ヤリス試乗レビュー!ハンドリング豪華一点主義?ヴィッツから大変身の新世代コンパクト!
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トヨタ・ヤリス(KSP210)。グレード「1.0G」1000ccガソリンモデルの試乗レビュー・レポート。
価格やボディサイズが近い、ヤリスとパッソを簡単に比較してみます。
ほぼ同じエンジンを搭載(ヤリスは改良型とアナウンス)し、価格差は約20万円という2台。
わかりやすい大きな違いは、ボディ全長に30cmほどの違いがあります。このボディサイズから一般的にヤリスはBセグメント、パッソはAセグメントと呼ばれます。
しかしもっと大きな違いは乗り味の差。運転席でも助手席でもハッキリわかるだけの差があります。
またデザイン上の特徴では、前席優先と後席優先という違いがあります。
運転しやすさが重視されたヤリスに対し、ハンドルってなにそれ?みたいなパッソ。ハンドリングには好みとか味付けとかではなく、大きな大きな差があります。
優れているのはヤリス。
市街地から山道まで走りやすく、先代モデルのヴィッツと比較しても大幅にレベルアップしています。
劣っているのはパッソ。
曖昧すぎるハンドリングは駐車場でも走りにくく、思ったとおりの場所に動かすには、余計な神経を使います。
これはヤリスとの比較だけでなく、軽自動車と比較しても厳しいレベルです。
例えばダイハツのムーブと比較しても、ハンドル握りたくなるのはムーブです。
同じくマーチやソリオといった他のAセグメント車、思いつくコンパクトカーのどれと比較しても厳しく、 20年前の初代ヴィッツってこんな感じだったかな〜?なんて考えさせらちゃいます。
残念ながらパッソのハンドリングはそのレベルで低レベル。シャープとかマイルドという尺度ではなく、ハード的なレベルの低さが残念です。
同じトヨタブランドで販売されますが、2台には生い立ちの差を感じます。
2台を試乗すれば、「ほんとに同じトヨタ車?」なんて思ってしまう方も多いんじゃないかなと思います。特にハンドリングには、それくらいわかりやすく明確な差があります。
ボディ中央に輝くトヨタエンブレム。
中には「トヨタだから間違いないよね!」といった基準で選ばれる方もいらっしゃるかと思います。
ヤリスと価格差は少ないし、内容も近いよねって。そうやって選んだら後悔に繋がるかも?比較するなら納得するまで試乗して決めてください。安いといっても100万円超!遠慮はいりませんね!
単純な視界ではパッソが優れ、開放感があります。
逆に車両感覚の取りやすさや、大事な部分の死角の少なさではヤリスが勝ります。
運転しやすさを重視していると思われるヤリスは、車両感覚の取りやすさという点でも、ドラポジや内装形状の最適化が進んでいると思います。
ヤリスの見切りや視界に関しては上記ページで取り上げています。
パッソのフロントはボンネット前方が視覚的的に確認しやすいです。
体を前に出して覗き込めば、先端近くまで視認できます。
ポイントはボンネットの形状。両脇に盛り上がりがあり、機能的にデザインされています。
これによりパッソはフロントを寄せるのは簡単です。
しかし、助手席側サイドやタイヤ周辺の感覚は取りにくいです。
理由のひとつには、非常に曖昧なハンドリングが挙げられます。応答性が悪く、フィールはネチョネチョ。
場合によっては「切りすぎては戻して...」と不格好な運転に。そんなハンドリングでは、思い通りに寄せていくことは楽ではありません。
※内容は辛口評価です。試乗時のチェックポイントを重視!
乗り心地や静粛性といった快適性能は、上級車的なヤリス、軽自動車的なパッソ。
良い悪い以上に味の違い。辛いか甘いか、生い立ちの違いから想像できる特徴がそのまんま。
誰でもわかるだけ明確に差があります。
これにはヤリスが特別だからでもあります。ヴィッツがヤリスになり、最新のトヨタ車的な乗り味を手に入れました。
フラット感高い乗り心地に、響きの少ないノイズの聞こえ方。快適性の高さでは上級車に及ばないのは当然ですが、乗り味の方向性が一緒です。
パッソの乗り味は普通に「従来」のトヨタ/ダイハツ的です。
フワフワとゴツゴツを併せ持った感じで、普通といえば普通です。良くはないけどこんなものだよね、って。
逆に言えば、違和感を感じにくいという長所になりえる可能性も。過度な変化を望まなければ、今までの延長線上であるパッソの乗り味こそ魅力的かもしれませんね。
上がパッソ、下がヤリス。
今回は試乗車の関係から、グレードのランクに違いがあります。オートエアコンや加飾により、ヤリスのほうが洗練されて見えます。
同等のグレードだった場合には、造形的な部分で見え方が違うと思います。ヤリスは奥行きが大きく取られ、立体的な造形から高級感を感じられます。
次に内装パネルの質感、素材感という部分ではどうでしょう?
筆者的にはそう大きくは変わらないと思います。
写真ではヤリスのほうがかなり立派に見えると思いますし、黒い内装色は写真映が良いものです。加えて上の写真では、ヤリスの方が良いカメラとレンズを使用しています(都合により)。
ヤリスとカローラの差、もしくはヤリスとパッソの乗り味の差を考えれると、内装の質感差は小さいと思います。
ただ、ドライビングポジションやシートの差、そこから感じる質感差は大きいので、ここは前席優先のヤリスが持つ大きな特徴です。
アップライトな姿勢で座るパッソの長所は、リアシートの広さ。ここが最大の特徴でしょう。
ヤリスのリアシートはエマージェンシー(非常用)的です。
全く使えないわけじゃないんですが、少なくても日常的とは思えないですし、乗り降りもちょっときついです。
逆にパッソは、高効率な軽自動車譲りを連想する広いスペースをもちます。
乗り心地や静粛性の悪さに目をつぶれば、文句なく使える広さの持ち主。
居住性を無視すれば立派なのはヤリスのリアシート。でも、広さだったらパッソのリアシート。圧迫感も低く、どなたでもわかりやすいが魅力的です。
パッソのリアシート、乗降性は概ね良好です。ドア開口部は広く、シート座面高も多くのユーザーで不満がでないと思います。
ただ一点、サイドシル(サイドステップ)は太いです。幅があります。
高さもあり、フロアがすっぽりと凹んでいるカタチです。
衝突安全性への対応なのか?生産性の問題なのか? ちょっと気になりました。
ラゲッジスペースは2台ともに、それほど重視されていない様子です。それは寸法だけでなく、開口部の形状からも伝わってきます。
有効的なスペースで大雑把な寸法は、ヤリスの奥行きが60cm強、パッソの奥行きが50cm前後。スーパーやホームセンターでダンボール箱買いをされるなら、使いやすいのはヤリスです。
画像左:ヤリスのラゲッジスペース
画像右:パッソのラゲッジスペース
ラゲッジ開口部は、地上高はどちらも高め。そしてヤリスは上部が絞られていて、パッソはテールランプ形状からの絞り込みが目に付きます。
もし、荷物を上の方まで積み上げるように利用されるのなら、パッソのほうが使いやすいかもしれません。
ただその場合は、フィットやスライドドア系のコンパクトカーなど、他の選択肢が魅力的です。
その他では、リアシート足元が広いパッソはそこに荷物を積みやすく、ヤリスはリアシートを前倒したときにできる段差を埋めるパーツが用意されています。
パッソはダイハツが作るクルマ。じゃあダイハツが作るクルマが全部ひどいのかいえば、そんなことはありません。
筆者がピックアップしたいのは、同世代のムーブ。パッソと価格が近い軽自動車です。
ムーブはドライバビリティが高く、積極的にハンドルを握りたくなります。
特筆したいのは、4人乗車でもハンドリングのバランスが良好な点。軽自動車なのにね。
乗り心地だって、フロントシートに限定すれば悪くないんです。ボディ横幅が狭いというネガティブ要素をひっくり返してます。
どっち買う?と聞かれちゃうと非常に迷っちゃいます!ムーブ、騙されたと思って試乗してみてくださいね!
絶対的に安いのはパッソ。しかしコストパフォーマンスで比較すれば圧倒的にヤリスです!フィットやマツダ2(デミオ)と比較すれば割高感を感じるものの、パッソとの比較なら迷う必要はありません。
ヤリスは最新の乗り味、パッソは20年前のトヨタ車的な乗り味。恐れず言葉にすればそんな印象です。
また、良し悪しでない特徴で比較すれば、フロントシート優先のヤリス。逆にリアシート優先のパッソ。
「ヤリスで決まりでしょ!」と思いつつ、「リアシート使うならパッソ」という事になります。
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