ダイハツの軽自動車、タント(3代目)の試乗レポート。タント、グレード「X」CVT仕様。試乗車は複数台に試乗しています。
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当試乗レポートは、2代目モデルの試乗記を元に2015年に改修しています。
試乗内容は限定的。第一印象重視でより一般的な表現が出来るよう心がけています。
ボディサイズが決まっている軽自動車。イコール室内の”最大広さ”も決まっているということになります。エンジンもミッションもタイヤもシートも、さらには燃料タンクだって、多くのパーツで大きさが決まっていますから。
車室内が広いと言われるタントだけど、実際は広いという”イメージ”だろうと予想。どうせ開放感高いだけでしょ?!みたいな。
期待せずムーブと大差ないだろうと思いつつ、車内を覗いてみました。
ビックリしました。なにと比較するまでもなく、これは広い、いやホント、これが軽自動車かと疑うほど、室内が広いんです。隣にあったダイハツ・ムーブと比較しても、各部が少しずつタントの方が広い。
特に、試しに持参したチャイルドシートを積むような場面では、ムーブではかなり厳しく、逆にタントならラゲッジに入りました。またリアシート足下に、チャイルドシートを横に倒して積むことも可能です。
しかもそれだけじゃありません。単純に広いだけじゃなく、例えばリアシートに着座したした時、外側の腕がうまく逃がせるスペースが用意されています。
このドリンクホルダーの上に腕を置くことで、横幅の狭さを感じるのは最小限(右の写真はウェイク)。
こんな感じでタントは、コンセプトに沿って工夫が盛り沢山。手抜きモデルとは全く違います。やはりタント、売れているのはわけがある、やっぱり広い室内、広さを感じる室内が魅力の軽自動車でした。
このホームページは独断を偏見を多く含みつつも、「辛口」が特徴。その中で、このタントについては非常にいい評価となっています。
それは、実用車である軽自動車、便利なことが一番にこだわっているからこそです。価格的には決して安いワケでなく、高級軽自動車といっていい。同じ車両価格で例えばフィットやヴィッツだって買えます。そしてクルマの基本性能で比較すればフィットやヴィッツの方が断然優れているわけです。
しかしタントには積極的に選ぶ理由があり、とりあえず作られているだけのケーハク車とは違います。そして走行性能だって、近所のお買い物としての利用や時速60km以上出さないような使い方なら、タントで”十分”というのもうなずけます。
コンパクトカーとランニングコストを比較した場合、自動車税が10年間で30万円ほど安く、その間の車検3回で10万円ほど安い。大雑把に軽自動車の方が40万円安い計算になります。
その他消耗品や補修部品の価格は、同程度か軽自動車の方が高い事もあります。
例えば軽自動車に近い存在のスズキ・ソリオやコンパクトカーの代表的存在のホンダ・フィット。ソリオ、ボディはコンパクトなのに室内が広いのは軽自動車の親分的存在。フィットはタントとほぼ同価格帯といえるほどお得感ある車両価格が魅力。
高価な消耗品なのがタイヤ。タイヤの価格は一般的なサイズかどうかが重要なポイント。このあたりは車種によって多少なりとも変わってきます。
定番サイズなら安く、少数派サイズなら割高になる。コンパクトカーとの比較ではアジアン系輸入タイヤなら価格はほとんど一緒。
後は製品寿命の問題ですね。軽自動車の設計はどうだろう?国内専用ならそんなに長期間は想定されていないかもしれない。
それから常用するエンジン回転数。エンジン回転に合わせて上下や回転する部分はけっこうある。常用回転数が高ければ可動箇所の負担は増えるわけで、ベアリングやメタルの寿命は回転数に比例するよね。
面白い見方をしてみれば、コンパクトカーの方がコストダウン競争が激しく、軽自動車は裕福。良ければ高くても問題なしってスタンスじゃないですか。それならば軽自動車の方がマイナートラブルが少ないかもしれません。
タントの車両価格はけっこうお高め。一回に30分以上運転する事が多い方は、上記の価格差をペイできる中古車も含め、もう少し大きいクルマを中心に大いに迷って下さい。
こちらはタント・カスタムRSと、ルーミーのインパネ。同じ角度の写真が用意できなくてごめんなさい。
ルーミーはダイハツ・トールの兄弟車で軽自動車の王様的存在。なんだけど、内装は最低レベルの質感。タントどころかイースどころか、軽トラックのパーツを流用してそうな位、質感低い。
タントのカスタムはミドルクラスのミニバンみたいに立派。やっぱり上級軽自動車ってリッチに作られてると思います。
安全性には「パッシブセーフティ」と「アクティブセーフティ」の2つがある。ぶつからない安全と、ぶつかった際の安全。今回、ぶつかった後の安全性について個人的見解を少し述べさせて下さい。
まず「NASVA(自動車事故対策機構)」による衝突試験評価。JNCAP自動車アセスメント。
単純に結果を見れば多くの軽自動車は評価が厳しく、一部ホンダ・ゼストが小型車レベルとなっている。衝突エネルギーは軽い方が少ないとはいえ、以前では考えられない評価結果です。
評価を確認する前提として、先に問題を教えてくれるテストなので、「決められた条件だけ高評価」なんてことにもなってるらしい。メーカーが慣れちゃってるみたい。
そうすると、試験以外のシチュエーションでは全然ダメとかもありえるので、現在は参考程度が吉。
当たり前ながらも、運が最も重要。4つ葉のクローバーの行方次第というわけです。
安全性はほんの一瞬の何かで大きく変わるのではないかと思ってます。じゃあ何でも一緒?問題は確率。確率を上げるために安全技術が進歩し、ドライバーは運転技術を磨くわけです。
何かと衝突して不安定なのは車重が軽い方。飛ばされたり横転したり。どうしても軽い方が不利になる可能性が高いです。
タントの車重が重たいといっても小型車よりは2割程軽い。信号待ちで追突されて交差点内に飛ばされたり、反対車線に飛ばされたり、川に飛ばされることも。軽自動車だからって訳じゃないですが。
軽自動車だからとイコールに近いのは、横転事故の70%が軽自動車とアナウンスされたこともあります。
また個人的にイヤなのは、追突されてリアガラスが割れ、リアシート乗員が破片を被ること。お子様がガラス被ったらどうです?精神的に耐えられないでしょ?
実際は真下に飛び散るかもしれないけどどうだろ?軽自動車はガラスが近いからものすごく不安。大人だってガラスやピラーに頭が近いから、ぶつかったら痛いじゃ済まない可能性。カーテンエアバッグ様様かも。
軽自動車のパッシブセーフティ。不安だらけだと思う。しかしここで文中に戻り、運の要素がものすごく強く、軽自動車だからって危険とはいえないなと。
普通車の安全性が気になったら、いま話題騒然「スモールオフセット衝突」なんてチェックしてみるといいです。
後にデビューしたホンダN-Boxはリアセクションがさらに広い。リアシート足下はオデッセイに近いくらいの広さがあります。
その分は一部グレード除きスライド機構を持たいないリアシートと、フロントシート足元にしわ寄せが来ているかもしれません。
逆に助手席足下のスペースはタントの勝ち。ホンダのNシリーズは思うほどシートが後ろに下がりません。
写真左はN-BOX、写真右はタントカスタムの助手席足元。
当記事は「桃花」がお届けします
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3代目タント(X)のエクステリアとインテリア。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。