間違いいっぱいの自動車選び。2017&2021年式スイフトの試乗レビュー。
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スズキ・スイフト(4代目ZC83S・グレードXL)CVTモデルです。
「XL」は1200cc+CVTが組み合わされる装備充実グレード。
2021年式XGリミテッドは8ページ目です。
市街地より郊外、一般道より高速道路、速度が高い時に良さを見せるスイフトのドライビング感覚。コンパクトカーのベーシックグレードとは思えないほどに高速走行時のドライバビリティが重視されている。
初代ヴィッツや初代フィットのデビュー時、コンパクトカーはブームと言えるほど盛り上がり、完全に市民権を得たと思う。
1クラス上と変わらぬ実用性を持つようになり、ボディデザインからも所有満足度を満たしてくれるように。
しかしその後は、軽自動車ブームがやってくる。
フィットがカローラを食べちゃったように、今度は軽自動車に食べられるコンパクトカー。売れれば価格上昇、質感も上昇。軽自動車は立派になり、コンパクトカーの存在意義を考えさせられたほど。
そして今度の4代目スイフト、軽自動車を引き離すだけの実力を持って登場。軽自動車ではなくスイフトを選ぶだけの魅力があり、大きな差がある。
車体がレベルアップし、キャラクターの方向性もより長距離、より高速な走行に最適化。比較といわずも試乗すれば一目瞭然。良い言葉じゃないけど明確な上下関係。
それでいて車両価格は同価格帯だから、好みを無視しても積極的に選ぶ意味がある。
従来のコンパクトカー的な役割は軽自動車に移っているように思う。特にスズキとホンダはそれが強い。するとコンパクトカーは長距離走行を重視、となるのは必然の流れ。
そこで今回のスイフト。市街地レベルの走行では今ひとつ。
どこが?というとクルマがヒョコヒョコしやすい。機敏で正確なハンドリングは好ましい方向性だけど、ハンドルは軽すぎ、フロントサスは減衰力低すぎ、こうなると受ける印象は”過敏”です。
運転中にエアコン操作したい時もあればジュース飲みたい時もある。周囲の安全確認に全力を向ける時だってある。さらに路面の影響。それら総合して過敏な特性。
合わせてブレーキや乗り心地なども、市街地向きではない印象。
「神経質な部分は腕でカバーしてやるぜ!」そんな心意気があれば、天候がいい日は無問題。
だけど実際は、雨の日があれば風の日もある。そんな時はやっぱりちょっと過敏。
フラフラを感じる場面が目立ったり、コーナーリング中も横風の影響を受けやすい。
「風が強いから仕事休みます(^o^)v」なんて無理でしょーw
日常の足となって欲しいクルマ、様々なユーザーが運転するクルマと考えれば厳しいかなと。その分ね、得意なシチュエーションで光り輝くとも言えるわけですが。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
ベーシックなスイフトが得意なのは速度を上げて走れる道。意外にも!?ここがスイフトの真骨頂。
速度にして70〜80km/hくらいだろうか、市街地では過敏に感じたハンドリングも反応が抑えられてきて、また沈みやすいフロントサスが適度にダルな反応を示し、運転しやすくなる。
フロントサスが動いてから曲がるタイプだと、コーナーでモッサリしちゃう。スイフトではそう感じないバランスが好ましい。
そして「フロント沈みます!」「曲がり始めます!」と挙動をわかりやすく伝えてくれるのが走りやすい要因。ここがやっぱり新世代。
コンパクトカーや軽自動車でよくある、いつの間にかロールしていつの間にか曲がってというダラダラとは違います。
味付けなど含めて素晴らしいのが、クネクネ道でのコーナーリング感覚。
もうね、スポーティグレードのノリ。というかスイスポより分かりやすいスポーティ感かもw
内側を向こうとするチカラが強いのは、例えばコーナーリング中にブレーキを掛けてみるとよくわかる。内側に巻き込むチカラが強いって珍しい。ブレーキ踏んでハンドル切れば「これタイプR?」みたいな感触。
といってもキビキビしすぎのスポーティ感ではないからご安心を。もう少し大人。
S字コーナーでは、中央の切り返しがもっとも神経を使う部分で、通常ドライバーが意図的にタメを作り挙動を抑えて走る。そして車ごとに異なるそのタメに合わせ、ラインや加速減速を考えて進入する。無意識にも誰もが行っていることだと思う。
ヴィッツやフィット、デミオでは神経を使わなければ滑らかに走れない。それがこのスイフトでは容易に滑らかに走れる。
神経使わず、というか予想よりすばやく切り返せてラインを余らせてしまうほど。高いバランス感や固いリアサスによってボディ後部のグラグラを考える必要がないからラク。
スイスポと比較すると、スイスポが「フロントかっちり、リア動く」のに対しこちらは「フロント動く、リアかっちり」。
アプローチは違えど付いてくるリアが気持ち良いのは一緒。
コンパクトカーとしては異例な、好ましい味付けだと思う。
その分リアシートの乗り心地はハードなんだけど、リアシート使わない人にピッタリじゃないかな。
運転席からの左斜め前、右斜め前の視界。スイフトのフロントガラスは比較的立っていて、Aピラーはドライバーの近くにあるなど、見切りや視界の条件的には良さげ。
※写真はスイスポです。
しかし実際には、そうでもなかった。期待が高すぎたのかもしれない。試乗したあとで冷静に考えれば、コンパクトカー内で比較して、ちょっと良いくらいだろうか、並レベル。
理由は、Aピラーが思ったより太い。特に根本付近はゴツい。それでもAピラーがもっと遠くにあって3角窓の付いたタイプと比較すれば、スイフトの方が運転しやすい。
スイスポはここも、まずまず良いねという評価。並です。ボンネットは多少見えるけど、感覚は普通に取りにくい。助手席側前方もドアミラーで寄り具合を確認しながら寄せる事になった。
ワンモーションフォルム(ボンネットからルーフまで一体感が高い)と呼ばれるボディデザインは、見切りが悪い。つまりギリギリまで寄せるには神経を使う。
スイフトはフロントノーズが独立した2BOXタイプの形状。車両感覚の取りやすさは期待したレベルに達していない。ならばもっと洗練されたボディデザインを...なんて思っちゃう。
着座姿勢によっては気になるかもしれないのが、ドアミラーとボディの隙間。
せっかくフローティング形状なのに、筆者のドラポジではこの隙間が機能しなかった。
フィットでは歩行者が死角に入り不安を感じることがあったが、スイフトではそのような事はなかった。
ただデザインの際は優先して欲しい部分だとは思う。気軽な使いやすさは、実用コンパクトに強く望む部分。
画像左:車線変更時に目視する時は、問題なく視界が確保されている。写真では助手席シートが邪魔だけど、試乗中に死角が気になることはなかった。
画像右:スイフトでよくいわれる斜め後方の視界の悪さ。Cピラーが太いのが理由らしい。
シートのホールド性が高いスイスポでは大きく体をひねることはなかったけど、ベーシックなスイフトでは簡単にここまで視線を向けられる。
するとやっぱり、視界は悪い。知らない場所でバックする時に気になるかも。
ペダルのレイアウト、如何にも小さなクルマという窮屈感があった先代からは改善。足とペダルの設置角度が変わったのか、かかとを置く位置が変わったのか、違和感を感じないレベルになった。
フロアのカーペットを触ってみると、窪みのように凹んでいる部分がある。もしかしたらこんな小さな改良で改善したのかもしれない(先代は未確認)。
アクセルやブレーキの特性、アクセルは筆者の好みではなく、好ましいフィーリングではなかった。
けどこれはCVTのキャラクターと予想。CVTはイマイチでもスイフトのミッションは豊富に用意されている。
ブレーキ特性もまた、ベーシックグレードで16インチタイヤ。そこから期待は高いけど、フィーリングは並。女性でも軽く踏み込め、スコンと沈み込むノーズでブレーキの反応を伝えるという、よくある一般的なタイプ。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。
スイフトのハンドリングや乗り心地の印象とともに、「軽いってこんな感じ」という内容で語っています。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。