評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。トヨタ・プリウス(3代目)。2011年マイチェン後の試乗レポート。
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2011年12月のマイナーチェンジ後の試乗レポートです。2012年式のZVW30。前期モデルとは違った観点からお届けします。
試乗の際にチェックしたいポイント。
プリウスのステアリングには複数のスイッチが付いており、ここでエアコンの動作や液晶表示部の画面切り替えができる。
左の写真は、ステアリングスイッチ右側。
上の赤丸のスイッチで、全体的な画面切り替えを行う。ボタン長押しにも対応。切り替えは順送りのみ。
ハイブリッド動力の状態、総合的な燃費情報などを知ることができる。
下の赤丸のスイッチは、トリップメーターの切り替え。この2つはステアリング部分でのみ操作することになるから、プリウスを試乗する際にはぜひ参考にして下さい。
前期後期どちらも、プリウスの最廉価グレード「L」(217万円 )には運転席シートリフターがない!
(シートリフターとはシート上下可能な機構)
数名が運転席でチェック、結果、身長172cmを越えると運転し難いと思う。
何しろ、サンバイザーが大きく視界に入ってくる上にサンバイザーが近い!目の上のたんこぶじゃないけど、常にストレスを与えられている状態。この1点で、プリウスのグレード「L」は地雷認定。理由は以下。
ディーラーの試乗車が「L」って事は少ないと思う。予算の関係上どうしても「L」一択だとすれば、営業マンや整備士の所有車でも、系列の中古車店でもいいから必ず見て下さい。中古車といえば、通信販売の場合もチェックを強く推奨。
背もたれを寝かせれば、サンバイザーは遠くなるじゃない?ごもっともです。しかし強い横Gがかかると体が外側に動くわけで、その状態でもハンドルを回せないと不安が残ります。せめて大事な方が乗車する時だけでも。
買ってから気付いたってこんな事、あると思います。
そういや筆者の友人がディーラーでプリウス「L」の見積もりを貰った時にも、シートリフターについては聞かされなかったそう(試乗車のグレードはGかS)。
この場合、パッと思い浮かぶ施策は2つ。
市販のシートに交換する方法、例えばレカロ純正のスーパーローポジションシートレールなんて全然下がらないことも多い。場合によっては上がっちゃいます。探すなら、サードパーティ製のローポジションシートレール。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
単純にイニシャル+ランニングの総コストで選べば燃費重視の軽自動車が一番安い。しかしプリウスに興味があるということは、クルマって安ければいい訳じゃないはず。
プリウスの魅力はランニングコスト(ガソリン代)の安さ。一方でイニシャルコスト(車両代)は決して安くない。 そこに焦点を当てて考えると、お金がないわけじゃないけど質感より燃費が重視されているクルマ、そのあたりがライバル車として考える事が出来ると思う。
ホンダ好きならインサイト/CR-Z。
通勤スペシャルなら最適。トヨタのハイブリッドと比較すれば、簡易ハイブリッドなんていわれちゃうけど、ただのガソリン車より燃費良いのは間違いなし。
スバル好きならXVハイブリッドかインプレッサ。
XVはハイブリッドといっても燃費に過度の期待は無理そうだけど、アイサイトとの協調制御なんてギミックがある。車両価格はやや高め。
インプレッサは車両代安い。価格の割に上質感がある。
セダンボディが好みならマツダ・アクセラハイブリッド。
なんと!プリウスのハイブリッドシステムを搭載したマツダ車!こちら現在未試乗で詳細わからず。
アクセラ1500ccには試乗。マツダ車が値引きほぼゼロでたくさん売れてる!コレが全てを物語る。
プリウスにプラス100万円前後が上乗せできるなら、アコードハイブリッド、SAI/カムリ/HS、アウトランダーPHV、アテンザディーゼル。このクラスになればどれもが優れた特徴を持つのが魅力。ナビゲーション標準など標準装備の差で総支払額は近くなる可能性もある。
グローバルスタンダードと点からはVWゴルフ。プリウス側からは相手にしていないだろうけど、ゴルフ側からはライバル視しているはず。
最大のライバルのアクア。デビュー初期モデルのアクアはサスペンションが固く、走りやすいハンドリングはプリウスにはない魅力。
装備とオプションを考えると実際の総支払額は近くなりそうだが、うまく住み分けされている気がする。
装備と価格を考えると、バリューフォーマネーではプリウスの方に割安感を感じる。スマートキーくらい欲しいよね。
燃費以外の内容で比較すると、「より先進性を感じるプリウス」「全体的な上質感でプリウス」「車内スペースの広さでもプリウス」
逆に「自然なハンドリングという点ではアクア」。
好みや条件に合わせて選べる豊富なラインナップ、流石トヨタ様ですね。
モデル途中のマイナーチェンジで、アクアのサスペンションは真逆に方向性が変わりました。柔らかく動きやすい足になり、コンフォート性能が高まりました。その分滑らかなコーナーリングという面ではやや神経質に。
それでもクルマの総合レベルては向上しています。
プリウスの兄弟車にハイトワゴンルックな「プリウスα」がある。聞けばこちらも販売好調の人気車で、なんとプリウスの販売台数の半数近くがこの、プリウスαというではないですか!
(雑誌などのデータは、データによりプリウスの販売台数にまとめられています)
ということで、プリウスαも無視できない派生車種。
違いといえば、エクステリアはご存じの通り。インテリアは、素のプリウスとは全く異なります。洗練された印象の強いプリウスに対して、プリウスαは野暮ったい。上の画像はプリウスαの内装です。
素のプリウスと比較してもしなくても、7人乗りの方は高価なわけですが、こちらはバッテリーがリチウム系とのこと。リチウムイオンと公表されています。
このバッテリーこそ、他のトヨタハイブリッドと異なる優位点。一般的なニッケル系と比較すれば扱いにくい反面、エネルギー密度が優れていると言われます。
扱いにくさに関してユーザーが気にすることはなさそうですが、「リチウム系は過放電にものすごく弱い」というのが、バッテリーの基礎知識。もしかしたら、あまり運転されない方には向かないかもしれません。
軽自動車の実用燃費が上がり、より安価なアクアだってある。さらに同システムのアクセラハイブリッドもデビュー予定。故に経済性の高さだけでは語れなくなったプリウス。
実はマイナーチェンジで価格上昇しているし、最廉価グレードの「L」では実用上の問題があり、相対的に高価なエコノミー車になりました。
単純に230万円のクルマとして考えれば魅力は薄く、ハンドルを握った時の質感は低いです「ダウンサイジングだ!」と意気込んでプリウスに乗り換えれば、我慢を強いられます。
価格ではなく、素晴らしいハイブリッドシステムに主眼を置けば相変わらずの魅力。ハイテクなクルマを所有し、運転も楽しくなるのは間違いありません。燃費を伸ばすというゲームをしてる内に、目的地に着いちゃうことでしょう。プリウスのハイブリッドシステムに惹かれれば魅力あり。
プリウスは経済性の高さだけでは語れなくなりました。経済性が重視された他のモデルと比較し、ワンランク上級なハイブリッド車が欲しい方に向いていると思います。
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国産車バッテリー
ドライバーの目の位置から左右を見てみた。評価、特に右側、良くはないけど極悪じゃない。
リアの様子。上からバックミラー、バックモニター、直接うしろを見た様子。
薄暗い時間帯からはリアの視界は悪い。下部ガラスのスモークが濃い。
後期になりバンパーが大きく口を開いた。フォグランプが付くグレードでは口の中に配置。スモールランプ、ウインカーの点灯イメージ。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。