間違いいっぱいの自動車選び。ライズ「G・4WD」の試乗レポート。
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トヨタ・ライズ(1000cc+ターボ G・4WD・型式A210A)、2020年式です。
単純に走れば良いというなら何でも良いけど、気持ちよく走りたいというなら重視したいのがハンドリング。
比較すれば、街中でのゆっくり走行でもクルマによって違いがあります。
試乗したライズはスタッドレスタイヤだったので、それの印象と、ノーマルタイヤでの乗り味を想像し、ミックスしてのレポートです。
ライズに試乗すると、「安定性を高めよう」という想いを強く感じます(ホントかウソかはわかんないよ、そう思うだけ)。
キビキビ系の車体をパワステの特性で安定させ、「シャキッ」と「ビシッ」を両立させる。そんなイメージ。
そんなライズのハンドル握って感じるのは、けっこうな違和感。クセというのかな。善悪ではなく違和感ね。
志の高さは素晴らしいけど、行き過ぎると自然さを欠くことがある。
タイヤやアフターパーツ、テレビにオーディオ、色や音などクルマに限らず様々なモノがそう。
低域が変に強調され、声が聞き取りにくくなってしまっている小型スピーカーとか、想像できます??
同時に、「軽自動車との差別化」なんていうのも強いのでしょう。ダイハツでは上級クラスですからね。
ご参考に、同じダイハツのムーブ。ジワッ、スゥっと自然さが強いハンドリングで走りやすい。方向性が違います。
ここに限って言えば、オススメしやすいのはムーブかな。
駐車速度では軽いものの、走り出すとすぐにガシッと重くなるステアリング。
柔らかくて操舵力が軽くなりがちなスタッドレスタイヤでも、ハンドルはしっかり重さを感じるだけ重いです。
そして重さを強調するのが、直進に戻そうとするチカラの強さ。
保蛇力が弱く、中立に戻そうとするチカラが強く、交差点ではSAT(手を離すと中立に戻るチカラ)も強くて速いです。
※内容は辛口評価です。試乗購入時のお役に立てれば幸いです。
前述の操舵感にプラスして、固くSUVらしいサスペンションによる走行感覚、さらに車両感覚の取りやすさが、ライズのハンドリングで特徴になっています。
車両感覚が取りやすいライズは、ボディ先端やタイヤの位置もわかりやすい!コンパクトカーでは数少ない、貴重なクルマです。
だから、コーナーで思い通りの位置にクルマを持っていきやすいんです。
自車位置がわかりやすいということは、急な挙動変化を減らせます。
走行ラインもワイドに使いやすく、結果ドライバーは神経使わず、同乗者は快適に。
ライズはそうして走りやすい素性を持っているというわけです。
これはハンドル操作からボディが向きを変えるまでのラグや特性も重要で、ライズではスタッドレスよりノーマル16inchタイヤ、16inchより17inchタイヤが好ましいと思われます。
ライズのボディ全高は1620mmと思ったより低く、サスペンションは硬め。また近い関係のタンク/ルーミーと比較すれば、着座位置だって低く感じます。
どれも車体の挙動変化を小さく、もしくは感じにくい方向に影響し、サスペンションジオメトリー的にもロールしにくい方向かと予想します。
なので、少しペースを上げたくらいではロール(横への傾き)は感じにくく、ピッチ(前後方向の傾き)も思ったより少ないです。
平たくいえば、軽自動車みたいにグラグラすることは無いということ。派手で素早い、もしくは豪快にハンドル回すドライバーなら特に、軽自動車との差を体感できると思います。
こうした特性からくる短所は、ハンドル切りながらの段差は苦手ということ。
コーナーでちょうど外側のタイヤ位置が荒れていることって、よくありますよね。
なるべく避けるように考えて走る必要があります。
「安定性を高める」と「路面インフォメーション弱める」はイコール??
ライズはスタッドレスを履いていても、それを感じにくい乗り味。例えドライ路面に強いスタッドレスといっても、差は大きいはずなんだけど...。ステアリングから感じるスタッドレスらしさは少なかったです。
ドライバーはハンドルやシートから情報を得て、実際に操作する。目で見て判断するだけじゃそれはゲーム。市街地だって一緒です。
ライズはブレーキ特性が扱いやすく操作しやすい。
ボディ形状から想像できないくらいで、リアタイヤにもよくブレーキが効きます。他車と比較してしても、扱いやすいブレーキの持ち主です。
ブレーキの扱いやすさって、気楽に走れるための大前提ですよね!
ライズの4WD仕様は、FF車と比較して約25万円高。前輪がスリップしたら後輪駆動するタイプらしいけど、価格からして立派な4WDなのが想像できます。
試乗すればドライ路面でも、思ったより後輪を駆動している様子。
モニターをチェックしても、リアに駆動力を分配する割合が大きいです。
直進時の走りやすさは、良い部分もあって悪い部分もある。もしくは、悪い部分が目立ちやすい。そんな感じ。
コーナーで自車位置がわかりやすいということは、直線だって自車位置がわかりやすい。
車線の中でどこを走っているかがわかりやすければ、微調整も先読みしてできる。
ライズは風や路面からの影響でフラつきやすく、もしくはそれがわかりやすい。だから微調整の回数は多い方だった。
それでも多車線道路での気楽さは高く、どこを走っても緊張せずに運転できると思います。ここはライズの大きな魅力!
ライズで一番の長所と思うのがボディデザイン。見た目がカッコいいだけじゃなくて、ボディ見切りと車両感覚の取りやすさに優れます。
まずAピラー。太いけど立っていて、三角窓がないタイプ。
コーナーで斜め前が見えにくい場面は限定的です。ドアミラーも自然な高さにあって見やすいです。
インパネからボンネットの高さが好ましいバランスで、適度な包まれ感を持ちつつ、ボディ先端がわかりやすい!
通常はもっと大きく高級なクルマが持っている長所です。
これによって、駐車場や狭い道がラク。そして、余計な緊張せず走行できます。
人間は緊張すると動作が乱れがち。つまり、安全運転にも最も有効と考えます。
前方をギリギリまで寄せるのも簡単です。
カンではなく、自車位置を視認しながら寄せることができます。
ライズ同様にボディ見切りが良いルーミー&キューブと比較してみます。下の画像は左がルーミー、右がキューブです。
ルーミーは、ライズより4角いボディデザインに見えるけど、前方はボンネット先端付近が落ちていて先の方は見えません。見切りはライズの方が優れます。
キューブは、見えすぎるほど見えちゃう。インパネ上部やボンネットのボリューム感も高く、もっと大きいクルマを運転しているような圧迫感。ドライバーによっては緊張に変わると思います。
ただ、タイヤの位置が掴みやすいのもあって、それ含めるとライズと同点。
フローティング風にデザインされたナビは邪魔になるかならないかのギリギリ。
またワイパーの大きなフレームが邪魔で、これはインパネ奥を高くしているのと一緒。
インパネ先端が低いのは、新設計のクルマで共通する部分。せっかく新しいクルマなのに残念です。
その他、助手席側サイドはBピラーの位置とかウエストラインの高さによって、視界は並です。あと助手席パッセンジャーが前寄りというのもあります。
ここはブラインドスポットモニターがアシストするから!というわけですね。
ライズはロッキーの兄弟車。SUVタイプで個性が強められたコンパクトカー。
評価評論「間違いいっぱいの自動車選び」
一部画像はクリックで拡大します(横長画像など)。
ブレーキ操作は、初動から停止まで扱いやすい!
ライズのブレーキは、様々な車種と比較しても上位クラス。絶対性能は別だけど、僅かなギクシャクも感じさせないブレーキがかけやすいです。
アイドリングストップは停止前から作動するタイプで、エンジン停止して挙動が変わるけど、それさえも同乗者に気づかれないほどにコントロールできる。
ブレーキペダル操作に対する特性は、「軽自動車のダイハツというイメージ」とは全く異なる。
具体的には、「減速しすぎた/減速しなかった」という事が起きにくく、滑らかで一定の減速を行いやすい。そしていつの間にか停止。適度な踏み込み剛性を持つペダルも含めてね。
車格的に上の車種を含めても、もっと扱いにくい車種がいっぱいある。例えばクラウンのハイブリッドだってそう。
筆者的には、無意識に使えるブレーキはクルマ選びの条件。ライズなら合格です。
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違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
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評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。