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デミオ・スロットルバルブのメンテナンス「2」

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清掃方法とコツ、ポイント

「元お車整備士」がお届けするメンテナンスコーナー
マツダ・デミオ、純正パーツを利用して室内を加飾。D.I.Yで工賃節約。メンテナンスで走りやすさ復活。吸入空気量を調節してエンジン出力を調整するスロットルバルブの清掃を行いました。

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電子制御スロットルとなったクルマでは、スロットルバルブの汚れがドライバビリディに直結。汚れれば汚れただけ自動で調整され、運転しづらくなっていきます。メンテナンスを行うことで運転しやすく大変身。

  1. スロットル清掃P1・周辺パーツ取り外し
  2. スロットル清掃P2・清掃とコツ・ポイント

クルマはこの型のデミオ(DE型)。

他の車種でも同じマツダ車など近い部分があると思います。

当記事の著者: / 

3.掃除の目的と意味

前ページの感じでインテークホースを外すと、スロットルバルブがお目見えします。

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この写真で言うと、真鍮のような金色をしてる部分がスロットルバルブ。これが開閉し、空気を吸う抵抗を作り、エンジン出力が調整されます。

新車時など綺麗な状態では「全閉」にならず、小さな隙間があります。この隙間から空きこむ空気でエンジンはアイドリングします。

フライバイワイヤー以前のクルマでは、別にアイドリング専用のバルブが着いていました。現在の多くのクルマでは、このバルブ一つにまとめられています。

中央の黒い軸を中心して、クルクルと回ります。ちょうど鉄棒の逆上がりができずに落ちてくるような動きです。これはバタフライバルブと呼ばれることもあります。

「バルブ全閉時」の隙間がよごれで詰まってしまうと、スロットル特性やエンジンの安定性が大きく悪化します。実際には汚れに合わせてコンピューターが学習、自動調整を行い、最悪の事態を避けようとします。これがドライバビリティを悪化させる弊害を引き起こすと考えます。

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左:ビフォー。かなり詰まってました。
右:アフター。大事と思われる部分はしっかり。

ということで、電子制御スロットルを採用しているクルマでは、特にココを気を付けなければいけません。2015年現在、かなり多くのモデルが電子制御スロットルを採用しています。

一歩進んだトヨタ・バルブマチックやBMW・バルブトロニック、その他同じようなシステムでは、スロットルバルブ以外で吸気量を調整している構造なので、メンテナンスは気にしなくて良いと思われます。

所有するバルブマチックのウィッシュでは、メンテナンスを行っていませんが今のところ不具合ありません。

4.清掃方法は2種類どちらか

スロットルボディを車両に付けたままメンテナンスするか、または取り外してメンテナンスするか、選択肢は2通りあります。

どちらも手間という部分では大差ありません。ワイヤーのないフライバイワイヤー方式だと、付けたままの作業も結構神経とパワーを使います。

4-1.スロットルボディを車両に付けたままメンテナンス

インテークホースまでを外し、スロットルボディは車体に付けた状態でメンテナンスを実施します。パーツの脱着に不安を感じる方は、こちらでいきましょう。

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キャブクリーナーをバルブの隙間に吹きかけます。最初はとにかく、必要最小限の量を吹き、固い汚れを溶かすような感覚でどうぞ。

電子制御スロットルではモーターを動力にしてバルブが回転します。そのため軸には特殊なグリスが使用されています。クリーナーでグリスを流してしまわないようご注意下さい。

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写真は柔らかな内装ハガシを挟み、掃除を実行している最中です。
(怒られそうなやり方ですがw)

内部に傷を付けにくいような柔らかい物質で、かつ、ミスをしてもゴミを残してしまわないことをしっかり考えてメンテナンスを行います。

汚れの拭き取りには今回、整備用に最適なウエスを使用しました。

家庭用ティッシュやボロタオル、中途半端な布きれはご注意下さい。棒に巻き付けてバルブを押しながら作業する場合など、できればさけたいと思います。

4-2.スロットルボディを取り外してメンテナンス

バルブの裏側のスロットル清掃や作業しやすい状態でのメンテナンス。

安定感ある方法は、スロットルボディを外してから清掃に入る方法です。精神的な疲労という面では、外してしまった方がラクです。

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スロットルボディを取り外すためにはデミオの場合、ゴムホースを抜き、ボルト4本を外すことで取り外せます。

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ゴムホースのうちの1本は、冷却水が回っています(画像左)。

ホースを外したら、計の合うボルトなどを差し込み、一時的に蓋をします。今回はちょうど良いボルトが見当たらなかったため、3番のプラスドライバーを差し込んでフタをしました(画像右)。

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ボルトは4本。このような位置で固定されています。

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外してエンジン側からみてみた状態。

詰まってしまっている部分を綺麗にし、隙間を作るのが第一目的。ウエスにキャブクリーナーを染みこませ、それを汚れに染みこませるなどの方法で、溶かして除去すれば安全です。

クリーニングにあたり、丁寧に傷を付けないよう、また軸部分左右の隙間にクリーナーが入らないよう、心がけると良いと思います。

4-3.リスク覚悟でやるならこれも

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エンジンに吸い込んでいるホースのどれかを外し、キャブクリーナーを吸い込ませます。これを行うことにより、吸気経路〜エンジンまでクリーナーが回り込みます。

昔から定番の方法で、クリーナーを吸い込ませる事に問題はありませんが、場合によっては弊害を引き起こす可能性もあるかもしれません。クリーナーは強力ですし、中途半端に汚れを落とすことでトラブルを引き起こしてしまう可能性など、ゼロじゃありません。

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基本、やらなくてもいいけどやってみたいならリスクを覚悟で。エアフロセンサーのクリーニング。

写真のスプレーは安くはない価格で専用のクリーナーとして販売されていますが、これを利用したからといってリスクが少ないとは思えません。

使ってみた感じは速乾性のブレーキクリーナーという感じです。

筆者はいままで、エアフロセンサーを掃除して調子よくなったことがありませんので、効果と必要性はわかりません。今回はついでとして、ちょっと1本買ってみました。

5.元に戻して作業終了、試乗インプレなど

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取り外したパーツを元に戻してメンテナンス終了です。

メンテナンスが完了したら、バッテリー端子を外して待つこと数分、コンピューターをリセットさせてみると無難だと思います。

時計がずれるなど電装品を考えればバッテリーは外したくありませんが、現代のナビや高性能オーディオは、設定した内容をかなり記憶していてくれます。筆者は迷うことなくバッテリーを外すタイプです。


メンテナンスを終えて、ドライバーが感じる変化があったか? 効果大あり!クルマに興味のないおばちゃんでもわかるほどの大きな変化を得られました。やって良かったと報われる瞬間ですね。

そもそも、もともと好みでないスロットル特性が大幅に悪化し、事故の危険性を感じるほどに。飛び出し感が強くなり急遽、作業予定を組みました。
アクセルが「0%」の次が「10%」とか唐突なフィーリングになってしまい、駐車場だけでなく渋滞中さえ神経を使うように。

これ、オーバーな言い方じゃないんです。デミオは元々早開きが強いので、とんでもないことになっていました。

滑らかな発信が出来ない、神経使うとか、燃費を考えたエコランがしにくいという方は、まずはスロットルバルブ清掃を考えてみるといいかもしれません。「自分の車は大丈夫!」もしかしたら新車の頃のフィールを忘れてるだけかもしれませんよw

意見ハッキリ!特徴と長所短所をわかりやすく!

自分の言葉で!研ぎ澄ました感性で!

違いを感じる練習、試し失敗した経験、一貫性ある運転で試乗レポート。
受け売りでなく、カタログ的でない。紹介ではなくレビューです。

特徴を明確に!写真もできる限り!

評論家さまとの違いは、率直な表現と自由度の高さ。辛口といえば辛口です。
評価評論・比較レビュー「間違いいっぱいの自動車選び」。

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