間違いいっぱいの自動車選び。あちこちで評価高いスズキの3代目スイフト(ZC72S)の試乗レポート。
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ボディデザインは先代ソックリでも、内容は超絶進化したスイフト。
スイフトのスポーティグレードがスイフトスポーツ・通称スイスポ。
世間では特別いいクルマとして認識されています。価格を抑えたコンパクトカーが、宇宙レベルのスポーティカーのような過熱気味が素晴らしい!評論家の先生も大絶賛!!
スイスポはまさに異例なほど良い評価ばかり!筆者的にも上級感あるコンパクトカーとして全然良いと思う。
でも「スポーティと感じる」部分もあれば「スポーティ?と感じる」部分もある。
スイスポの1600ccエンジンはコンパクトカー離れしたキャラクターの持ち主。加速の速さだけが楽しさじゃないことを教えてくれます。そりゃまっとうなスポーティカーほど本格的ではないし、価格だってそこまで安くはない。楽しさを語る上で重要なMTも微妙。
それでも、マイルドな音質で振動も少なめなスイスポのエンジンでは、高回転をキープし続ける事にたいして不快感が少ない。
そしてエンジンが持つトルクカーブ。多少負荷の掛かる3速で下から確認すれば、2000回転以下のトルク感は薄く、3000回転ぐらいで速度調整がしやすい一般的なトルク感。そして5000回転を境にトルクが盛り上がる。
平たく言えば5000回転から加速が強まる。エンジンサウンド、音質も変わる。
5000回転以下で走っていれば、ジェントルだけどただの小排気量エンジン。5000回転以上を使う方なら「おお〜!」と笑顔になっちゃうキャラクターの持ち主です。
一般道でも走行するにはちょっとばかり足回りが固すぎやしねーかい?と感じちゃう。路面が荒れていたり宴席使うサーキットに持ち込むにしてもなんとなく不安。
乗り心地が悪いと言っても、3人乗車などなら、一般的な舗装路では細かなゴツゴツは気になるほどではなく、寧ろ「スズキ・スプラッシュ」の方がゴツゴツ固い。でも1人乗車で山道にいけばやっぱり固さを感じる。
たしかショックアブソーバーにはテネコ製のモンローショックが使われているんだっけ?でもこれ、ガス圧強すぎでダンパーじゃなくてただの棒っすよ??トヨタのなんちゃってビルシュタインと一緒でスズキのはなんちゃってモンローなのか??
だったらガスを抜いちゃえばいいじゃん。ということでネットを検索してみると、やっぱりいらっしゃいました。穴を開けてガス抜いて溶接していらっしゃいます。「スイスポ・ショック・ガス抜き」などで検索してみて下さい。
追記:総走行距離12000kmほどの車体に大人3人乗車したら、ちょっと印象が変わりました。そこそこのストローク感あり、ショックの伸び側減衰力も感じられて全然いい感じに。わかっちゃいるけど初期の馴染みや乗車人数、ガソリン残量、クルマの印象が変わります。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
※一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)。
スイスポの気になる点はもう一つ、MTのフィーリングが今一歩で、どうにもこうにもオモチャ感覚が強い。
ストロークが長くグニャグニャで、昔の乗用車向けMTのような感触。どんな時でも軽いチカラでスコスコ入っちゃうから、回転数があった感触を感じ取りにくい。趣味用という面では楽しさは薄い。
これはイコール=ラクに操作できるMTということもできる。スイスポをスポーティだと思わなければ、ショックも少なく気軽に運転出来るミッションと評価。実用性が高く門戸が広いのは入門用MTモデルとして妥協するしかないのかな。
6MTだからバックは注意が必要。バックギヤに入れるためには、シフトノブ下のリングを引き上げて6速のあたりに操作します。
クラッチペダルだって軽い。軽いのは良い点だけどストロークが無駄に長い。だからやけに手前で繋がり、お世辞にもスポーティな雰囲気じゃない。ペダルを完全にリリースする直前辺りに半クラッチがある。
メリットはエンストしにくいことだと思うからガマンするしかないかな。あっ、エンスト=エンジンストールだっけ。故障でストップするのとは違います。
このクラッチペダル特性に合わせてポジションを取るにはシート位置を足が届くギリギリまで下げると良いかもしれない。いやそれしかないと思います。これならアルファロメオの方が扱いやすいと思うほど、個人差というレベルを超えてクセがある。
シフト・クラッチ、個人的には扱いやすいと思わなかった。初めてスイスポに試乗した時、期待が大きかった分、肩すかしを食らったような感じでした。操作系が体に馴染むまで運転して、ホントの評価はその後ですね。
ご参考まで。スイスポにちょっと予算を追加すれば「ホンダ・CR-Z」が買えます。こちら、純粋なハッチバッククーペでハイブリッドエンジン。
バッテリーのコストを考えれば価格は同じようなもの?取得税の減税ありなしの差もある。スイスポとCR-Z、迷います。
4枚ドア付きコンパクトカーでいえば「ヴィッツG's」なんていうのもあります。
1500ccのヴィッツに良質なサスペンションを装着したモデルで、乗り心地の質感やハンドルの切りやすさはかなり良好!内装の質感などは全くスイスポに及ばないけれど、ヴィッツには最低限使えるだけのリアシートがある。
お値段は190万円程度。個性的なエクステリアも付いてくる。試乗評価は下のコーナーよりどうぞ。
他の質感高いサスペンションを持つコンパクトカーは、「VitzのRS・G's仕様」このヴィッツG'sはTRDのサスが付いている事もあり、トヨタ車とは思えない動き方が心地良い。
(素のRSは宇宙ワーストレベル。お気を付け下さい)
アフターパーツだから寿命や美味しい部分の賞味期限という部分で不安あれど、このヴィッツはスイフトと甲乙付けがたい。
リアシートがまだ実用的というメリットもある。リアタイヤを滑らせてみてもタイヤの接地感が安定しているなど気持ち良い部分もあるが、車両価格は200万円弱と、もう少しで素のスイフト2台分になってしまうほど。それでいて内装は非常にチープ。
スポーティモデルとして最低限の加速力も欲しいならコルト・ラリーアート。素のモデルからサスペンションを固くして、外観を意匠変更しただけのなんちゃってスポーティグレードとは違います。
ドア開口部にスポット溶接追加など手を入れられ、エンジンはターボで武装。特別速くはないけど踏み続けられる場所ではびっくりするほど速度がでる。
足回りは良い動きをするフロントショックに渋くてつっぱるだけのリアサスペンション。乗り心地を考えるとコルトも実質二人乗り。走りは特に低速コーナーで低レベル。室内はスイフト同様に、正統派系の上質感を重視したデザイン。
スイフトはCセグメントと比較しても、乗り心地の質感で負けておらず、ここが最大の特徴であって長所。
ただし、このクラスで全てを求めるのは無理で、実質2人乗りという短所も持つ。価格だって122万円〜と安価。
実質2人乗りだけど、ドライバー1人乗車がメインなら短所になりません。リアドアがあるだけ楽だと、評価さえできる。
ママさんが利用するには、苦労することが想像出来る。筆者ヒラリー、スイフトでは試していないけど、子供の頭をぶつけそうなクルマは神経使って苦手。もっと大きいクルマをおすすめ。車内でおむつを替えることもあるでしょうし、子供の友達を乗せる機会も。もっと大きいクルマをおすすめ。
一人二人で使うなら、スイフトは124万円という価格を超える魅力が素晴らしい。個性的なボディデザインに、質感高い内装、優れた乗り心地。輸入車だったら200万円クラスかな。
小さくても一生懸命作られたクルマが良いと思う方にぜひ!
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スイフトスポーツの室内。ハンドル、シフトノブ、ペダルレイアウト。
ライト消灯の時のメーター(上)。ライト点灯時のメーター(下)。
秀逸?チョロQ的?子供チック?個性的だがおかしくはないと思う。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。