間違いいっぱいの自動車選び。ホンダ・WR-Vの試乗レポート。
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ホンダ・WR-V(DG5)グレード「Zプラス」、2024年式です。
WR-Vに乗って感じた乗り心地の印象。硬めながらも、動き方に質を感じます。
硬いか硬くないかでいったら、やや硬め。でも硬さを感じにくい質の高さを持っています。
サスペンションの動き始め、ショックアブソーバーが柔らかく、ゆっくり動かしてくれる領域があります。
同じ5mm動くにしても、素早くではなくゆっくり動いてくれる。なので、ピョコピョコではなく、ゴツゴツでもなく、じわっと。
これが重厚と感じる乗り心地に繋がります。
サスペンションの動きやすさはショックアブソーバー次第。WR-Vは動きすぎない範囲で衝撃を吸収し、伸び側だってピョコンとは伸び上がらず。
逆に質が低いと、動かないか、早く大きく動くかのどっちか。
「素早く動こうというチカラ」を「減衰力というチカラで落ち着かせる」のがショックの役割。ゆっくりジワッとをベストだとすると、棒の様とか、ピョコピョコし続けるか、唐突に抜ける部分があるとか。
乗り心地だけでなくタイヤを路面に押し付けるチカラだって変化します。
WR-Vを硬いというか硬くないというかの分かれ目。一定以上の入力になるとゴツゴツ感でますし、連続する段差ではバタバタします。
タイヤやブッシュというゴム系は硬そうですから、サスが吸収するレベルを越えてくるとゴツゴツ。
また路面追従性という面で、連続するとバタバタしやすい時も。
こうした路面では共振共鳴するノイズが気になってくることもあって、硬いという印象になると思います。
でも、割合でいったら硬くないと感じる路面が圧倒的に多いよね。段差ばかりの道とかそんなに多くない。
たまの段差だけで乗り心地悪いといったら、WR-Vがあまりにも可愛そう。
こうしたサスペンションの質にプラスして、他の要素も優れるリアシート。凄くいい!後述します。
例えば2024年までのフリードと比較すると、WR-Vが質で勝るかと。
後期フリードHVと比較すれば、フロントサスの質は同レベル、リアサスはWR-Vが勝る。
後期フリードガソリンと比較すれば、全般的にWR-Vが勝る。
フリードは乗車定員が異なるから、リアサスは仕方ないかもしれない。それ踏まえると同レベル。硬さは異なり、柔らかいフリードと硬めのWR-Vといった図式です。
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
WR-Vのハンドリング、ステアフィール印象。乗り心地同様、重厚感を感じさせ、違和感を感じさせず。WR-Vの魅力的な部分です。
ハンドルへ伝わる衝撃、ゴリッとかザラッとした感触はよくカットするタイプ。車体側では、タイヤやゴムブッシュで弱めるというより、サスが動いて吸収。
これによって、ハンドルでは衝撃を感じないし、ダイレクト感もスポイルされない。
路面とタイヤとの感触が曖昧になりすぎない範囲で、上質なステアフィールとバランスされています。
ハンドル切って一定舵角、アクセル踏んで加速中、こうした厳しいシチュエーションでも、WR-Vは好印象でした。
「ちょっと試してみよう!」「あれw」ってくらいに拍子抜け。
段差で伸び上がらず、ハンドルに伝えてくる衝撃は僅か、左右の挙動が変わるような動きも感じられません。
サスペンションは伸び縮みでタイヤの接地を変化させます。これを動的アライメントなどと呼びますが、伸びなければなんてことなし。これも重厚な印象に繋がります。
重心高やフロントヘビーなどの特性はサスペンションの動き、タイヤの接地感として乗員に伝わってくる。
唐突にグラッときたり、遅れてググッと重さが乗ってきたり、接地感が抜けたり。
つまりサスペンションのバランス次第ともいえるわけで、WR-Vは前後のバランス良く、嫌なロール感も感じさせず、これが重厚感に繋がっている印象。
ホンダというとフロントを動きやすく、リアを固くというイメージだけど、WR-Vは異なります。後席に乗員いれば、リアの方が柔らかいと感じることもあるくらい。
前走車追従型クルーズコントロールと、車線中央キープの操舵支援について。
時速80km、前走車追従でクルーズ走行中、前がトラックで距離感がつかみにくい場面。
そして少しだけブレーキを当てたい時、ドライバーが反応するより早く、自動で弱いブレーキを当ててくれました。
気づかなかったらブレーキと感じられない程度の減速を適切なタイミングで。WR-Vの扱いやすいブレーキはこういうところにも効いてくるのかも。
全体的に、何が何でも車間距離をキープするタイプではなく、広がったり縮まったりしながら、快適な加速減速をしてくれるタイプです。
自動で車線中央をキープしてくれて、緩いコーナーは勝手に曲がっていってくれる操舵支援「LKAS」。
こっちは今ひとつ。ゆるく右に寄っていったかと思えば、ゆるく左に寄っていくを繰り返す。
総評として前後の加速減速は快適で、左右の動きはもうちょっと。LKASを使わずACCだけ使って走ることもできます。
WR-Vの魅力は乗り心地やハンドリング、そしてブレーキ。エンジンを除く走る部分全般と思うので、特徴がわかりやすいです。
ブレーキペダルを踏んでいくと、唐突な部分が感じられず、踏む時も抜く時も思い通りに速度コントロールしやすい。
車体の動きでも、フロントは落ち着いて沈むし、リアは伸び上がりにくいし、ここでも重厚感という言葉を使いたくなるフィーリング。
僅かなコツンも許さない、いつの間にか停止しているブレーキも容易。ほんとに簡単です。
クリープで進まないギリギリまでブレーキペダルを抜いて、そこを1秒キープ。それだけです。
クリープで進まないギリギリを保てるだけでなく、クリープの力を抑え続けてゆ〜〜〜くり動かすこともできます。
ここまで合わせて、扱いやすいブレーキです。
WR-Vの車内静粛性について。
舗装が良い路面では普通にホンダ車的な静粛性。また段差でもシャシーやボディからのガチャガチャやビリビリしたノイズは気になりません。
舗装が新しければ、フロントシートでもリアシートでも特別なことありません。車内の会話を邪魔するのはエンジンノイズの方と思えるくらい。
1つはゴロゴロした低音域のノイズが目立ち始めるとき。そのときはゴーゴーとザーザーが多重演奏のように、帯域別に複数目立つ聞こえ方。
目立つノイズには2つの山があって、そのひとつ、すごく低い音が気になりやすいと思う。圧力が強く耳に強い低音域のノイズ。
そのふたつ、ボディを膨らましている影響もあるのか、前方で共振共鳴しているような、緩い響きのノイズ。
もう1つはドアミラーあたりからヒュルヒュルしたノイズが聞こえる時が。
たまたま気になっただけだと思うんだけど、3代目フィットで聞こえてきたノイズと一緒。もしかしたら関係性があるかも。
ザラザラの強い路面にいくと、タイヤノイズが大きく盛り上がる。遮音性能の作りに依るだろうし、タイヤの硬さに起因する場合もある。
試乗したWR-Vのタイヤをさわってみると、ゴムが硬い。
クルマは登録から3ヶ月。新しいからタイヤも新しい=硬化してないはずだけど、特に内側、爪も刺さらないくらいに硬い。
ロングライフが想像できるし、レスポンス良いハンドリングにも繋がっているはず。そしてこのタイヤは、サスペンションのバネ剛性に合わせたスペックになっているはず。
ただ静粛性に関しては優先度が低いのかも。
タイヤと路面の設置する部分、トレッドが硬いとノイズが大きくなる傾向はあります。ゴムの単純な硬さ、ミゾのデザインからブロックがヨレにくいタイヤ、など。
一説によるとWR-Vのタイヤは、インド・ブリジストン製。ほんとかどうかもわからないけど、インドで要求される特性に合わされているのかもしれませんね。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」一部の画像は拡大します。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。