自動車の試乗比較、中古車選びにも・メーカー別評価「トヨタ」

2020年記事 トヨタ
 & 

クラウン試乗レポート「4」
ハンドリング・ステアフィール

間違いいっぱいの自動車選び。2019年式クラウンの試乗レポート。

当ページは4ページ目です。

「ハンドリングなど走行感覚」

トヨタ
  • グレード:“2.5ハイブリッドS”
  • 年式:2019年式
  • 車両価格:約498万円
  • デビュー年:2018年6月
クラウン内装1・インパネクラウン内装2・フロント

試乗:ハンドリング

クラウン・ワインディングでのハンドリング

ベーシックなグレードだけど、RSというネーミングでも驚かない硬質な乗り味。それでいて、写真のような減速を促す凹凸が気にならない衝撃吸収性。減速しなさいって黄色いこれも、クラウンの前では無威力w

走りはじめの印象

クラウンの試乗を初めて3日目、ワインディングに出向きました。クルマに慣れてきてるはずが、コーナーが走りにくい...。

ハンドルカムリが乗ってすぐから思い通りの位置にタイヤを持っていけたのは違います

クラウンのハンドリングは細かな操作にも応答性が高く、反応してくれる。ただ反応してからヨーが立ち上がっていく曲線はマイルド。
好ましいけど筆者には慣れが必要でした。

それからDレンジでは弱すぎるエンジンブレーキ。ブレーキペダルリリースからアクセルオンまでの速度が予想と異なり、思った通りに走りにくい...。

コツを掴んだから俄然気持ちよく!

原因は上記にプラスして、実際以上の大きさを感じるボディ横幅。カタログ上は全幅1800mmと、現在では大きくないサイズなんだけど、運転席からの印象はもっと大きなクルマ。

フロントタイヤで、こうしたあたりに気をつけながら、エンジンブレーキの強いモードで走ったら、とても走りやすかった!

急な変化の起きないコーナーフィール、路面の荒れくらいでは不安定な挙動を見せない接地感、そして官能性能の高いステアフィール。

やっぱりよく出来てます!

TNGA仲間として考えると、C-HRなど他車は曲がっていく感触が弱めなフィーリング。同じ高性能としても内訳が異なります。クルマ好きが楽しいと感じるのは、きっとクラウン。

シートと体の密着感が高い!

前後左右に揺れにくいフロントセクション。
これにより、「体がシートに密着している時間が長い」もくしは「揺れても体がシートから離れにくい」。

フロントシートこれにより、実際よりシートを大きく感じる快適性と、緩くてもサポートの強さを感じられ、さらにクルマの挙動変化を掴みやすい。

そうです、体とシートの接触面積が多いほど車体からのインフォメーションが感じやすくなります。

話題にもならないようなポイントだけど、ここはクラウンの長所。余談ですが、市販の後付シートでも、筆者が重視したいのは接触面積。今回の試乗で、揺れが少ないクルマの有効性を体感できました。

ハンドリングをカムリと比較

カムリはクラウンよりはキビキビ感が強められていて、軽快感がある。それから4輪のタイヤの位置が掴みやすい車両感覚の取りやすさにも優れる。
これによって、思い通りのラインを取りやすく、時にはギリギリまで寄り過ぎちゃうほどの運転がしやすい。

ステアフィールはクラウンと異なり無味無臭のお味。だけど走りやすい。このあたり食パンと言われるカムリにピッタリ!
どちらも魅力的で、もし同じ価格で販売されていたとしても、迷っちゃいそうです。

 


※試乗したのはレンタカーです。コンディション等が一般車両と異なる可能性があります。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。

一手間加えると走りやすさ倍増!

キモは「エンジンブレーキ」

シフトセクレクター

アクセルOFF時にかかる減速力、適切かはわかんないけどエンジンブレーキと記させていただきます。

後輪駆動車の特徴はエンジンブレーキが後輪にかかること。滑らかに気持ちよく走りやすい。

でもクラウンハイブリッドは、Dレンジのエンジンブレーキは弱く、また後輪だけにエンジンブレーキが掛かっているのかもわからない。

なんだけど、感覚的に後輪から減速している感じ

パドル操作やSレンジに切り替えてエンジンブレーキを強めてあげれば、後輪駆動らしさを感じつつ、リズムよくコーナーを走りやすい
減速・進入・脱出の一連がとても気持ちよくなります。

クラウンってなんか乗りにくいと感じたらぜひ、エンジンブレーキを試してみてください。

試乗:ブレーキフィーリング

クラウンの走行感覚

ブレーキペダルはしっかりとした踏み込み剛性があって硬い踏み心地。

もしかしたら女性ユーザーだと疲れちゃうかもしれないギリギリだけど、それでもペダルレイアウトが良いから思ったより楽に踏める感覚。高級感やしっかり感、扱いやすさなどでとても好ましい設定だと思います。

疲れにくいペダルレイアウト

クラウンのドラポジは足を伸ばして座るスタイル。膝を外に開いて座るスタイルとは全然違います。

ドライビングポジション・足元左足側には大きいセンタートンネルがあるのもあって、物理的に不可能なんだけど、右足もまっすぐ前に伸ばしてペダルに足を乗せる。

こうしたスタイルでペダル操作をする時、アクセルペダルとブレーキペダルの段差は重要と考える。

段差が強ければ踏み変えが面倒で、かつどちらかのペダルは繊細な操作がしにくい体制になる。逆に段差が弱ければ、踏み間違いの元にならないとも限らず。

扱いやすく魅力的なペダルレイアウト

で、クラウンのペダルレイアウト。絶妙とも言えるペダルレイアウトでどちらのペダルも扱いやすい

ペダルレイアウトアクセルペダルに合わせて座った状態で、ブレーキペダルも扱いやすい位置にくる。

ドライバーそれぞれで違うと思うんだけど、繊細な操作がしやすい=足首が動かしやすい姿勢があるはず。

奥までストロークしにくいブレーキペダルと相まって、これは魅力的。

唯一残念なのは、前後スライドで微調整が効かないパワーシート。ここだけ残念。

ブレーキオーバーライド?

日本語にするとブレーキで上書き。アクセルとブレーキを同時に踏んだ際、ブレーキが優先されるという機能。

左足ブレーキで両ペダル利用してのドライビング。そうした運転が求められる車種には邪魔だけど、クラウンなら付いててほしい機能じゃないかな。

クラウンに付いてる? 試乗中、確認し忘れました!ごめんなさい。

奥はコントロールしやすいブレーキ

減速のためのブレーキング

コーナー手前で行う減速のためのブレーキング。こうした強いブレーキ操作を行う時は、扱いやすいという印象。

サスペンション後輪駆動車としてはリアサスが伸び上がりやすく、ABSの介入も早いんだけど、ブレーキアシストの介入は気にならなくてコントロール性良好です。

どれくらいといえば、素早く踏み込めばフロントにABS介入。リアサスの伸びを意識してから踏み増しすればリアにABS介入。

こんな調整も気楽に可能。なので減速力の調整も気楽。

惜しむらくは4輪が路面に吸い付くようなフィールでない点。それからABS効くあたりでハザードが点灯する点。ブレーキ楽しむとしてはちょい役不足&恥ずかしいかな。

停止のためのブレーキング

信号など停止のためのブレーキング。この時はペダルの踏み込み量の浅い部分を使うわけだけど、踏む時は無問題。抜く時は神経質。

リアからのフロア停止時に全く「コクン!」とならないは難しい。フロントサスが伸びるのに合わせてギリギリ抜くわけだけど、ここが神経質。

やっぱりハイブリッドだからかな?リアシートに乗員がいても、運次第でたまたま、という感じでした。

クラウンというクルマのキャラクターを考えると、大いにクエスチョン。

 


評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」。一部の画像は拡大します。

メインメーター(夕方)メインメーター(夜間)

高い直進安定性

クラウンの直進安定性は高いです。試乗していてハンドル微調整が気になることはなかった。

クラウンのメーター夜間トレッドもホイールベースも大きいから、外的要因にも強いんだけど、それよりもね、ステアフィールが良くて直進性が高いのよね。ハンドル中立が軽いのにフラフラしない。

軽くてマイルドに反応するから、微調整も無意識。ひたすらビシッ!とするクルマ以上の満足感。たまりません。

カムリとは内容が異なる

カムリもボディサイズが同サイズと大きいから、直進性に不満なし。でも内訳が違います!

カムリのステアフィールは、中立付近から回した先まで同じように重い。疲れちゃうほど重いです。言い換えると無機質でつまんない!この点だけ比較すれば圧倒的にクラウンが優れる。筆者的にはもっとも大きな違い、かな。

トヨタ クラウン

トヨタ

CROWN (クラウン)

  • 試乗グレード:“2.5S・ハイブリッド”
  • 型式:AZSH20
  • 年式:2019年式
  • 車両価格:約498万円

概要

  • 排気量:2500cc+モーターハイブリッド
  • エンジン型式:A25A-FXS
  • 車重: 1730kg
  • ボディサイズ: 4910×1800×1455mm
  • 発売開始:2018年6月
試乗レポ・ライター

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