間違いいっぱいの自動車選び。試乗レポートは3代目ヴィッツ(130系)グレード「1.3F」。
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優雅なボディデザインが特徴だったヴィッツ、今回はプレーンな方向に大変身。
劇的なまでフニャフニャだった初代ヴィッツ、柔らかくともピョコピョコしていた2代目ヴィッツ、そして3代目は多少しまった足回りのセッティングに。
今回試乗したヴィッツは走行距離15000km。「こんなに早くガチャガチャになっちゃうの」と思うほどあちこちからガチャガチャ音が出ちゃってました。
不満を感じれば乗り換え時かもしれないそんなクルマ。タイヤはエコピアと書かれた新車時装着タイヤがそのままの状態です。
試乗して乗り心地の印象は?
柔らかいのにゴツゴツもするトヨタ車らしさは相変わらず。残念ながら乗り心地は悪いです。それでもしっかり感はアップしたと評価させて頂きます。
トヨタ車って引き締まった方向だとギスギス、逆に緩い方向だとブワンブワン。もし、ブワンブワンの方が良ければ、1000ccモデルのサスペンションがそっち系です。
先代と比較すれば細かなポコポコは拾いにくく改良されています。
先代で気になった、伸び側の減衰力が低く、ピョコッと伸び上がるわりにコツコツ。そんな先代の乗り味は改善されています。サスペンションダンパーの質が向上したのでしょう。
ここ数年、決まって相談される内容がこれ。
「なんで最近のサスって固いの?」「もっとクッションの良いクルマないの?」「買ったら固いんだけどなんとかならない?」みなトヨタ車、ホンダ車のユーザー。
クルマ好きの方や評論家の方々はしっかりした足がお好みみただし、筆者だって質という言葉が大好き。
「長距離考えてシートを固く」「燃費を考えてタイヤ空気圧を高く」。あちこち固い方向に。
でもね、思うんです。コンパクトカーや軽自動車って短距離でのお買い物ユースが多いわけで、柔らかければいいってユーザーがどれだけ多いか。善し悪しがわかるわからないじゃなくって、好みの乗り味が最良なのは間違いありません。
ヴィッツも例に漏れず固めになってしまった。メーカーの提案に惹かれるのか、ユーザーの求める味付けをするのか。トヨタはフットワーク軽いのでこれからに期待です!
車両価格122万円のスイフト、150万円のインプレッサ(1600cc)の前期モデルと、日産のノート。それから、170万円台のプレマシー、ソリオ。
もし乗り心地の優しさを重視してクルマを決めるなら、この辺りおすすめ。でもできればご自身で、じっくり試乗して下さいね。
購入時の条件良く、国産車より高価なメンテナンス費用を許容できるのなら、VWポロもいいです。ヴィッツからみれば別格。
タイヤは年々固く、新車時の基準空気圧は高くなる傾向。だからこそ優しい方向性のサスペンションとか、固くても衝撃を伝えにくいサスペンションが望まれる。傾向としてコンパクトカーから車格が上がれば、操縦性と乗り心地のバランスは上がる。
※内容は辛口評価です。試乗時に確認したいポイントを重視!
ヴィッツで褒められる点はリアシートの静粛性が高いこと。そもそもライバル車にはマトモに座れないクルマが多いこともあり、また同時に比較したわけではないので感覚的な評価なんだけど、ベーシックグレード同士で比較した場合のリアシート静粛性は高い。
スペースに関する部分。ヴィッツのリアシートは特別広くはないけれど、狭くもない。
着座姿勢も座面高が最適で身長160〜170cmくらいの方なら普通に座れる。リアシートの乗り心地は他車比較ならまずまず。リアサスが固いクルマが多いクラスで、ヴィッツは常識的な固さ。
総合すればヴィッツのリアシートは普通に使える。フィットやノートみたいに特別広くはないけど、スイフトやデミオよりは断然使えます。
フィットやノートは同じコンパクトカーといっても別ジャンル。背も高いしこの世界のミニバン系のような感じ。
写真でご確認頂きたいのは、フロントシートのヘッドレストがシートバックと一体化されている点。
リアシートに座ると圧迫感強く邪魔です。普通のヘッドレストと大差ないような気もするんだけど。圧迫感がある。
シートのショルダー部分は女性向けサイズでシートサイズは小さい。男性が座ると、シートは肩胛骨の辺りで無くなる感じ。
左の写真がヴィッツ、右の写真がフィット。
ヘッドレスト一体化がコストダウンの為だとすれば、結局のところトヨタがコンパクトカーのリアシートはオマケ程度と考えているのかな。
普通のヘッドレストの支柱は荷物を吊るすのだって使える。牛丼テイクアウトしたら吊るすでしょ??
写真はヴィッツG's。フロントシート助手席を快適な位置まで下げるとこんな感じに。
ヴィッツRS-G'sのリアシートに座った視点から。ヘッドレストが別体式になっても圧迫感ある。
リアハッチゲートを開けると顔を出す場所。その名もラゲッジスペース。
セダンみたいに居住空間と区切られてる車種ではトランクなんて呼び方がしっくり来ますが、ハッチバックではラゲッジとか荷室とか。伝われば呼び方は何でも良いですw。
ヴィッツのラゲッジスペースは先代ヴィッツより大幅に拡大し、広さ的には平均的な広さになりました。奥行きで10cmくらい広くなったかな。ライバル車に並びました。
リアシートのシードバックは簡単に倒せる反面、大きな段差が残る。ヴィッツと同じように単純な可倒式リアシートを採用するデミオ、マーチ、ノートと似たような感じ。
上の写真右はラゲッジボード下のアンダートレイ。最近では当たり前なんだけど、上蓋の裏側には静粛性向上のための対策がされている。様々な場面での静粛性を総合すれば、ヴィッツはクラス上位。こんな吸音材で意味あるかは疑問だけど、こういった積み重ねが嬉しい。
しかもトヨタが、ここがポイントだよって教えてくれているから、ユーザーも対策グッズをアンダートレイに詰めちゃえばバッチリ!
面倒なダブルフォールディング式は、頑張ることでフラットな荷室ができる。このクラスで採用しているのは三菱コルト。
ラゲッジスペースのアレンジで優れているのはフィット。簡単に倒せてフラット。リアシート足元が使いやすいようにもアレンジ可能。
写真は別の車両(平成27年式の1.3U)。
写真左:ベースグレードと共通の段差がある状態。大きな段差がある。
写真右:トランクボードを利用している状態。フラットに近づいている。
筆者達の間ではトランクボードと呼んでいるこれがあると、段差はフラットに近づく。そして、それ以外にもメリットはあって、ラゲッジスペースの深さが浅くなることで、重い物の積載時に楽になる他、この段差分だけアンダースペースができる。
トランクボードは脱着式で、容積や深さがギリギリまで必要な時は取り外せる。
実用性が重要なクラスだからこそ、標準装備を望みたい装備だね。
写真は運転席からのドライバー目線で斜め前方を見たイメージ。
ヴィッツの長所は三角窓が上手に機能している点。ドラミラーが上手く避けていて、視認性は良好。
ボディ見切りでは左右Aピラーの位置と太さが気になる。これによって見切りが今ひとつ。助手席側も運転席側も、寄せるのが難しいし、走行中は自車位置が掴みにくい。
ピラー先端の位置が高いのと、ピラー自体ももっと立てるか細くしてもらえれば、走りやすさが向上し、ヴィッツの持つ気楽な走行感覚という長所も際立つと思う。
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ラゲッジルームの段差はものすごい。荷物を置きやすいのか置きにくいのか?
オプションでフラットに出来るボードがあるそう。
ラゲッジ周辺には吸音材や制振材がキレイに貼られている。ここは他のコンパクトカーでは省かれる事が多い部分。
ヘッドレストはシートバック一体型。
写真はリアシートステップ部分。段差はやや高いが開口部足下の広さはそれなりにある。お子様でも特別乗り降りしにくいことは無いと思う。
違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。
評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。