミオの内装を見ていると、もっと上品に発進しそうなだから気になる。
逆にライバルのマツダ・アクセラ(1500cc)、3代目アクセラだけど、クルマが持つイメージ以上に滑らかな発進をする。従来までのマツダ者といえば、雑で不快な発進が特徴だった。それが大きく変わっている。ほんとはプレミオこそ、滑らかで不快感のない発進加速を望みたい。
車両価格200万円少々でこの立派な内装を持ち、運転席にはパワーシートまで付く。そんなプレミオだから走行感覚はある程度仕方がない、と思う。
運転してみれば、予想以上に昔のトヨタ車らしさが満点。トヨタのイメージそのままというわかりやすさだった。
助手席から乗り換え、始めてプレミオのハンドルを握った時、「ハンドルとタイヤが繋がってない!」そんな印象を受けてしまった。トヨタ車は最も乗り慣れているハズなんだけど...。
走り出して時速60kmまで直線を加速し、単純にそのまま巡航すること数十秒の出来事。
落ち着いて考えてみれば、ステアリング中立付近の反応が悪すぎる。反応が穏やかというわけじゃなくて、遅いのよね。中立付近がゆっくり穏やかに反応するタイプは好み。でもこれはちょっと違う。
このプレミオには「グッドイヤーGT3」というタイヤが装着されていた。おそらく新車時装着タイヤでしょう。
このタイヤはプリウスで有名になったタイヤ。そう、極端なエコタイヤだと思う。加えてアフターマーケットで発売されていないらしいから、偽物も本物もない燃費スペシャルだと思う。
グッドイヤーのエコタイヤといえば、中立付近の反応が悪いイメージがある。スポーティなイメージで市販されているLS-EXEなどでもそう。
だからこれ、プレミオの気になる部分を強調しちゃっている可能性がある。タイヤの銘柄変更したら、もしかしたら普通のトヨタ車レベルに落ち着くかもしれない。
中立付近の反応が遅い。また急な挙動変化でグラッと来やすい。ということは、快適に走るためには出来る限り手前から、ゆっくりハンドルを切り始めることが全て。普通の走る時でもコーナーではここに全力を掛けるw サスペンションの柔らかなミニバンと同じ感じだね。
またハンドルを切り始める時は出来るだけ、ブレーキを離している間に行いたい。ただしそうすると想像以上に手前から減速を始めることになるから、交通の流れを考えるとブレーキング途中でハンドルを切り始める事もやむを得ないかな、と思う。
プレミオを運転する時にはこんな感じでぜひ!そうすれば不快感は感じにくいと思います。
ここは皆様の予想通り。ショックアブソーバーの減衰力が伸び縮みとも非常に弱く、丁寧なハンドルさばきを心がけてもグラグラ感が強い。素早く操作したいのに!とか、ここでアクセル踏んだラインで走りたいのに!など、ガマンされられる場面が多い。
前後左右の挙動変化が早く大きい。それはドライバーにガマンを強いるか、乗員に不快感を感じさせるかのどちらかとなる。
エイやっていう動作は不快感に直結。だから手前から時間を掛けて目的の舵角までハンドルを切る。
アクセルペダルは離す時のレスポンスが悪く空走感が大きいから、時間を掛けて離す。だから、ちょこっと踏みたいけどガマンしなければ唐突で不快な挙動が出ちゃうとか、そんな事をメインに考えながら走る。
片側2車線や片側3車線の道路を走っている時、不安感を感じることってありません?筆者の場合はクルマによって、恐怖感を感じる時もあるし、普通に中央車線を走れる時もある。
「直線が走りにくい」って言葉が適切かはわからない。でも同じように感じる方がいらっしゃるかも。
何もプレミオに限った話じゃなくて、思い浮かぶところでウィッシュ/アイシス、ノア/ヴォクシー、日産ならキューブ、ホンダではフィットやシャトル。2代目フィットなんて高速道路で助手席に座っているだけで恐怖感を感じるほど。
様々な要因が重なってこうした印象を受けるんだと思う。実のところ、車幅感覚の取りやすいプレミオはマシって感じかな。星1.5点。
日常で扱いやすいブレーキ、これは非常に重要なポイント。プレミオはOK!
ブレーキペダル踏み始めの減速力、立ち上がりが穏やかで微少な減速をコントロールしやすい。サスペンションの減衰力が弱くてグラつきやすいのに平気だから十分。
筆者の場合、プレミオを始めて運転した時からすぐに、カックン!とさせずに停止させている。
集中力が切れてからも100回中99回はいつの間にか停止しているように止まっている。これは余計な神経使わなくてイイ!
逆に強めのコントロールにはコツを必要とする。ペダルは置くまでストロークし、ノーズダイブも大きい。だから体重が乗ってしまってノーコントロールになりやすい。こうなったら全リリースするしかない。
強めにブレーキを掛けて、奧で少しブレーキを緩めたいんだけど...。というのは難しい。体重が乗ってしまうと想像以上に足がいうことを効かないからね。
できれば腹筋で上半身を支え、ハンドルにも体重が乗らないように。そして左足で踏ん張ってからブレーキを掛けるクセが付けば良いと思います。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。