評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。プレミオ(2014年式)の試乗レポート。
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トヨタ・プレミオ「1.5F EXパッケージ」です。
上質な内外装を持つミドルセダンが200万円級。トヨタ流の高級車感覚が身近な価格で感じられます。
デビューして約8年、ロングセラーモデルに試乗しました。
プレミオを車両価格200万円前後の国産他車と比較してみます。
レガシィは大きく高価に進化、ということでスバルからはインプレッサをライバルとしてチョイス。
排気量1500ccの低価格モデル、細かなコトコトはプレミオ以上に拾うし、エンジンもそれ以外の音もうるさい。ブッシュ固めかつ、ショックアブソーバーの動き出しも渋い印象。
ただしいったん動き出してしまえば、”動くアシ”という今風のサスペンション。柔らかいながらも減衰力が出ていて走りやすい。
コーナーが続く道とか、市街地でのタイトターンではハンドルもアクセルもブレーキも楽しめる。
内装は素材感こそ優れているし、お金も掛かっていそうなんだけど、デザイン形状が無骨すぎる。なんとももったいない。
インプレッサには2000ccエンジン搭載車も用意され、安全装備でお馴染みのアイサイトが付いてくる。プレミオの内装にコダワリがない場合、インプレッサを選択すると余裕のある排気量とアイサイトが付いてくるわけだ。
走りやすさでインプレッサ、わかりやすい内装の高級感でプレミオ。
1番のライバルといえば今もシルフィかな?筆者、シルフィはディーラー試乗レベルでしか試乗していないため、詳しいことはわからず。
シルフィの乗り味は2012年デビューの新世代カローラに近い。プレミオとは違ってほどほどに固めなお味。エンジンは1800ccのみ用意され、飛び出し感の強いスロットル特性はコンパクトカーのよう。ゆったり感=高級と昔の基準で評価するならば、プレミオの方が高級。
また内装は黒やグレーの無機質な感じが特徴で、プレミオと比較すれば地味。ただし約210万円という価格を考えれば質感は良く、インパネからドアパネルへのつながり方は高級セダンのよう。
センタークラスター周辺はアクの強さを感じるがこの辺りが日産らしい部分。
静粛性はプレミオ同様高くないので、ここを求めればオーリスかカローラを選んだ方がいい。
カローラのライバルかと思いきや、1500ccエンジン搭載車でもプレミオあたりの価格となってしまうアクセラ。年代的に2代目3代目の新旧アクセラがこのプレミオとバッティング。
走って質感高いのは間違いなく3代目アクセラ。クルマの至る所から「国産車なんて敵じゃないぜ」というオーラが溢れていて、それがドライバーに伝わってくる。
例えば出だし、プレミオが「コツン」という小さなショックを伝えるのに対して、3代目アクセラは高級車のようにスゥ〜っと、滑らかに発進できる。4気筒1500ccのクルマから想像できるそれじゃない。
乗り心地は固くアラっぽい。それでも、横滑り防止装置が作動しても何事もなかったようにカッチリしている車体は上級感高い。いつでも大きな挙動変化が楽しいプレミオとは全く逆方向。
現在のトコロ、このプレミオと販売期間の多くを共有していたのは2代目アクセラ。こちらはクセの強いスロットル特性やステアフィール、ブレーキ感覚。筆者、1週間運転しても馴染めず。
スポーティと評価されることもあるアクセラだけど、思い通りに滑らかに走れないクルマをどうスポーティと評価して良いのか、大いに悩んだ。
内装は黒基調のデザインだったりプレミオより閉鎖感が強かったり、目指すベクトルが全然異なる。
なにも運動性能や快適性能だけが全てじゃない。そこは慣れる事もある。なのでアクセラが偉くてプレミオが偉くない、なんてことは全くない。方向性の異なるクルマなので、評価はイーブン。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
「安くて豪華な室内」、そんなクルマは他にはないのがプレミオだとすると、「安くて静か」、そんなクルマは他にはないのが2012年デビューのカローラ。
ヴィッツファミリーとなったカローラは旧世代から大きく代わった。昔ながらのゆったり感がなくなった反面、圧倒的な静粛性を持つ。
運転席、助手席、リアシート、どこに座ってもクラスを越えて静かなこのカローラ、静粛性に絞って評価すれば、筆者知る限りコストパフォーマンスは世界一!
また乗り味にゆったり感がなくなったといっても、アクセルレスポンスは穏やかに調教され、びっくりすることがありません。
静かならなんでもいい。そんな意見を良く聞く。車名は安っぽいけど気にしないならカローラに軍配。
プレミオとオーリスはどっちの車格が上?と悩むトヨタ・オーリス。価格帯が近く、プレミオのハッチバックがオーリスのように感じてしまうが、試乗すれば全くの別物。
オーリスはスポーティなイメージを全面に出している割に、意外と快適思考。サスペンションは柔らかめだし、静粛性も悪くないし、キビキビしているのはCVTの変速感くらいだったりする。
そんなオーリス、ベースグレードを試乗しても上質感はプレミオより上。そして走りやすい。限界性能が高い訳じゃないしタイヤも鳴きやすいけれど、始めて運転しても違和感を感じにくい。
それから乗り心地とステアフィールのバランスが良く、プレミオにはない長所。
新エンジンを搭載する上級グレードでは、そこそこに”今風の動くアシ”。ドタバタ感はあるのは残念だけど、トヨタ車にしてはアブソーバー減衰力が出ている割にストロークしてる感がある。挙動変化は大きいけれどゆっくり動く。ここがプレミオとの違い。
見た目と異なり、走行感覚はオーリスの方が車格感が高い乗り味。要するに立派。わかりやすい日本車的高級感を持つのはプレミオ。
走ってもよく似ている、プレミオのワゴン版がウィッシュかも。見た目全然違うでしょってそれはそうなんだけどw 価格帯も近い。
2代目ウィッシュ1800cc、デビュー当時のモデルは固くアラっぽい。もう商用車のよう。それが2年目のマイナーチェンジで一変し、乗り心地良好でプレミオより高いバランスを持つようになった。
(2000ccエンジン搭載車は固くて内装ミシミシ変わらず)。
またプレミオもウィッシュも、直線の走りにくさは共通。あまりにもレスポンスの悪いステアフィールも共通。長所としては上級車のように雑味が伝わってこない電動パワステも共通。
このプレミオが203万円で販売されていた2014年以前、ウィッシュ1800ccはサイドエアバッグや横滑り防止装置など付いて約180万円。値引きも期待できた。つまりコストパフォーマンスはメチャクチャ高い。
ウィッシュはプレミオどころか軽自動車並みに質感の低い内装に致命的な弱点がある。ここさえ良しとすれば若々しいイメージというおまけも付いてくるだろう。
コストパフォーマンスの高さやイメージで選べばウィッシュ。一方で燃費、筆者の走行パターンではプレミオ1500ccが勝る。あとは比較にもならない内装の質感でプレミオ。
プレミオの中級グレード以上を購入するなら、手が届きそうなマークX。
プレミオが203万円の時にマークXは240万円〜。価格差はキッチリ1クラス。でも内容は3クラスくらいの違いがある。
違いは普通のディーラー試乗ですぐにわかるだけの違い。買ってから気になるなんてレベルじゃない。
後から交換できないエンジンやミッションが異なり、マークXは6気筒+6AT。排気量の違いより大きなメカニズムの違い。試乗すれば違いは一目瞭然だろうし、乗り心地だって大きく違う。もうね、高級なフリしたベーシックカーと、贅沢品って呼べる高級車、それくらいの違い。240万円で高級感が味わえるクルマなんて、マークXくらいじゃないかな。
実際には装備の違いがあり、単純に価格差だけで比較するわけにはいかず。マークXでパワーシートなど求めれば車両価格270万円になってしまう。また中古車の場合、プレミオは圧倒的にお買い得。
ボディサイズと取り回し。本来FRのマークXの方がラクそうだけど、プレミオの車両感覚の掴みやすさが目立つ。プレミオはこの点で積極的にオススメできる。
見切りと取り回しが良く、コンパクトでありつつ内外装に高級車のテイストを持つプレミオは、ならではの魅力を持っている。高くて大きい方が立派なのは間違いない。本来ならマークXの圧倒的勝利といきたいところだけど、プレミオの購買層を考えるとプレミオ優勢。
それから維持費。大きな所では自動車税と重量税が1万円ずつ異なり、燃費はプレミオが16km/Lと表示されるような乗り方でマークXは12km/Lというあたり。
プレミオの魅力は内外装の質感。それをコンパクトかつ適度な価格で成立させているところがスゴイ。これぞトヨタ車的上級感、実車見れば写真より全然いい!
運動性能や快適性能だけがクルマの全てじゃない。座っただけで優雅なクルマ、いいじゃないですか。
逆にクルマとしての質感は厳しい。昔ながらのトヨタ車、そんな良さを味わえる。といえば聞こえはいいが、実際は旧世代のカローラと大差ない走行感覚。
静粛性は新世代カローラに負け、走行質感でプレミオのワゴン版といえるウィッシュに劣る。
トヨタのセダンと言えば、試乗せずとも購入出来る、「車格の安心ピラミッド」が特徴だと思ったけど、最近はそうじゃないらしい。
現代的なのは燃費性能重視な点。1500ccモデルに試乗し、タイヤチョイスなどに燃費スペシャルを感じた。ここは長所であり短所。タイヤ銘柄を変更すれば、快適性において改善される部分はあると思う。
評価は、200万円で”小さな高級車”といえる内外装が手に入る。反面、走れば昔のカローラと大差ないです、と。ローコストで高級感というコンセプト、とっても良いと思う。地味なクラスだからこそ、一芸に魅力。
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冬は静電気が心配なメッキ装飾のドアハンドル。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。